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ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

「このままだと、負ける」

「アリシア、そっちよろしく」


「はい、わかりました!」


「コロ、エレオノは向こうの一団お願い」


「了解」「分かったかな!」


「アクア行くよ」


「ゴブ!」


 現在、私達はスケルトン祭り決勝戦の真っ最中である。


 なんと言うか、決勝戦だけあって派手何だけど、作戦も何も無い位大量のスケルトンが出て来てるんですけど!?これで良いのか決勝戦!ちゃんとやれよ運営。


〈派手なら良いんじゃないですか?〉


 ですかね?


「はぁ、はぁ、今どんな感じ?ハクア」


「分かんない」


「だよね~」


「二人共、今は大体開始から二時間位経ちましたよ」


 あっ、そんなに経ってるんだ。


「スコアはボク達のパーティーが二位だけど、差はそんなに開いて無いかな」


「良くわかるね?」


「ほんと、ほんと」


「「はぁ~」」


 私とエレオノの言葉にアリシアとコロがため息をつく。


 あれ?もしかしなくても呆れてますか?


「ご主人様、エレオノ上見て下さい」


「「うえ?」」


 アリシアの言葉の通り二人揃って上を見上げる。


 すると、何やら上の方に文字と数字らしき物が見える。


「何あれ?」


「それぞれの、パーティー名とスコアです」


「おぉ、そんな物が!?」


「開会式の時、ちゃんと言ってたかな」


「開会式の挨拶とかって、眠くなるよね」


「あっ、わかる!」


「だよね~」「ね~」


「二人共?」


「「ごめんなさい」」


 うん、聞いて無かった私達が悪いよね。


〈マスター次が出ました〉


「OK、皆ちるよ」


「「「「了解」」」」


 ポップする場所が複数有る為それぞれで各個撃破に向かい私は少し遠くにポップしたスケルトンに突撃する。


 するとスケルトンは、こちらに気が付き向かって来る。それを待ち構え剣による上段の斬撃をコロに貰った骸で受ける。


 ガギン!


 いやぁ~、これほんと凄いな!正にコロさまさまって感じだね!


 コロ曰く、貰った装備の特殊効果が無い物は魔力を流すと一時的に防御力が上がるらしい。


 装備の付加能力って本当に便利だよね!


 スケルトンは斬撃を受けられた段階でそのまま蹴りを放つ。


 骨の癖に俊敏な!


 私はそれを躱し蹴り上げて来た足を下からハネ上げる。すると足をハネ上げられ、バランスを崩したスケルトンは仰向けで倒れ込む。


 私はその隙に【跳躍】スキル全開で翔び、スケルトンの頭蓋骨目掛け、真上から体重を掛けながら思いきり拳を降り下ろし叩き割る!


 ボキャア!


 私の攻撃でスケルトンの頭蓋骨が砕けるが・・・。


 音がエグい、その上何か、後味悪いよ!!人の形に似てる分、抵抗見たいの有るのかな?まぁいいか、ヘルさん向こうはどう?


〈まだ、動いていません〉


 はぁ~、やっぱりかぁ~。


 そう、祭りが始まり二時間程経っているにも関わらず、三位だったパーティーは未だにスタート地点から動いて居ない。


 しかも絶対見られてる!


 この決勝戦が始まってからと言うもの、私はずっと三位パーティーの三人組から見られている!と、思う。


 露骨に視線は感じるものの、確たる証拠は無いから質が悪い。


 でも、元半引きこもり&コミュ症の被害妄想持ちをなめるなよ!他人からの視線には、敏感なんだい!


〈彼らの目的は何でしょうか?〉


 まだ分からないけど警戒はしておきたいからよろしく。


 まあその為に私、魔法はあんまり使わずに取ってあるんだけどね。


〈了解しました。マスター〉


 さて、とりあえず動かない奴らを気にしていてもしょうがない!それよりも・・・・。


「ハクア」


「どうしたのエレオノ?」


「あ、えと、このままで平気かなって」


 なるほど、差が少しずつ開いてるから心配になったのか。


「このままだと、負ける」


「えっ?」


「元々の地力は向こうが上だからね」


「そっ、それじゃあ・・・」


「大事なのは終盤だよ」


「今私達に出来るのは終盤の封印が強まってモンスターが少なくなるまでの間、それまで引き離されない事だよ」


「うん、分かった!ハクアを信じる」


〈良い子ですね〉


 だね。だからこそ、勝たせてあげたいんだよね。


〈同感です〉


 ヘルさんからの同意を得て私はまた集中する。


 何としても、終盤迄にタイミングを見切ってやる!


〈マスター、強化個体です〉


 ヘルさんに言われ私は駆け出す。


 因みに強化個体とは、モンスターのポップエリアを限定した事で一体のモンスターに力が集中して、レベルが上がった個体の事である。


 あれか!うわ、明らかに強そう。


【鑑定士】スキル成功
ジェネラルスカル
レベル:6
HP:500/500
MP:150/150
物攻:280
物防:180
魔攻:90
魔防:110
敏捷:100
知恵:45
器用:80
運 :5
スキル:【斬りかかり】【連続切り】【受け流し】【叩き割り】【シールドバッシュ】


 おぅ、強いよ!普通に私よりステータス上だよ!


「ご主人様!」


「アリシア援護よろしく。皆は、そのままで!」


「「「了解」」」


 クソ、なるべく手の内は明かしたく無かったけど、これの相手は素のままじゃキツい!


「ご主人様どうしますか?余り手の内を晒したく無いなら、私が主体で行きますか?」


「ダメ、うちで一番ダメージを出せるのはアリシアだ。だからアリシアは今まで通り、1段階目の魔法で援護よろしく。あれは、私がやる」


「わかりました。でも、危なくなったら本気で行きますからね!」


 アリシアのその言葉に思わず苦笑する。


「うん、よろしく」


 さて、どうするかな?


 相手は大きめの剣と盾を持っていて兜と甲冑も着てる。


 ジェネラル何て言うだけあって流石に良い装備着てるな。


 私は相手を観察しながら間合いを詰めていき、ジェネラルの間合いの中へと入る。


 ヒュバッ!


 いきなり剣の一閃が来た!それを何とか避け後ろに下がる。が、それでも私は、胸の辺りを薄く斬られ血液が飛び散る。


「ご主人様大丈夫ですか!」


 私はアリシアに一瞬目配せをし、視線を戻す。


 くっ、剣速は今まで会った中で一番早い!


 ジェネラルは後ろに下がる私を逃すまいと、そのままの勢いで前に出る、が・・・。


「アースクエイク」


 アリシアの魔法で私達の間に土の壁が出来る。


 よし、これで体勢を直せる。


 ドガァ!「なっ!」


 体勢を直せると思った瞬間、ジェネラルは【シールドバッシュ】を放ち、私達の間に有った土壁を力業で壊す。


 マジか!


 私はジェネラルの壊した土の塊に当たり更に体勢を崩す。


「ご主人様!」


 ジェネラルは、そのまま水平に斬撃を放つ・・・が、私は重力に逆らわず背中から倒れ込み斬撃を躱す。


 そして、そのままの勢いで足を振り上げ後転をして距離を取るも、ジェネラルはそのまま私を追い掛けてくる。
 しかし、今度は距離を取らず足の裏で、ウインドブラストを放ち高速移動する技。風縮と名付けた物を発動して、一気に間合いを詰めていく!流石にこの行動は予想外だったのかジェネラルは対応が遅れ、防御が間に合わない。


「暁、宵闇!」


 私が叫ぶと、二本の短剣が私の手の中に音も無く現れる。


 更に私はその短剣に鎌鼬を纏わせジェネラルの盾を持つ方の肩骨を砕く。


 ガギィ!ガシャッ!ガラガラッ。


 その一撃でジェネラルの肩は砕け、盾を持っていた腕が地面に落ちる。


 さて、もう一踏ん張りだね!

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