ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

私達が最速で敵を倒しご主人様の救援に向かいます

 イベントスキップ出来ませんでした。
 と、言う訳でこちら再び戦闘開始前です!


〈マスターこの状況でよくもまあ〉


 まぁまぁ。・・・これくらいのボケ挟まなきゃやってられんとです。


「1つ教えて、あんた達の化けてた人間達はどうしたの?」


「無論殺した」


「そう」


「何だ?気になっていたんじゃ無いのか?」


「いや、特には?」


 よし、仲間だった可能性はゼロじゃない!


〈この状況でそこが気になっていたんですか?〉


 まぁ、時間稼ぎだけどね。
 ヘルさんはとりあえず向こうのサポートお願い。


〈それでは、アレが使えない上に本当にマスターが一人で戦う事に〉


 こっちの男は接近戦主体だからある程度の予測が付くけど、向こうの女は恐らく魔法主体全体を見通せる目が必要何だよ。危なくなったらこっちに呼ぶからそれまでお願い。


〈分かりました〉


 私達が打ち合わせを終えるとガダルが話し掛けて来る。


「話し合いは終わったか?」


「今ちょうどね」


「正直だな、隠さないのか?」


「無駄な事はしたく無いからね」


どうせバレてると思ったし。


「くくっ!なるほどな」


「因みに、話し合いとかで終わる気は無いよね?」


「無いな。その代わり俺は手を出さん。行け」


 ガダルがそう言った瞬間グロスが突進してくる。


「ご主人様!」


「貴女達はこっちよ!」


「クッハハハハ!さあ、さあ、さあ、楽しもうぜハクアァァ!」


 人の名前絶叫すんなし!


 そんな事を心の中で思っている最中も時は進んでいく。高速で接近してそのまま腕を振り上げるグロス。瞬間ボンッ!と言う音と共に、今まで人間の物だったグロスの腕が黒い肌に代わり丸太の様な太さに膨れ上がる。


 なにそれ!?てか、受けるのは不味い。


 思う瞬間【魔闘技】を発動し何とか避ける。だが、グロスは構わずそのまま私に向かって無造作に拳を降り下ろす。


 ドガアァァア!


 なっ!腕の一振りでクレーターが出来た!


 爆発系の魔法を使った様な衝撃と音と共に、地面に自身の巨体が埋まる程のクレーターを作る。


「クハハハハ!よく避けたな!今のは受けたら粉々だゼ!」


 思ってたよりも力が強い!


「いいな、イイゼ、本当の全力で行ってヤンよ!」


 ボゴォ!ゴギァ!


 グロスの体が異質な音を奏でながら膨らんでいく、筋肉は盛り上がり、骨は筋肉に合わせ造り上げられていく。そしてその音が終わった時、私の目の前に2メートルは越える黒い肌をした。筋骨隆々を遥かに越えた、人の形をした筋肉の塊が立っている。


「クハハ!これで本気が出せる!」


「えぇと、それが本当の姿?後2回変身出来るとか無いよね?」


「あぁ、安心しろ。それに本当の姿に戻っただけだから、変身じゃねぇ!」


 良かった。宇宙の帝王見たいな事出来るのかとまぁ、とりあえず。


【鑑定士】スキル失敗
グロス
レベル:25
HP:2800/3000
MP:1000/1000
物攻:1000
物防:1100
魔攻:150
魔防:250
敏捷:600
知恵:400
器用:600
運 :100


 最悪だ!ステ振り極端な分グルドより物理が高い!たぶん?


「まだまだ、行くぜ~!」


 くっ!また突進!?


 迫り来るグロスに牽制で多重展開した10のウインドカッターを放つ・・・が、グロスはそんな物を意に介さずそのまま突っ込む。


「気かねぇ~!」


 私はもう一度ウインドカッターを多重展開する。


「気かねぇって、言ってンだロォがぁあ!」


 私が効かない攻撃を再度繰り返そうとしたのを見てグロスが吠える。それでも気に止めず、そのまま多重展開したウインドカッターを1つにまとめ、ドリル状の風の塊を造り上げる。


旋刃鼬せんじんいたち


「なっ!ウオオオオォ!」


 旋刃鼬を放つとスピードに乗っていたグロスは真正面からまともにぶつかり、そのまま旋刃鼬を無理矢理潰す。


「クハハ!ドォダ!」


 旋刃鼬を押し潰し私に勝ち誇るグロス。しかしその時には私は暁と宵闇を取り出し、鎌鼬を発動させ後ろから斬り掛かる。


「甘え!」


 ガキィぃぃ!


 澄んだ金属音と共に私の2刀はいつの間にか手に握られていたグロスの大剣に阻まれる。しかし、私はその直後に影魔法でグロスを包み込み距離を取る・・・だが。


「甘ぇって言ってンだ!」


 グロスは私が張った影魔法のドームを意に介さず、見えていない筈の私を正確に攻撃してくる。


 素早く風守流転を発動し【受け流し】のスキルも使い、何とか捌くが衝撃を受け流しきる事も出来ずに私は吹き飛ばされてしまう。


グロス
HP:2650/3000
MP:1000/1000


ハクア
HP:320/560
MP:230/330


 わ~い!150しか減ってない!もうダメだ!しかもかすっただけで240削られた!これ、通常攻撃一回まともに当たるだけでゲームオーバーだ!


「クハハハハ!イイゼ、ハクアその調子だ!さあ次は何を見せてくれるんだ!」


 大層喜んでるけどほぼほぼ手の内明かしてんですけど!?後は、最後にガシャドクロに止めを差した技【鬼気】と【魔闘技】【疫崩拳】【魔拳】【魔法剣】を、ミックスしたオリジナル複合合成技、鬼崩剣きほうけん位だけどアレやると私動けないしな~。


 私は何とか生き残る術を見つける為集中を高めてグロスを観察していた。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
 魔族達とご主人様の交渉が決裂し戦闘が始まる事になってしまった。


〈マスターからの伝言です。貴女達はこのまま私を含めた全員で魔族の女と戦う様に・・・・と〉


 そんな!幾らご主人様でもヘルさんも居ない状態何て・・・・!しかも相手はインフェルノを受けても対したダメージが無いのに!


「それだと本当にハクアが一人で戦う事になっちゃう」


〈マスターは承知の上です。あの魔族の女は魔法主体タイプらしいです。だからこそ私が貴女達をサポートします〉


 確かに魔法は広範囲な上に出が分からない物もあります。それでも・・・いえ、ご主人様ならそれも承知の上でしょうね。それなら・・・・。


「他に方法は?」


「方法は、私達が最速で敵を倒しご主人様の救援に向かいます」


「アリシア!」


「分かったゴブ」


「ボクも頑張るかな」


「二人とも・・・うん、分かった早く助けに行こう!」


 良かった。エレオノも何とか分かってくれました。これで良いんですよねご主人様?


〈動きました〉


 ヘルさんの言葉に意識を引き戻される私が見たのは、グロスと呼ばれた魔族があり得ないほどの速さでご主人様に迫る姿だった。


「ご主人様!」


「貴女達はこっちよ!」


 ご主人様に迫る敵の姿に叫んだ瞬間、もう一人居た魔族の女性がそう言いながら攻撃してくる。


「アリシア、アクア下がって!行くよコロ!」


「はいっ!」


「ゴブ!」


「了解かな!」


 エレオノが全員に指示を送りコロと一緒に駆けていく、魔族の女性はそれを見ながら舌舐めずりをする。それを見た私の背筋にゾクッ!とした物が走る。


これは!


「エレオノ、コロ下がって!フレイムランス!」


 私は自分の直感を信じ二人を下がらせ魔法を放つと【魔闘技】を使い近くにいるアクアを抱え横に跳ぶ!すると魔法が女性に当たる直前、ヒュバッと言う風斬り音と共にフレイムランスが掻き消える。そして私達がもと居た所に一筋の線が浮き上がる。


「これは鞭?!」


「フフッ!正解ッよ!」


 ヒュバッ!


 魔族の女性は再び私達に向かって鞭を振るう、しかし。


「させないかな!」


 絶妙なタイミングでコロが私達を狙う鞭を叩き切ろうとする。


「甘いわ!」


 しかし、相手は手首のひねりだけで鞭の軌道を変え、コロの攻撃が鞭に当たるのを防ぎ、そのままコロの胴体に鞭を打ち付ける。


 バチィン!


「くっ!」


「コロ!」


 瞬間私達はアイコンタクトを取り私はコロに近付く振りをしながら地面に土魔法アースニードルを使い、相手の足の裏に鋭い杭を造り上げそのまま貫く。


「クウゥッ!小娘!」


 その杭はご主人様の助言により、相手の体内に侵入すると無数の返しが出来て抜けない仕組みになっている。


「クソ!取れない」


 直ぐに外せると思った杭を外す事が出来ない焦りでこちらへの注意が少なくなる、その隙にアクアによって回復して貰ったコロが正面から全力で斬り掛かる。


「舐めるな!」


 しかしそれは只のブラフ。最初から攻撃する気の無い攻撃は、体重も乗っていないので直ぐに回避に移り鞭による打撃を避ける。


そして避けられた事により出来た一瞬の間で、アクアが光魔法を女性の前に展開して光で目を焼く。その瞬間今まで気配を消して気を伺っていたエレオノがご主人様の手解きで武器にも【魔闘技】を纏わせる技を使い四段突きを放つ。


「きゃあぁぁあ!」


 魔族の女性はエレオノの攻撃の衝撃に吹き飛び足の杭を引きちぎり飛んでいく。


 追撃の手を緩めない!私はアクアに目配せをして魔法のタイミングを合わせる。


「フレイムブラスト」「ゲイルブラスト」


 私はアクアと再びユニゾン魔法インフェルノを放つ。


 ドガァァァァァアァア!


 これで!


 目標に当たった瞬間、とてつもない熱量の蒼炎が火柱となって立ち上る。


〈避けてください!〉


 ヒュバッ!


「きゃあ!」「うわ!」「くっ!」「ゴブ?!」


 火柱の中から雷光が迸り私達を襲う、私はレベルアップッで覚えた【結界】のスキルで防ぐも余りの威力に掻き消され、そのまま飛ばされる。


コロは上手い具合に避け。エレオノは盾でアクアを庇い雷光受けるもその威力を前に同様に吹き飛び、アクアが慌てて回復に向かう。


 私は自分で作った回復薬を飲みHPを回復させ、今のうちに全員集まって陣形を組み直した。


「小娘共楽には殺さないわよ!」


 火柱の中から出て来た女性は余り見た目は変わらないものの全身に魔族の特徴の模様が浮き出て、手に持っていた鞭は左手と同化して腕から先がそのまま鞭になっていた。


〈今ステータスを出します〉


【鑑定士】スキル失敗
カーチスカ
レベル:25
HP:1700/2300
MP:2800/3000
物攻:400
物防:350
魔攻:1500
魔防:1050
敏捷:550
知恵:700
器用:400
運 :100


 こ・・れは、勝てるんでしょうか?いえ、勝つしかご主人様を助ける方法はありません。


「もうお遊びはお仕舞いよ!死になさい小娘共!」


 ドガァアアァァァオ!


 カーチスカが叫び私達に特大の魔法を放ち、辺りは紅蓮の炎で包まれた。

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