ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

「そうだ、ハクアさんはハクアさんだ」

ギルド長改め魔族グルドとの戦闘が始まった!が、「タイムちょっとしつもん」


うわ、皆の視線が痛い 


「ハァー、何だ?」


溜息?!でもちゃんと聞いてはくれるんだ?


「あんたたちのもくてきはなに?あんたほどのちからがあれば、もっとかんたんにこのなむら、おとせるでしょ?」


「何だ?そんな事か?簡単だそれは吾が主に楽しんで貰う為だ!」


「あるじをたのしませる?」


「そうだ!強者による一方的な虐殺では無く、安心仕切った依頼に赴きこんな筈ではと恐怖や絶望と共に死んで行くそういうショーだ!」


「なっ!そんな事の為に!」


「貴様ら人間が偉大なる魔族の余興に使われるのだ光栄だろう?」


「・・・そう」


「何だ?抵抗する気力も無くなったか?」


いやいやそんな事無いよ?


「いまだ!」


「何?!そこか!」


私の掛け声にグルドは私の視線から相手の位置を読み取り素早く反応するが・・。


勿論誰も居ないよ?


「ブラストマイン」


私の声と共に逃げる途中に仕掛けていた魔法がグルドの足下から炸裂する。


まぁ、この為にそこの位置で止まる様にストッブ掛けたんだけどね!まぁ止まるとも思わなかったけど。あっ、勿論この隙にエレオノも後ろに逃がしたよ!


「ファイアブラスト」「ウインドブラスト」


私の先制攻撃に素早く反応してボルケーノを放つ二人。


ドガアアアアアアアアァァァァァア!!!!!


爆風に耐え、風が収まると同時に走り出す私は、迷わず土煙の中に突っ込み【直感】を頼りにカマイタチを最大出力にしてグルドへと斬り掛かる。が、ガキイィィィィ!


甲高い音と共に鎌鼬が崩れ去り私は思いきり吹き飛ばされる。


「ご主人様!」「おねいちゃ!」


私に駆け寄って来ようとする二人を片手を上げ制止、私はグルドに集中する。


【鑑定士】スキル失敗
グルド
レベル:30
HP:2500/3000
MP:1500/1500
物攻:500
物防:460
魔攻:350
魔防:480


道理で効かない訳だレベルが段違い。


「おい、大丈夫か?」


レイドが私に駆け寄って来た。


「ほかのぼうけんしゃは?」


「もうすぐ来る筈だが正直あのレベルはキツイだろうな」


「アレ、ステータスのへいきん、よんひゃくこえてるけど・・・いけそう?」


「Dランクに期待するな、今レベル25で一番高いのが300だ」


「それなに?」


「物防だよ!」
 

「なるほどムリだね」


「諦め早いぞルーキー」


「ちなみにいまのこうげきでへったのは、ろくぶんのいちくらい」


「・・・逃げて良いか?」


「できるなら」


ボヒュ 


私達が恐怖を誤魔化すため軽口を叩いていると、土煙の向こうから高速で飛来する石を何とか回避する。


アレ一回で絶対死ねる!


「躱したか」


その言葉と共にグルドが土煙の中から出てくる。


「死ね」


いきなり真後ろに現れレイドを狙うが、レイドは持っていた盾で何とか防ぐ。しかしそれでもレイドは衝撃に耐えられず吹き飛ばされてしまう。


「グア!」


吹き飛ばされるレイドを見る余裕もなく、私は攻撃に移る。


「カマイタチ」


魔法を発動してグルドに斬り掛かるも、グルドの力任せの腕の一振りで鎌鼬が消え去る。そして攻撃体制から魔法を砕かれ無防備になった私の腹を軽く叩く。


その瞬間・・・・私は思いきり血を吐きながらアリシア達の方へ吹き飛ばされアリシア達にぶち当たる。


「「キァアア!」」


ミランダは何とか私を避けて一人グルドに攻撃をする。


「はあ!」ガキン!


しかし戦士である彼女の攻撃も、力を込めただけの腕を切り裂く事も出来ずに表面を削り、僅かなダメージを与えるに留まる。


「効かん!」


グルドはミランダを横から蹴るが、それに何とか反応して剣の腹で攻撃を受けるミランダ。


しかし、バキッ!その音と共に剣が折れ、ミランダの横腹に容赦の無い一撃が突き刺さる。


「がぶぅっ!」


折れたろっ骨が何処かに刺さったのか大漁の血を吐きながら吹き飛ぶミランダ。


クソ!予想以上だ。


「ウオオォォォ!」


レイドが叫びながらグルドの背に剣を突き差そうとするも、またグルドはいきなり真後ろに現れ。


「邪魔だ!」


その一言と共にレイドの背に拳を叩き付ける。


ドゴォ!


レイドの身体は地面に小さなクレーターを造り沈み混む。


「ファイアアロー」「シュー、ティングレイ」


シューティングレイを撃つアクアと威力を上げた魔法を撃つアリシア。


「はあ」


だがその攻撃は、グルドの気合の声と共に片手を突き出した腕から黒い光が放たれる。それは二人の魔法を呑み込みそのまま二人に向かって突き進む。


「よけて!」


余りの光景に固まる二人に向かって叫ぶと、二人は何とか反応して回避する。だがその光の余波だけで二人は吹き飛ばされてしまう。


魔法でも何でもない、ただ魔力を放出しただけであの威力何て強すぎでしょ!


「きゃああ!」「ゴブ~!」


グルドは私に向かって歩き出し私の目の前で立ち止まると、私をサッカーボールの様に蹴り上げ、顔を掴みそのまま持ち上げる。


「ふん、確かに雑魚の中では一番楽しめたが、所詮ゴブリンこんな物か」


あぁ、やっぱりこいつ私の事に気が付いてたか。


それでも私は生き残る為に【麻痺毒】で今出来る一番強力な物を精製してグルドに放つ。


「無駄だ。吾が肉体は主の力で鋼鉄に成っている。貴様ら人間の脆弱な攻撃は刃も通さんし、毒とてこの肉体はすべて弾くのだ!」


ミヂッ!その音が私の頭からした音だと脳が認識すると、途端に強烈な痛みが襲ってくる。


「死なん様に手加減するのも難しい程に弱いな」


ヤバイ死にそうだ。


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ハクアさんに助けて貰った私は一人物陰に隠れて戦いを見ていた。


「強すぎる・・・・」


今日、私の目の前で冒険者に成ったばかりのハクアさん達は、あんな化け物相手に必死に抗って要るけど、私でさえ分かるほど圧倒的な力の差があった。それでもハクアさん達の奮闘は続く。


「カマイタチ」


ハクアさんが造ったらしいオリジナルの魔法も父に化けていたグルドと名乗る魔族の腕の一振りで崩れ去ってしまう。 


そして崩れ去ってしまった事で無防備に成ったハクアさんは、思いきり殴られ吹き飛ばされてしまう。


「ハクアさん!」


ハクアさんは一個の砲弾の様になり、アクアちゃんとアリシアさんに当たり皆が吹き飛ばされる。そこから先はもう一方的な展開だった。


ミランダさん、レイドさん、アクアちゃんとアリシアさん、そして後に残されたのはもう立つ力すら残っている様に見えないハクアさんだけ。そしてグルドはそのままハクアさんの事を蹴り上げ、片手で持ち上げると「ふん、確かに雑魚の中では一番楽しめたが所詮元がミニゴブリンこんな物か」と、ハクアさんに向かって言った。


えっ!ハクアさんがゴブリンそんな筈無い!私はグルドの言葉を必死に否定する。その間もハクアさんは抵抗していた。


「無駄だ。吾が肉体は主の力で鋼鉄に成っている貴様ら人間の脆弱な攻撃は刃も通さんし、毒とてこの肉体はすべて弾くのだ!」


そう言ってグルドはハクアさんの顔を掴む手に力を込める。


「死なん様に手加減するのも難しい程に弱いな」


私の目には物陰に隠れている冒険者が見える。恐らくはレイドさんが言っていた応援を頼んだ冒険者だろう。


けれど冒険者達は誰もあの化け物に挑み掛かれない。


お願い誰か助けて そう言葉に出したくてもその言葉すら私は言えなかった。


カランッ!


少しの物音に私は背すじが凍る。しかしそれは、私が落としたハクアさんから貰ったナイフだった。それを見た時、ハクアさんがゴブリンかどうか何てどうでも良くなった。


「そうだ、ハクアさんはハクアさんだ」


そう呟いて私の身体は行動し出した。


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ヤバイ死にそう、そう思っていると。


「あああああああ」


その叫びと共にエレオノがグルドの脇腹にナイフを突き立てる。


「小娘が無駄だと言っているだろう 」


嘲りの言葉と共にエレオノを攻撃しようとするその瞬間、私の顔を掴む手の力が弛んだ。


瞬間、私は両手でグルドの腕を掴む。


熱っつ、ええいままよ!


そのまま全部の力を振り絞り顔を引き抜く。そしてグルドの腕を起点に顔面を蹴り飛ばす。


ガキン!凄い痛い 


私の攻撃で体勢を崩したグルドを尻目に、私はエレオノを手を掴んで足の裏から最小威力のウインドブラストを放つ。その瞬間私達は砲弾の様な速度でグルドから離れ、アリシア達と合流する事に成功する。


そして私は・・・。


 スキル【念話】をスキルポイント150使用して取得しますか?
はい←
いいえ


 スキルポイントを使い【念話】を取得しました


″ここに居る全員聞いて、作戦がある″ 


「これ、ご主人様の声?」


「作戦・・・なんて意味がある・・の?」


私は頷きミランダに問い掛ける。


「ミランダたしかみずけいの、マホウつかえるよね?」


「でも私程度の魔力じゃ効かないわよ」


「それでもいい」


″ここに居る全員聞いて!今から私達で大型の火魔法使うから火魔法が使える人間は一番火力のある火魔法を、風魔法しか使えない人間は【爆】属性の風魔法を私達に合わせて撃ち込んで!水魔法を使える人間は水魔法優先で私が合図したら撃ち込んで、魔法が得意じゃない人間は最後に全員で直接攻撃する。どのみちここで倒さなきゃ全員殺される。それなら最後に全員で抵抗してあいつを倒そう″


「アリシア、アクア、アレやるよ」


「でもあれは、一度も成功していませんよ しかも周りの人が協力してくれるとも」


「それでもやらなきゃしぬだけ」


「わ、私にも手伝いさせてください!」


「なっ!無理です!エレオノさん!」


「ブキは?」


「この・・・お父さんが昔使っていた剣が有ります!」


「わかった。最後の攻撃一緒に行こう」


「ご主人様!」


「エレオノがきめたならわたしはてつだうだけ、それにしょうじきすこしでもちからがほしい!」


そう私はそう言ってアリシアを無理矢理納得させる。


「貴様ら、もう赦さん生きたまま引き裂いて殺してやる」 


まずい!


「ウオオォォォ!」


傷薬を使い多少HPを回復させたレイドがグルドに斬り掛かる。


しかしグルドは、その攻撃を腕で弾きふたたびレイドを弾き飛ばす。


ナイスだよレイド!


私は心の中でレイドに喝采を送り、アリシアとアクアにアイコンタクトで魔法を放つ。


「「ウインドブラスト!」」「ファイアブラスト 」


私達三人の声が重なり魔法が放たれる。


「何度も同じ物が通じるかぁ!」


グルドはそう叫びまたも先程の黒い光を放つが、その時私達の放った三つの魔法は空中で重なり混じり合い火から炎へ炎から蒼炎へとなり黒い光をも呑み込みグルドに襲い掛かる。


これが私達が三人で撃つ今現在の最高ユニゾン魔法インフェルノだ!!


ドガアアアアアアアアァァァァァア 


衝撃、爆炎が鳴り響き少し遅れて。


ドガアアアアアドガアアアァァァァァア! 


何人もの火魔法やウインドブラストがグルドに当たり最後の魔法攻撃が当たる瞬間。


″いまだ!水魔法撃てぇぇぇ!″ 


私の【念話】が響いた瞬間、今度はありとあらゆる水魔法が放たれる。すると・・・・。


ジュアァァァァドガドガドガア!


熱された鉄の身体を持つグロスに水が掛けられ、小規模な水蒸気爆発が何度も興る。


【鑑定士】スキル失敗
グルド
レベル:30
HP:1000/3000
MP:1000/1500


「ふん、この程度か?」


水蒸気の煙の中からほぼ無キズな状態で現れたグルドに、周囲から落胆と絶望の空気が流れる。


だが、私はそんな事に構わずグルドが水蒸気から現れた段階で走り寄り。


「カマイタチ 」


私はふたたび魔法を発動してグルドに斬り掛かるが、周囲の反応はまた同じ事の繰返しでやられる。と、いう空気だ。


「同じ事を何度繰り返そうが変わらん!」


そしてまたグルドは力を込めた腕で弾き返そうとする。


バキッッ!!しかし今回の結果は、逆にグルドの腕が私の攻撃を中心に崩壊する結果となった!


「ぐあぁあぁぁぁぉ!」


″全員攻撃!!!″ 


止まった時間の中、私が全員に【念話】で号令を出すと「「「ウオオォォォ」」」と、今まで隠れていた冒険者が全員で突撃して来る。


「ぐあぁあ!」


グルドは今まで効かなかった筈の攻撃に戸惑い、その身に剣を矢を槍を食らいHPを削られていく。


「舐めるなー 」


グルドは片腕を失い身体中に武器を刺されながらも、次々に冒険者を弾き飛ばしていく。


【鑑定士】スキル失敗
グルド
レベル:30
HP:400/3000
MP:1000/1500


「ウオオォォォ!」


レイドがふたたびグルドを斬り付けそれに続き「ハアアアアア!」エレオノもグルドの心臓目掛け剣を突き立てる。


「まだだ、貴様ら全員殺してやる 」


グルドはそう叫び、身体中から黒い光を漏れ出させながら力を溜めている。


「早く離れろ 」


レイドは冒険者としての勘から素早く引いたがエレオノは「まだ!まだあぁぁ!」


突き刺した剣に更に力を込め貫通させる。


「グファッ!」


グルドが呻き剣を押し戻して行く。それをアリシアとアクアの二人もエレオノと一緒に支え押込みながらHPを削って行く。


「グファッ!貴様らごときに負けるかぁ!」


「みんなしっかりささえていて!」


私はウインドブラストを最大出力で足に待機状態で展開しながら飛び上がり、某ライダーの必殺キックの様に突き出した剣の先を思いきり蹴り付ける。


その瞬間、私の足の先に絶大な風の爆発が起こり真上から蹴り着けられた剣は大した抵抗もなくグルドの身体を貫いて行く。


「グギァァァァォオァアォオ 」


すべての力を使いきりウインドブラストの爆風に吹き飛ばされる私達。その私にグルドは貫かれた身体で近づいて来る。


「お、おま、えさえグファッ!いなければこんな事には貴様だけはぁぁぁぉ」


「ちがうあんたはいろんなにんげんたちを、じぶんよりしたのれっとうしゅとあなどった。それが、あんたがわたしにまけるりゆうだ」


「ゴブリンふぜいがぁぉあ!?」


「エレオノォォ!」「ハアアアアア!」


そう私は只の囮だよ!


エレオノだけは戦闘に参加していなかったからまだ体力が残ってる。爆風からはアリシアが守りアクアはストログをエレオノに掛けていた。だから私はあんたの注意を引き付ける事にだけ集中してたんだよ。


ザシャァ!


「がっぐかぎぁ!」


その悲鳴を最後にグルドは倒れ動かなくなった。


【鑑定士】スキル失敗
グルド
レベル:30
HP:0/3000
MP:1000/1500
 

〈マスター達の勝利です〉


「やった、やった、やった~ 」「やた~ ゴブ!」
「本当に私が」


仲間達の喜びの声を聞きながら私は目を閉じた。


 ハクアのレベルが4に上がりました・・・・

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コメント

  • ミーウィ

    強力してくれる❌
    協力してくれる⭕️

    0
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