ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~
ボクは鍛冶師としてハクアに最高の武器を作る
ヒャッハー!来たぜボス部屋!!
〈何ですか?その奇妙なノリは?〉
奇妙なとか言われましたよ!?
〈そんな事よりちゃんと聞いて下さいマスター〉
そんな事って言われた!
〈ここのボスはスカルライダーと言うボスだったのですが、今女神様からメッセージが届きました〉
メッセージ?
〈はい、今から再生します〉
『女神様:ハクア真面目な話ですからちゃんと聞いて下さい。貴女も祭りの始りについては聞いていますね?今回は不死の王の封印が何時もより外れている為、モンスターがより強化されています。その階にバジリスクが居たのもその為です。そして地下10Fのボスもスカルライダーよりも強力な、ガシャドクロになっているので気を付けなさい。じゃあここまで忠告したんだから簡単に死なないで下さいね?ボス戦楽しみにしてます』
野郎、と言うかスカルライダーからガシャドクロってどう言う変化?何で海外のスカルから日本の妖怪に変わる訳さ?!
『女神様:正直モンスターの種類が十万越えて居たのには驚きました』
種類で十万とかって何やってんの?!人類殺す気か!!
『女神様:そんな気は無かったんですけど気が付いたら、ね?』
ね?じゃないでしょ!?どうしてそうなった。
『女神様:記憶に有りません』
政治家か!!
『女神様:とりあえず忠告はしたので気を付けて下さいね』
うわ、逃げやがった。
「ご主人様どうしますか?」
「行くしか無い」
「「ですよね~」」「ゴブ!」
「皆どうしたのかな?」
あぁ、コロには聞こえて無いんだっけ?
〈聞こえるようにしますか?〉
とりあえず保留で。
「コロ今の鉱山内は不死の王の封印が何時もより外れてるから敵が強いらしい」
「そのせいでバジリスクもここに居たって事かな?」
「うん」
話が早くて助かるな~。
「えっと、ハクア達はそれでもボクに強力してくれるのかな?」
「当たり前」「ありがとかな」
「よっし、そうと決まれば早速行こうか」
「とりあえず全員【魔闘技】発動その後はコロとエレオノが前衛、アリシアとアクアが後衛、私が遊撃で適当に動く」
「「「「了解」」」」
「前衛二人は攻撃より回避優先」
「分かった」「了解かな」
「アリシアは魔法を使いながら弓での攻撃も適宜に」
「分かりました」
「アクアは回復の生命線だからMPに気を付けて」
「うんゴブ」
「よし、行こう」
そして私達は初めてのボス戦に挑む為ボス部屋の扉を開いた。
ギイィィィィ!
「ご主人様!」
アリシアが叫び私に報せる。扉を開いた先には見上げる程の巨大な骸骨が、伽藍堂の眼窩に紅い光を宿しこちらを眺めていた。
瞳が無いのに目が合うとはこれ如何に?!
〈最近、現実逃避が多くないですか?〉
直視したく無い現実が多くてね。
「来るよハクア!」
エレオノの声に全員回避運動を取る。
ズダーン!
巨大な音と共にガシャドクロの手が私達の居た所に落ちてくる。
【鑑定士】スキル成功
ガシャドクロ
レベル:20
HP:1500/1500
MP:780/800
物攻:400
物防:350
魔攻:100
魔防:250
敏捷:80
知恵:50
器用:40
運 :50
スキル:【本気】【頑強】【豪腕】【破壊】【呼び起こし】【押し潰し】【凪ぎ払い】【咆哮】【炸裂】【スカルソード】
ヘルさんコロにもステータスの表示お願い。
〈良いのですか?〉
うん
「コロ、今からガシャドクロのステータスを見せるけど焦らずに対処して、私のスキルだから」
「う、うん分かったかな!」
ヘルさんのお陰でコロにも表示見えてる筈。
「【炸裂】【スカルソード】はどんなスキルなのか分からないから変な動きを始めたら注意【呼び起こし】は多分スケルトン系を呼び寄せるから気を付けて」
言い終わるやいなや待っていたかの如くガシャドクロが【凪ぎ払い】を仕掛けてくる。
エレオノはそれを助走をつけた跳躍で飛び越えガシャドクロへと肉薄する。
「ハッ!」ガカカカ!
【言霧】を使いながら、四段突きを放ちガシャドクロの骨に当たり固い音を響かせる。
やっぱり固い、物理ダメージはあんまり通らなそうか?なら。
「鎌鼬」
物理がダメなら魔法ならどうだ!
ズザザ!
今までに無い音をだしながら私の鎌鼬は5度程切りつけただけで霧散する。
マジか!硬すぎて鎌鼬が消えちゃった!?
「破壊の一撃」ズガーン!
コロの特大威力の攻撃が当たり轟音が鳴り響く。
ガシャドクロ
HP:1250/1500
MP:750/800
う~む、10回攻撃当たって250しか減らないとかやっぱり物理はキツそう。
「ハクア、私手が凄く痺れてる」
「ボクもかな」
「実は私も・・・」
〈予想出来たでしょうに〉
すいません。
「フレイムブラスト」「ゲイルブラスト」
アリシアとアクアが互いの属性のブラストを放ち、それが互いにぶつかり混ざり合い蒼炎の炎となる。
それぞれの魔法が一段階上がり二人で放てる様になったユニゾン魔法インフェルノを放つ。
ズガァァァァァアア!
蒼炎がガシャドクロに当たり爆音が鳴り響く。
「やったかな」
コロさん、それやれてないフラグ!
「グオオオオオォォォ!」
ガシャガシャガシャ!
ガシャドクロが咆哮を放ち、私達はその声で動く事が出来なくなる。
その間にガシャドクロは【呼び起こし】を使ったのか周りにスケルトンが次々に現れ、総勢15体のスケルトンが産み出される。
ちょっと頑張りすぎじゃない?
ガシャドクロ
HP:850/1500
MP:300/800
【鑑定士】スキル成功
スケルトン
レベル:10
HP:200/200
MP:50/50
物攻:150
物防:100
魔攻:50
魔防:55
敏捷:40
知恵:10
器用:20
運 :5
スキル:【斬りかかり】【連続切り】
よし、ガシャドクロの方は魔法が効きそうだからアクアとアリシアに頼もうそれから。
「エレオノ、コロの二人は周りのスケルトンお願い」
「了解」「OKかな」
「アリシア、アクアは魔法でガシャドクロを、私はガシャドクロの注意を引きながら動くからよろしく」
「分かりました」「ゴブ!」
私の指示により皆が動き出したのを確認し私はガシャドクロに集中する。
大丈夫これくらいのステータス差はネトゲで何度も経験済み出来る。やれる。イケる。
私は自分で自分に自己暗示を掛けながら再びガシャドクロに肉薄する。
「グオオオ」ドオン!ドオン!ドオン!
ガシャドクロが声をあげながら【押し潰し】何度も私に放つ。
もぐら叩きか!?
〈余裕ありますね〉
実は無いんだけどね!うわっと!!
元の大きさの違いと、標的が私一人になった事で回避がキツくなる。
「フレイムランス」
そこへアリシアが絶妙なタイミングで魔法を放ち私を援護してくれるが、その攻撃でアリシアに標的が移りそうになる。
「ホーリーレイ、ゴブ」
しかし、アクアがガシャドクロの視線がアリシアを捉えると同時に死角から新しい光魔法を唱える。シューティングレイよりもスピードは下がるものの威力が上がったホーリーレイは、死霊系のモンスターであるガシャドクロにも、かなりのダメージを与えたらしい。
「グオオオ」
ガシャドクロが吠えながらアクアに突進する。私はアクアに体当りするように飛び込み、間一髪何とか突進を避ける。
それと同時に私はウインドブラストを頭上に3つ作り、それを全て重ね合わせ一つの玉に圧縮しガシャドクロに放つ。
ズガァ!ガラガラガラガラ!
私の一撃は狙い通り、ガシャドクロの肩の繋目辺りの骨に当たり派手な音を立てながら左腕を崩壊させる。
よっしゃ、支えの部分を壊せば部位破壊出来るとは思ったけど上手く行った。
しかし私は自分の作戦が上手く行った事で気が緩み上から【押し潰し】が来るまで気が付かなかった。
「ご主人様」
アリシアの声に我に返りアリシアとアイコンタクトを取ると、そのままアクアと共に背中から仰向けに倒れる。
「アースクエイク」ドシイィイ!
アリシアの声が響き、私達の真横の土が盛り上がりガシャドクロの攻撃を受け止める。
アブナ!間一髪。
「「ハクア、アクア」」
「大丈夫、無事」
「ご主人様から離れなさい!」
その言葉と共にアリシアがフレイムブラストをガシャドクロの腕に放つ。
ドガァァァ!「グオオオ」
悲鳴と共に腕が引かれその隙に脱出する。
▶ハクアのレベルが5に上がりました。
HPが440に上がりました。
MPが250に上がりました。
物攻が140に上がりました。
物防が140に上がりました。
魔攻が100上がりました。
魔防が115に上がりました。
敏捷が200に上がりました。
知恵が280に上がりました。
器用が220に上がりました。
【鬼気LV.1新】習得しました。
【魔拳LV.2→LV3】になりしました。
【魔闘技LV.3→LV.4】になりました。
【見切りLV6→LV.7】になりました。
スキルポイントを10獲得しました。
▶アクアのレベルが5に上がりました。
▶アリシアのレベルが20に上がりました。
転生が可能です。
▶エレオノのレベルが13に上がりました。
▶コロナのレベルが12に上がりました。
 
うおっと、行きなりレベルアップの音がきた。
「ハクアこっちは片付いたよ」
「間に合ったかな?」
「今良いところ」
私はアクアを後ろに下がらせながら、二人に答え周りを見るとスケルトンは全て倒されていた。
ガシャドクロ
HP:300/1500
MP:220/800
状態:部位欠損
よし、あと一踏ん張り。
そう考えていると。
「グオオオオオォォォ」
またも【咆哮】を使い私達の動きを止めに来るガシャドクロ、そして私達の目の前でその白い骨を赤く染め上げて行く。
「グオオオ」
ヤバイ。
「何か来る逃げて」
そう思った私は全員に警告をして逃げようとするも、元々腕の長さだけでこちらに攻撃を仕掛けていただけあって、間合いの外に行くには時間が足りない。
前衛に居た私達三人に向けて赤く染まったガシャドクロはその腕伸ばし、バァン!
瞬間ガシャドクロの指が破裂し、私達に破片が襲い掛かる。
クソ【炸裂】は、こう言う事か!?
私は自分の前にウインドウォールを展開し飛んで来る骨の破片を下から上に押し流す様に調整して、エレオノとコロへの被弾を少なくする。
そして私自身にオリジナルの防御魔法風守流転を使う。
この魔法は自身の周りに風の膜を張り、そこに何かが当たると風が集まり、当たった物を受け流す軌道に誘導する魔法だ。
勿論余りに強い物は反らしきれないけど、ある程度は受け流す事が出来、最悪でも軌道をずらし急所に当たる事は避けることが出来る。
しかし、ガシャドクロの破片はこの2つを持ってしても私の防御を貫いてきた。
エレオノとコロもそれぞれのバックラーと斧を盾にしてもそのまま吹き飛ばされてしまう。
ヤバイ!
ハクア
HP:110/440
MP:100/250
エレオノ
HP:150/475
MP:50/130
コロナ
HP:200/550
MP:30/120
想像よりもヤバかった。ウインドウォールと風守流転が無かったら死んでたな。う~ん、私の防御だと良いのがくれば一撃で終わりそう。
〈マスター、先程獲得した【鬼気】はマスターのステータスを十秒間二倍にするスキルです〉
マジで!じゃあ早速。
〈待ってください。その代わりにスキル終了時に動けなくなります〉
うわっと、マジか!
〈はい、だから大事な場面で使って下さい〉
了解。
その隙にもガシャドクロは動き何かをし始める。それを見て私は猛烈に嫌な予感を覚える。
「皆、止めて!」
「分かりました」「了解」「ゴブ」「分かったかな」
ガシャドクロを止める為動き出す私達、しかし何もしていないのにスケルトンが地面から産み出される。
なっ!自動のリポップ?
「くっ、フレイムブラスト」「ゲイルスラッシュ」
ドガァァァ!ズシャッ!ガラガラガラガラ!
二人の攻撃は全てスケルトンに阻止されてしまいガシャドクロに届かない。
私は【魔眼】を使いガシャドクロを見ると、私が落とした腕の骨を掴み上げ魔力を集中しているのが分かった。
な、何、あれ?ヤバイ、ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ、クソ間に合わない。
「全員防御するために集まって!アリシア、コロ次の一撃堪える為なら、MP全部使っても構わないアースクエイクで壁を作って」
「わ、分かりました」「了解かな」
「アクア強化魔法お願い!そしたら最後尾に移って何としても堪えきって」
「ストログ、ディフェンダ、アジリおねちゃん無理ダメ」
「うん、ありがとう」
「エレオノ」
「私はどうするの?」
「攻撃に合わせてレゾナンス撃つよ」
「う、うん分かった」
ヘルさんお願い。
〈レゾナンスを撃つにはお互いの手をつなぎ合わせ、同時に固有のレゾナンス名を叫びます。エレオノとのレゾナンスはアイシクルクロスです。アイシクルクロスは剣の生成に時間が掛かるので、すぐに始めて合わせたいタイミングで穿て、と命じれば攻撃出来ます〉
分かったありがとう。アリシアとコロに下がる様にいっておいて。
〈分かりました〉
「エレオノ」「うん」
私達はヘルさんの言う通り手をつなぎ合わせ。
「「アイシクルクロス」」
そう叫ぶと、私達の頭上に氷が現れ数十本にもなる氷の剣が産み出されていく。
しかしガシャドクロの動きも止まらず、付かんでいた腕の骨が今では剣の様な形になり、一目見ただけでヤバイと分かる程異様さを増していた。
そして不意にその骨剣を振りかぶり始め。
ヤバイ!
「エレオノ」
「「穿て~!!!」」
私達の攻撃が一瞬早く向こうよりも先に始まるが、ガシャドクロは振り上げた腕を目にも止まらぬ早さで降り下ろし。
ズガァァァァァアア!
周囲のスケルトンを破壊しつつ地面に叩き付る。その衝撃波の波が私達の攻撃と激突する。
ズガァァシァァァァア!!
氷の剣が次々に衝撃波に当たっては砕かれ散っていく、それでも衝撃波の波は止まらずこちらに向かってくる。
ドガァァァ「「「「きゃぁあ!」」」」
衝撃波の波はアースクエイクで作った壁にぶち当たり私達を吹き飛ばす。
くっ、ヤバイどうなった?
〈全員何とか生きています〉
「はっはっ、くっ、大樹の癒し」
「アクティブヒール」
アリシアとアクアが全体回復の魔法を掛けてくる。この2つは即効性は無いが暫くの間HPを回復し続ける物だ。
ガシャドクロ
HP:300/1500
MP:0/800
状態:部位欠損
クソ、剣は使いきりじゃないのか!
どうやら【スカルソード】は武器化する為のスキルであの攻撃は素の攻撃力らしい。
あと、300大きいのを当てれば行けるかも知れないけど、インフェルノでも叩き斬られそう。なら小さい攻撃で削り切る!
「ハクアボクに一分欲しいかな」
「理由は!」
「さっきのレベルアップで【魔剣錬成】使える様になったかな!だからボクは鍛冶師としてハクアに最高の武器を作る。それで」
「分かった。私が決める」
「よろしくかな」
「それじゃ、それまでの間私が注意を引きながら動くよ」
エレオノが言い。
「私も近付きながら弓と魔法で応戦します」
と、アリシアが。
「アクアも、光撃つ」
アクアが言った。
「皆お願い」
「「「了解」」」
返事と共に皆が行き私はコロの護衛の為に残る。
「【魔剣錬成】」
コロが両手を前に出してそう言うと掌の前に黒い球体が現れる。
「素材、効果、特性、形状、硬さ、軟かさ、弾性、錬成開始」
コロが呟く度に魔力が流れ込み球体が魔力を帯びていく。
「工程、トレース」
40秒が過ぎ黒い球体は徐々にその形を変えていく。
その間にもガシャドクロと皆の戦いは続く。
皆頑張ってあと少し。
「「「きゃぁあ!」」」
剣での【凪ぎ払い】を受け全員が吹き飛ばされてしまう。
ヤバイHPが持たない。
「形成!ハクア!これが今のボクの最高の1本かな」
コロが最後の言葉を放つと共に私は走り出す。
「受け取って」
私はコロが投げてきた大きめの剣を受け取り、そのままガシャドクロ目指して突っ込んでいく。
ガシャドクロ
HP:200/1500
MP:0/800
状態:部位欠損
皆の頑張りでガシャドクロのHPはさらに減っていた。
皆本当にありがとうここからは私がやる!
「【鬼気】開放」
そう叫んだ瞬間、私の体の内側から抑え切れないほどの力が溢れる。
そして私はその力を惜しむ事無く使い、ガシャドクロとの最後の攻防に移る。
「ハァァァア」ガキガキガギン。
私は骨に当たり弾かれるのも構わずに切りつける。
それに対しガシャドクロは剣を払い、うち下ろし私の命を狙ってくる。
【鬼気】の力で何とかそれを避け、私は攻撃し続ける。
〈後5秒残り120です〉
このままじゃ時間が足らない。そう思った瞬間ガシャドクロが行きなり【咆哮】を放つ。それに一瞬動きが止まる私。
しまった。
うち下ろされる一撃にすくみそうになる体を奮い立たせ構わず前に進む。
ガカキン、ドガァァ、ドォ。
そう、避けなくても皆が剣を何とかしてくれる。
皆が魔法を自分の武器を投げつけ放ち、剣の軌道をずらしてくれる。
ズシャァァァアッ。
軌道をずれた剣は私の真横に降り下ろされ地面に叩き付けられる。私はその剣の背に乗り、一気にガシャドクロの頭へと駆け登る。
〈後2秒です〉
私は【鬼気】【魔闘技】を全開にし刀を構えた状態で【疫崩拳】を放つ。
出来るかどうかは賭けだったけど、出来て何より。
攻撃が当たる瞬間、私は残りの魔力を全て剣に注ぎ込みガシャドクロの眉間へと突き入れる。
ズガシャァァア!「クギァダダァァアヤ」
ガラガラガラガラズシャァァァアッ!
「はっ、はっ」
〈お疲れ様ですマスター達の勝利です〉
▶ハクアのレベルが7に上がりました。
HPが500に上がりまし・・・・・・・
そんな、システムの音を聞きながら私は意識を失った。
何回目だよ!
〈何ですか?その奇妙なノリは?〉
奇妙なとか言われましたよ!?
〈そんな事よりちゃんと聞いて下さいマスター〉
そんな事って言われた!
〈ここのボスはスカルライダーと言うボスだったのですが、今女神様からメッセージが届きました〉
メッセージ?
〈はい、今から再生します〉
『女神様:ハクア真面目な話ですからちゃんと聞いて下さい。貴女も祭りの始りについては聞いていますね?今回は不死の王の封印が何時もより外れている為、モンスターがより強化されています。その階にバジリスクが居たのもその為です。そして地下10Fのボスもスカルライダーよりも強力な、ガシャドクロになっているので気を付けなさい。じゃあここまで忠告したんだから簡単に死なないで下さいね?ボス戦楽しみにしてます』
野郎、と言うかスカルライダーからガシャドクロってどう言う変化?何で海外のスカルから日本の妖怪に変わる訳さ?!
『女神様:正直モンスターの種類が十万越えて居たのには驚きました』
種類で十万とかって何やってんの?!人類殺す気か!!
『女神様:そんな気は無かったんですけど気が付いたら、ね?』
ね?じゃないでしょ!?どうしてそうなった。
『女神様:記憶に有りません』
政治家か!!
『女神様:とりあえず忠告はしたので気を付けて下さいね』
うわ、逃げやがった。
「ご主人様どうしますか?」
「行くしか無い」
「「ですよね~」」「ゴブ!」
「皆どうしたのかな?」
あぁ、コロには聞こえて無いんだっけ?
〈聞こえるようにしますか?〉
とりあえず保留で。
「コロ今の鉱山内は不死の王の封印が何時もより外れてるから敵が強いらしい」
「そのせいでバジリスクもここに居たって事かな?」
「うん」
話が早くて助かるな~。
「えっと、ハクア達はそれでもボクに強力してくれるのかな?」
「当たり前」「ありがとかな」
「よっし、そうと決まれば早速行こうか」
「とりあえず全員【魔闘技】発動その後はコロとエレオノが前衛、アリシアとアクアが後衛、私が遊撃で適当に動く」
「「「「了解」」」」
「前衛二人は攻撃より回避優先」
「分かった」「了解かな」
「アリシアは魔法を使いながら弓での攻撃も適宜に」
「分かりました」
「アクアは回復の生命線だからMPに気を付けて」
「うんゴブ」
「よし、行こう」
そして私達は初めてのボス戦に挑む為ボス部屋の扉を開いた。
ギイィィィィ!
「ご主人様!」
アリシアが叫び私に報せる。扉を開いた先には見上げる程の巨大な骸骨が、伽藍堂の眼窩に紅い光を宿しこちらを眺めていた。
瞳が無いのに目が合うとはこれ如何に?!
〈最近、現実逃避が多くないですか?〉
直視したく無い現実が多くてね。
「来るよハクア!」
エレオノの声に全員回避運動を取る。
ズダーン!
巨大な音と共にガシャドクロの手が私達の居た所に落ちてくる。
【鑑定士】スキル成功
ガシャドクロ
レベル:20
HP:1500/1500
MP:780/800
物攻:400
物防:350
魔攻:100
魔防:250
敏捷:80
知恵:50
器用:40
運 :50
スキル:【本気】【頑強】【豪腕】【破壊】【呼び起こし】【押し潰し】【凪ぎ払い】【咆哮】【炸裂】【スカルソード】
ヘルさんコロにもステータスの表示お願い。
〈良いのですか?〉
うん
「コロ、今からガシャドクロのステータスを見せるけど焦らずに対処して、私のスキルだから」
「う、うん分かったかな!」
ヘルさんのお陰でコロにも表示見えてる筈。
「【炸裂】【スカルソード】はどんなスキルなのか分からないから変な動きを始めたら注意【呼び起こし】は多分スケルトン系を呼び寄せるから気を付けて」
言い終わるやいなや待っていたかの如くガシャドクロが【凪ぎ払い】を仕掛けてくる。
エレオノはそれを助走をつけた跳躍で飛び越えガシャドクロへと肉薄する。
「ハッ!」ガカカカ!
【言霧】を使いながら、四段突きを放ちガシャドクロの骨に当たり固い音を響かせる。
やっぱり固い、物理ダメージはあんまり通らなそうか?なら。
「鎌鼬」
物理がダメなら魔法ならどうだ!
ズザザ!
今までに無い音をだしながら私の鎌鼬は5度程切りつけただけで霧散する。
マジか!硬すぎて鎌鼬が消えちゃった!?
「破壊の一撃」ズガーン!
コロの特大威力の攻撃が当たり轟音が鳴り響く。
ガシャドクロ
HP:1250/1500
MP:750/800
う~む、10回攻撃当たって250しか減らないとかやっぱり物理はキツそう。
「ハクア、私手が凄く痺れてる」
「ボクもかな」
「実は私も・・・」
〈予想出来たでしょうに〉
すいません。
「フレイムブラスト」「ゲイルブラスト」
アリシアとアクアが互いの属性のブラストを放ち、それが互いにぶつかり混ざり合い蒼炎の炎となる。
それぞれの魔法が一段階上がり二人で放てる様になったユニゾン魔法インフェルノを放つ。
ズガァァァァァアア!
蒼炎がガシャドクロに当たり爆音が鳴り響く。
「やったかな」
コロさん、それやれてないフラグ!
「グオオオオオォォォ!」
ガシャガシャガシャ!
ガシャドクロが咆哮を放ち、私達はその声で動く事が出来なくなる。
その間にガシャドクロは【呼び起こし】を使ったのか周りにスケルトンが次々に現れ、総勢15体のスケルトンが産み出される。
ちょっと頑張りすぎじゃない?
ガシャドクロ
HP:850/1500
MP:300/800
【鑑定士】スキル成功
スケルトン
レベル:10
HP:200/200
MP:50/50
物攻:150
物防:100
魔攻:50
魔防:55
敏捷:40
知恵:10
器用:20
運 :5
スキル:【斬りかかり】【連続切り】
よし、ガシャドクロの方は魔法が効きそうだからアクアとアリシアに頼もうそれから。
「エレオノ、コロの二人は周りのスケルトンお願い」
「了解」「OKかな」
「アリシア、アクアは魔法でガシャドクロを、私はガシャドクロの注意を引きながら動くからよろしく」
「分かりました」「ゴブ!」
私の指示により皆が動き出したのを確認し私はガシャドクロに集中する。
大丈夫これくらいのステータス差はネトゲで何度も経験済み出来る。やれる。イケる。
私は自分で自分に自己暗示を掛けながら再びガシャドクロに肉薄する。
「グオオオ」ドオン!ドオン!ドオン!
ガシャドクロが声をあげながら【押し潰し】何度も私に放つ。
もぐら叩きか!?
〈余裕ありますね〉
実は無いんだけどね!うわっと!!
元の大きさの違いと、標的が私一人になった事で回避がキツくなる。
「フレイムランス」
そこへアリシアが絶妙なタイミングで魔法を放ち私を援護してくれるが、その攻撃でアリシアに標的が移りそうになる。
「ホーリーレイ、ゴブ」
しかし、アクアがガシャドクロの視線がアリシアを捉えると同時に死角から新しい光魔法を唱える。シューティングレイよりもスピードは下がるものの威力が上がったホーリーレイは、死霊系のモンスターであるガシャドクロにも、かなりのダメージを与えたらしい。
「グオオオ」
ガシャドクロが吠えながらアクアに突進する。私はアクアに体当りするように飛び込み、間一髪何とか突進を避ける。
それと同時に私はウインドブラストを頭上に3つ作り、それを全て重ね合わせ一つの玉に圧縮しガシャドクロに放つ。
ズガァ!ガラガラガラガラ!
私の一撃は狙い通り、ガシャドクロの肩の繋目辺りの骨に当たり派手な音を立てながら左腕を崩壊させる。
よっしゃ、支えの部分を壊せば部位破壊出来るとは思ったけど上手く行った。
しかし私は自分の作戦が上手く行った事で気が緩み上から【押し潰し】が来るまで気が付かなかった。
「ご主人様」
アリシアの声に我に返りアリシアとアイコンタクトを取ると、そのままアクアと共に背中から仰向けに倒れる。
「アースクエイク」ドシイィイ!
アリシアの声が響き、私達の真横の土が盛り上がりガシャドクロの攻撃を受け止める。
アブナ!間一髪。
「「ハクア、アクア」」
「大丈夫、無事」
「ご主人様から離れなさい!」
その言葉と共にアリシアがフレイムブラストをガシャドクロの腕に放つ。
ドガァァァ!「グオオオ」
悲鳴と共に腕が引かれその隙に脱出する。
▶ハクアのレベルが5に上がりました。
HPが440に上がりました。
MPが250に上がりました。
物攻が140に上がりました。
物防が140に上がりました。
魔攻が100上がりました。
魔防が115に上がりました。
敏捷が200に上がりました。
知恵が280に上がりました。
器用が220に上がりました。
【鬼気LV.1新】習得しました。
【魔拳LV.2→LV3】になりしました。
【魔闘技LV.3→LV.4】になりました。
【見切りLV6→LV.7】になりました。
スキルポイントを10獲得しました。
▶アクアのレベルが5に上がりました。
▶アリシアのレベルが20に上がりました。
転生が可能です。
▶エレオノのレベルが13に上がりました。
▶コロナのレベルが12に上がりました。
 
うおっと、行きなりレベルアップの音がきた。
「ハクアこっちは片付いたよ」
「間に合ったかな?」
「今良いところ」
私はアクアを後ろに下がらせながら、二人に答え周りを見るとスケルトンは全て倒されていた。
ガシャドクロ
HP:300/1500
MP:220/800
状態:部位欠損
よし、あと一踏ん張り。
そう考えていると。
「グオオオオオォォォ」
またも【咆哮】を使い私達の動きを止めに来るガシャドクロ、そして私達の目の前でその白い骨を赤く染め上げて行く。
「グオオオ」
ヤバイ。
「何か来る逃げて」
そう思った私は全員に警告をして逃げようとするも、元々腕の長さだけでこちらに攻撃を仕掛けていただけあって、間合いの外に行くには時間が足りない。
前衛に居た私達三人に向けて赤く染まったガシャドクロはその腕伸ばし、バァン!
瞬間ガシャドクロの指が破裂し、私達に破片が襲い掛かる。
クソ【炸裂】は、こう言う事か!?
私は自分の前にウインドウォールを展開し飛んで来る骨の破片を下から上に押し流す様に調整して、エレオノとコロへの被弾を少なくする。
そして私自身にオリジナルの防御魔法風守流転を使う。
この魔法は自身の周りに風の膜を張り、そこに何かが当たると風が集まり、当たった物を受け流す軌道に誘導する魔法だ。
勿論余りに強い物は反らしきれないけど、ある程度は受け流す事が出来、最悪でも軌道をずらし急所に当たる事は避けることが出来る。
しかし、ガシャドクロの破片はこの2つを持ってしても私の防御を貫いてきた。
エレオノとコロもそれぞれのバックラーと斧を盾にしてもそのまま吹き飛ばされてしまう。
ヤバイ!
ハクア
HP:110/440
MP:100/250
エレオノ
HP:150/475
MP:50/130
コロナ
HP:200/550
MP:30/120
想像よりもヤバかった。ウインドウォールと風守流転が無かったら死んでたな。う~ん、私の防御だと良いのがくれば一撃で終わりそう。
〈マスター、先程獲得した【鬼気】はマスターのステータスを十秒間二倍にするスキルです〉
マジで!じゃあ早速。
〈待ってください。その代わりにスキル終了時に動けなくなります〉
うわっと、マジか!
〈はい、だから大事な場面で使って下さい〉
了解。
その隙にもガシャドクロは動き何かをし始める。それを見て私は猛烈に嫌な予感を覚える。
「皆、止めて!」
「分かりました」「了解」「ゴブ」「分かったかな」
ガシャドクロを止める為動き出す私達、しかし何もしていないのにスケルトンが地面から産み出される。
なっ!自動のリポップ?
「くっ、フレイムブラスト」「ゲイルスラッシュ」
ドガァァァ!ズシャッ!ガラガラガラガラ!
二人の攻撃は全てスケルトンに阻止されてしまいガシャドクロに届かない。
私は【魔眼】を使いガシャドクロを見ると、私が落とした腕の骨を掴み上げ魔力を集中しているのが分かった。
な、何、あれ?ヤバイ、ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ、クソ間に合わない。
「全員防御するために集まって!アリシア、コロ次の一撃堪える為なら、MP全部使っても構わないアースクエイクで壁を作って」
「わ、分かりました」「了解かな」
「アクア強化魔法お願い!そしたら最後尾に移って何としても堪えきって」
「ストログ、ディフェンダ、アジリおねちゃん無理ダメ」
「うん、ありがとう」
「エレオノ」
「私はどうするの?」
「攻撃に合わせてレゾナンス撃つよ」
「う、うん分かった」
ヘルさんお願い。
〈レゾナンスを撃つにはお互いの手をつなぎ合わせ、同時に固有のレゾナンス名を叫びます。エレオノとのレゾナンスはアイシクルクロスです。アイシクルクロスは剣の生成に時間が掛かるので、すぐに始めて合わせたいタイミングで穿て、と命じれば攻撃出来ます〉
分かったありがとう。アリシアとコロに下がる様にいっておいて。
〈分かりました〉
「エレオノ」「うん」
私達はヘルさんの言う通り手をつなぎ合わせ。
「「アイシクルクロス」」
そう叫ぶと、私達の頭上に氷が現れ数十本にもなる氷の剣が産み出されていく。
しかしガシャドクロの動きも止まらず、付かんでいた腕の骨が今では剣の様な形になり、一目見ただけでヤバイと分かる程異様さを増していた。
そして不意にその骨剣を振りかぶり始め。
ヤバイ!
「エレオノ」
「「穿て~!!!」」
私達の攻撃が一瞬早く向こうよりも先に始まるが、ガシャドクロは振り上げた腕を目にも止まらぬ早さで降り下ろし。
ズガァァァァァアア!
周囲のスケルトンを破壊しつつ地面に叩き付る。その衝撃波の波が私達の攻撃と激突する。
ズガァァシァァァァア!!
氷の剣が次々に衝撃波に当たっては砕かれ散っていく、それでも衝撃波の波は止まらずこちらに向かってくる。
ドガァァァ「「「「きゃぁあ!」」」」
衝撃波の波はアースクエイクで作った壁にぶち当たり私達を吹き飛ばす。
くっ、ヤバイどうなった?
〈全員何とか生きています〉
「はっはっ、くっ、大樹の癒し」
「アクティブヒール」
アリシアとアクアが全体回復の魔法を掛けてくる。この2つは即効性は無いが暫くの間HPを回復し続ける物だ。
ガシャドクロ
HP:300/1500
MP:0/800
状態:部位欠損
クソ、剣は使いきりじゃないのか!
どうやら【スカルソード】は武器化する為のスキルであの攻撃は素の攻撃力らしい。
あと、300大きいのを当てれば行けるかも知れないけど、インフェルノでも叩き斬られそう。なら小さい攻撃で削り切る!
「ハクアボクに一分欲しいかな」
「理由は!」
「さっきのレベルアップで【魔剣錬成】使える様になったかな!だからボクは鍛冶師としてハクアに最高の武器を作る。それで」
「分かった。私が決める」
「よろしくかな」
「それじゃ、それまでの間私が注意を引きながら動くよ」
エレオノが言い。
「私も近付きながら弓と魔法で応戦します」
と、アリシアが。
「アクアも、光撃つ」
アクアが言った。
「皆お願い」
「「「了解」」」
返事と共に皆が行き私はコロの護衛の為に残る。
「【魔剣錬成】」
コロが両手を前に出してそう言うと掌の前に黒い球体が現れる。
「素材、効果、特性、形状、硬さ、軟かさ、弾性、錬成開始」
コロが呟く度に魔力が流れ込み球体が魔力を帯びていく。
「工程、トレース」
40秒が過ぎ黒い球体は徐々にその形を変えていく。
その間にもガシャドクロと皆の戦いは続く。
皆頑張ってあと少し。
「「「きゃぁあ!」」」
剣での【凪ぎ払い】を受け全員が吹き飛ばされてしまう。
ヤバイHPが持たない。
「形成!ハクア!これが今のボクの最高の1本かな」
コロが最後の言葉を放つと共に私は走り出す。
「受け取って」
私はコロが投げてきた大きめの剣を受け取り、そのままガシャドクロ目指して突っ込んでいく。
ガシャドクロ
HP:200/1500
MP:0/800
状態:部位欠損
皆の頑張りでガシャドクロのHPはさらに減っていた。
皆本当にありがとうここからは私がやる!
「【鬼気】開放」
そう叫んだ瞬間、私の体の内側から抑え切れないほどの力が溢れる。
そして私はその力を惜しむ事無く使い、ガシャドクロとの最後の攻防に移る。
「ハァァァア」ガキガキガギン。
私は骨に当たり弾かれるのも構わずに切りつける。
それに対しガシャドクロは剣を払い、うち下ろし私の命を狙ってくる。
【鬼気】の力で何とかそれを避け、私は攻撃し続ける。
〈後5秒残り120です〉
このままじゃ時間が足らない。そう思った瞬間ガシャドクロが行きなり【咆哮】を放つ。それに一瞬動きが止まる私。
しまった。
うち下ろされる一撃にすくみそうになる体を奮い立たせ構わず前に進む。
ガカキン、ドガァァ、ドォ。
そう、避けなくても皆が剣を何とかしてくれる。
皆が魔法を自分の武器を投げつけ放ち、剣の軌道をずらしてくれる。
ズシャァァァアッ。
軌道をずれた剣は私の真横に降り下ろされ地面に叩き付けられる。私はその剣の背に乗り、一気にガシャドクロの頭へと駆け登る。
〈後2秒です〉
私は【鬼気】【魔闘技】を全開にし刀を構えた状態で【疫崩拳】を放つ。
出来るかどうかは賭けだったけど、出来て何より。
攻撃が当たる瞬間、私は残りの魔力を全て剣に注ぎ込みガシャドクロの眉間へと突き入れる。
ズガシャァァア!「クギァダダァァアヤ」
ガラガラガラガラズシャァァァアッ!
「はっ、はっ」
〈お疲れ様ですマスター達の勝利です〉
▶ハクアのレベルが7に上がりました。
HPが500に上がりまし・・・・・・・
そんな、システムの音を聞きながら私は意識を失った。
何回目だよ!
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