ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

土魔法さんに向かって何て口を

食事を終えた私達は片付けをしながら寝床の用意をする事にした。


「あの、焚き火の周りで眠るだけじゃ無いんですか?」


「ご主人様には何か考えが有るみたいですよ」


 そう、私には土魔法が使えるようになった段階で試したい事があった。


 因みに結衣ちゃんには食事の最中に、ここまでの経緯を軽く話しておいたのでアリシアのご主人様発言はスルーです。


「それで今度は何するのハクア?」


「土魔法を使う!」


「土魔法をですか?」


 あれ? 何かリアクションが少ない?


私が土魔法を使うと言うと何やら皆の顔が微妙な感じになる。何故だ?


「そんなのどうするの?」


「エレオノ? 土魔法さんに向かって何て口を」


「えっ? そんな感じで行くの?」


「まあ、論より証拠。土魔法さんの偉大さを見せてあげよう」


 私はそう言って準備を始める。


 因みに自分が使えるようになって分かった事だけど、前にアリシアがアースクリエイトで作った物は時間経過で壊れると言っていたが、アレは正しいけど間違いでも有る。正確には剣や弓矢など地面から切り離して作った物は壊れ、逆に地面から切り離さなければ自分で壊さない限り永続的に維持される様だ。まあ、作る時の魔力にもよるけどね。


 それを踏まえて例えばこんな感じにやるとーーー。


 私はアースクリエイトで人数分の簡易ベットを土と石で作り、その回りに土壁をそこに人が一人通れる様に入り口を作る。更に真ん中にテーブルを作り完成!!


「「「「「「おお~」」」」」」


「土魔法にこんな使い方が有ったんですね!」


「凄いかな!」


「まあ硬いけどね」


「いやいや、十分だよ」


「ゴブ♪」「じゃな」


「今回は面倒だったから作らなかったけど、かまど何かも作れる」


「じゃあ、外でもお料理出来ますね」


 うん、これで私の旅の快適さがましたね!


「私が思うに土魔法は応用力次第でいろいろ使える」


「へぇー、地味な印象だったけど凄いね」


「これからもいろいろ模索する」


 鉄とかの鉱石も石から来るなら操れるかもだしね!


「さて、これで聞かれないね」


「えっ? どういう意味ですか?」


「結衣ちゃん。他の人間……勇者は今どうしてるの?」


「分かりません。私があの国から出る時に一緒に逃げようと誘ったんですが誰も話を聞いてくれなくて…………」


 確かに言う事聞くタイプのメンバーじゃ無いもんね?


「じゃあ、動向は分からずか……」


「すいません」


「いや、良いよ。後最後に一つだけ、召喚者は誰で召喚された時に何て言われた?」


「えと、私達を召喚したのは司祭の方でしたが、実際は教皇様だと思います」


 教皇って確か聖国カリグのトップだよね?


〈はい〉


 少なくともトップが絡んでやってるのか?


〈普通そうだと思いますよ〉


 いや、教皇落とす為の策略とかだと面倒だな~。と、思って。


〈なるほど〉


「召喚された時に言われたのは、この世界の現状に付いてとカリグの説明だけです」


「魔王を倒せとかは?」


「言われていません」


 どう言う事? それだと何の目的も無く呼び出したのと同じじゃない?


「帰る方法は?」


「魔王を倒せば帰れる…………と」


 ますます分からん? 帰る為に魔王を倒せと言うわけでも無く、ただ呼んだだけ?


〈情報が足りませんね〉


 だね。


「ありがとう」


「すいません。お役にたてませんでした」


「大丈夫ですよ結衣さん! ご主人様ならその情報だけでも十分です」


 いや、それは買い被り過ぎですよ? アリシアさん?


「そろそろ寝よう」


「そうじゃな。我も眠いのじゃ」


「おやすみなさい」「おやすみ」


 皆がそれぞれ挨拶して眠りに付く中私は一人考えていた。


 駄女神?


『シルフィン:その呼び方いい加減にしません?』


 まあまあ、所で結衣ちゃんがこの世界に呼ばれたのは偶然?


『シルフィン:どうしてです?』


 召喚されたのは私の通ってた学校の人間だよ? あの広い世界でどんだけの確率なのかな? 関わってる。もしくは何か知ってるよね?


『シルフィン:はぁ~、相変わらず勘が良いですね。ハッキリと言えば私と貴女が原因ですよ』


 私も?


『シルフィン:一応ですけど私は貴女が死んだ時にこの世界に引き込みました。そのせいで、同じ時期に召喚を行った国に呼ばれたのが貴女の関わりの有る者になったのでしょう』


 つまり、チャンネルが私にあってたから引き摺られる形になった…………と?


『シルフィン:そんな感じです』


 なるほどね。私との関わり…………か、じゃあもしかしたら…………。


 私はそんな事を考えながら眠りに付いた。



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