ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~
〈まさか、彼女が決めるとは・・・・〉それは私も思った
ホブゴブリンが投げたであろう白刃が私の左腕を切り落とした。でも私にそれに構う余裕は無い!私の視線も、思考もホブゴブリンから離す事が出来ないでいる。
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.2→LV.3】に上がりました。
「ご主人様!!今、回復します」
アリシアが私の左腕に回復薬を掛けているがどこか他人事のように思う。
しかし、そんな私の思考はアリシアを見て嗤うホブゴブリンの顔を見て引き戻される。ホブゴブリンはようやく見つけた自分の獲物を、どう楽しもうかと考え嗤っているようだった。
そんなホブゴブリンを見て私の思考は戻り始め、それと同時に左腕の痛みが主張を始める。その痛みを無理矢理思考から追い出しアリシアに指示を出す。
「ありしあ、まほうの、じゅんび、あと、きのうさいご、つくった、やつ、あそこのきに、かけといて、わたしたち、ひきつける、から、まほう、よろ」
「あっ、あの最後に作った魔法ですか?!あんな魔法あんな所に仕掛けても何の役にも…」
「いいから、はやく!」
「っっはい!」
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.3→LV.4】に上がりました。
簡単に指示を出し行動に移す。
アリシアは返事をしながら駆けていき、私達はホブゴブリンに向かっていく。だが、ホブゴブリンは私達の方を見ようともせずアリシアを目指し歩いていく。
クソ!何とか私達に視線を集中させないと魔法がよけられる。
私は足元の石を拾い上げ、ホブゴブリンの目に投げ付ける・・・が、ホブゴブリンは腕の一振りで石を弾く。でもそれは予想通り、乱暴に振った腕が体の正面をがら空きにするその瞬間【爪攻撃】を放ち、走り抜ける。
くっ硬い!
ホブゴブリン
HP:800/800→780/800
MP:0/0
ゴブ子
HP:85/185
MP:90/90→85/90
欠損状態
「ギガ!」
ダメージを与えた事でホブゴブリンはようやく私に視線を向けたが、やはり障害とはならないと判断された。
本当にダメージ20くらいか、片腕も無いからこのまま何事も無く、一方的にダメージを与えられるわけ無いし。やっぱり、アリシアの魔法がこっちの唯一の勝機かな?
〈正面の木ゴブゑが居ます。誘導して下さい〉
その指示を受け、再びホブゴブリンの懐に入り攻撃を仕掛けようとする・・・だが間合いに入る直前、ホブゴブリンの持っていた特大の棍棒が私の前を通りすぎる。
危ない!!当たったら一発で死にそうだ。
しかしこのままではどうにもならないので、今度は持っていたナイフを顔に向かって投げ付ける。
「ギギガ!!」
流石にナイフは弾けずホブゴブリンはナイフを避ける。
ナイス!ホブゴブリンが避けたのは丁度木の真下だった。その隙を狙いゴブゑが木の上から飛び降り、全体重と高さを生かし棍棒を降り下ろす。
ガゴッ!
ホブゴブリン
HP:755/800
MP:0/0
ゴブゑの一撃でふらつき始めたところを。
「ファイアブラスト!!」
ドガァァァ!!
【魔力覚醒】のスキルで強化されたファイアブラストが、ホブゴブリンに当たり先程よりも大きな爆発を引き起こす。その隙に、アリシアから受け取っていた回復薬を使う。
「ご主人様っ!!」
アリシアがヘルさんに頼んで造るよう指示してもらったアースクリエイトで作ったナイフを投げ渡してくる。
これなら今の私でも使える!武器の感触を確かめながら私は構える。
「えむぴー、かいふく、いそいで」
ホブゴブリン
HP:755/800→550/800
MP:0/0
ゴブ子
HP:85/185→185/185
MP:85/90
欠損状態
ゴブゑ
HP:150/150
MP:180/180
アリシア
HP:250/250
MP:70/210→170/210
MP回復薬はもう無い。本当ならもうちょっと作りたかったけど今は言っても仕方ない。
「ギガ~!」「ギギ」ドゴォ!
その時、土煙を掻き分けホブゴブリンがゴブゑに突進する。その攻撃にゴブゑは避けきれず当たってしまう。しかし、突進したホブゴブリンも木に当たり少なからずダメージを負う。
ホブゴブリン
HP:550/800→530/800
MP:0/0
ゴブゑ
HP:150/150→25/150
MP:180/180
〈ゴブゑを下がらせます〉
うん、お願い。
ゴブゑへの指示をヘルさんに頼み、木にぶち当たったホブゴブリンの背中にナイフを突き刺しに行く。
「ファイアアロー」
私がナイフを突き刺すと同時に、アリシアのファイアアローがホブゴブリンの利き腕の右肩に突き刺さる。
「ガ~!!」
攻撃を受けたホブゴブリンは背中に貼り付く私の腕を取り、アリシアに投げ付ける。
「キャアアア!!」
ホブゴブリン
HP:530/800→430/800
MP:0/0
ゴブ子
HP:185/185→135/185
MP:85/85
欠損状態
アリシア
HP:250/250→210/250
MP:170/210→120/210
投げ付けられた私はアリシアと共に吹き飛び、直ぐには動けない。その間にホブゴブリンは、こちらに走りその勢いのまま私を蹴り飛ばす!
カハッ!2度3度と地面を転がり剣の突き刺さる木に激突する。
〈マスター〉
ヘルさんの声に反応した時には遅く、ホブゴブリンは剣を抜き取り私の足を切り飛ばす。
「アァアァああアァ!」
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.4→LV.5】に上がりました。
意味の無い私の叫びが私自身の耳を打つ、その叫びを聞きながらホブゴブリンが私目掛けて剣を降り下ろし、刃が私に当たる直前。
「ファイアブラストオォ!!」
ドガァァァ!!
アリシアの強化魔法がホブゴブリンの背中に当たり、大爆発を起こしその爆風で私は吹き飛ばされる。
「あなたの相手は私です!!」
そう啖呵を切り、アリシアがホブゴブリンと相対する。震える手でナイフを構えるアリシアに、ホブゴブリンは恐怖を煽るようにゆっくりと近付いていく。
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.5→LV.6】に上がりました。
そんなホブゴブリンにアリシアは無謀にも真正面からナイフを構え突進する。無茶だ!ーーそう思うも私は体を動かせず見る事しか出来ない。
それでも時間は進みアリシアとホブゴブリンの距離が5メートルを切った。その時・・。
「ファイアアロー!!」
アリシアはナイフを構えた突進をフェイントに、至近距離から強化魔法を放った。私と同じように騙されたホブゴブリンは正面からアリシアの魔法を食らう。
「ギガ~ギギッ!?」
アリシアはそのままホブゴブリンの横を走り抜け私に駆け寄ってくる。
「ご主人様!!回復薬です」
私に回復薬を使い、アリシアはまたホブゴブリンに向かいナイフを構えながら吠える。
「ご主人様、私が時間を稼ぐので逃げて下さい。私は一度捕まっています。それを助けて下さったご主人様の事はどんな事をしても助けたいんです。私がどんな目に遭おうとも絶対に助けます」
そんなアリシアの悲痛な覚悟を嘲笑うように、ホブゴブリンは動き出す。しかし、その表情は怒りに満ちていて捕まればどんな目に遇わされるか想像するのも恐ろしかった。
「だめ、ぜんいんで、たおす」
「でも、今の戦力ではもう倒せません」
「さくせんある」
ホブゴブリン
HP:430/800→130/800
MP:0/0
ゴブ子
HP:5/185→105/185
MP:85/90
欠損状態
アリシア
HP:210/250
MP:120/210→0/210
怒りに満ちたホブゴブリンがこちらに走り出すが、避難した筈のゴブゑがロープで即席の罠を作りホブゴブリンを転倒させる。その間に私はヘルさんに頼み全員へ作戦を伝える。
そして一言。
「しんじて」
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.6→LV.7】に上がりました。
「分かりました、信じます!」「ギギ!!」
私はゴブゑに肩を借り目的の場所まで運んでもらい、アリシアはヘルさんの指示を聞きながらあるポイントまでホブゴブリンを誘導してもらう。
「ギギッガ~!!」「くっ」
アリシアはホブゴブリンの腕をギリギリの所でかわして、何とか逃げながら目的の場所に向かって逃げるが、遂に捕まってしまう。
「きゃあ!くっ、この」「ギギ」
遂に捕まえた獲物にホブゴブリンは歓喜の声を上げる。
「離して!あっくっうぅ」「ギギッギ~」
捕まってしまったアリシア。しかし、アリシアは自分が誘導するべきポイントにまで到達していた。
その間、私はアリシアが逃げる所を見ながら慎重に事を運んでいた。
〈マスターもうすぐです〉
皆上手くやってくれてる。後はこの賭けが成功するかどうか・・・と、私の体が持つかが問題だけど、絶対に成功させてみせる。私の持っているスキルがあれば何とかなるはず。
そして、アリシアが予定のポイントまで来た所で捕まってしまうがそれも計算の内だ。角度も向きもバッチリ皆ありがとう!
〈マスター今です!!〉
私がアリシアに頼んで作ってもらっていた魔法は、待機型のウインドブラストだった。
それを戦闘開始直後木に仕掛けてもらっていた。この魔法は相手が30分以内に設置した場所に触れると爆発する、地雷のような魔法だ。
私はアリシアが木の側面に仕掛けたウインドブラストに、背中から思いきり体当たりをする。その瞬間、設置したウインドブラストが発動し、背中に文字通りの爆発的な風を受けホブゴブリンに向かって吹き飛んでいく。
私は吹き飛びながらも体勢を整えナイフを突き出し、ホブゴブリンの心臓目掛け体ごとぶち当たりナイフを突き刺す。
流石にウインドブラストの力が加わった突進で、ホブゴブリンもアリシアを捕まえていた手を離し、背中にナイフが刺さったまま吹き飛ばされて行く。
私は素早くステータスの確認する。
ゴブ子
HP:105/185→25/185
MP:85/90
アリシア
HP:210/250→150/250
MP:0/210
ホブゴブリン
HP:130/800→10/800
MP:0/0
「あっ」
後少し足らなかった・・・ナイフが心臓まで届かなかったのか・・・手も足も、片方ずつ失って武器も無い私と、魔法以外ではダメージを与える前にやられてしまうであろうアリシア、ゴブゑも後一撃でも攻撃されれば死んでしまう。完全に詰みだ。
「ご主人様!!」
アリシアは私の事を抱き締め必死に庇う、そして立ち上がったホブゴブリンが私達の前に立った時。
「ギギ!!」
ゴブゑが叫びながら、ホブゴブリンの背中のナイフ目掛けて棍棒を降り下ろす。当たった瞬間よほどの力を込めたのか、ゴブゑはそのまま勢い余って地面に倒れ込み、棍棒は砕け散り、棍棒に打ち付けられたナイフがホブゴブリンの体に更に潜り込み心臓を貫く。
「ギ・・・ギガ・・・?」
ホブゴブリンは自身に何が起こったのかも分からず、それでもまだアリシアに近付いてくる。しかし、アリシアに触れる直前、遂に倒れ力尽きる。
▶ゴブ子のレベルが10に上がりました。
HPが200に上がりました。
MPが100に上がりました。
物攻が25に上がりました。
物防が25に上がりました。
魔攻が30上がりました。
魔防が30に上がりました。
敏捷が50に上がりました。
知恵が180に上がりました。
器用が120に上がりました。
運が40に上がりました。
スキル【会心LV.1新】習得しました。
【鑑定士LV.5→LV.6】になりました。
【ゴブリンキラーLV.4→LV.8】になりました。
スキルポイントを10獲得しました。
▶称号【強敵打破】を獲得しました。
【強敵打破】の称号によりスキル【剛力LV.1新】獲得しました。
スキル【堅牢LV.1新】獲得しました。
▶ゴブ子のレベルがMAXになりました【進化】が可能になりました。
いつものようにアナウンスが終わった瞬間、私の体を光が包み込む。そして、光が収まると欠損していた左腕と、右足が元に戻っていた。重傷だとこんな風に回復するのね!!
▶使い魔ヘルがスキル【可視化】習得しました。
▶ゴブゑのレベルが10に上がりました。
▶ゴブゑのレベルがMAXに成りました【進化】が可能になりました。
▶アリシアのレベルが7に上がりました。
▶アリシアのレベルが8に上がりました。
▶アリシアのレベルが9に上がりました。
「私達勝ったんですか?」「ギギ?」
アリシア達の言葉に私は頷く。すると。
「やった、やった、やったー!!」「ギギギ~!!」
アリシアは泣きながら喜び私に抱きつく、ゴブゑは踊りながら私達の周りを回る、何かMPが減りそうな踊りである。
〈まさか、彼女が決めるとは・・・・〉
それは私も思った。
〈とにかく、これでやっとすべてのゴブリンを倒してマスター達も進化出来ますね〉
はっ!!そうだった!?アナウンスでそんな事を言っていたよう!!放心してたからあんまりちゃんと聞いてなかった。
〈マスター・・・〉「ご主人様・・・」
すいませんでした。そんな目で見ないで下さい・・・。
と、とりあえず拠点に戻ろう!話しはゆっくりと出来る場所でしたい!!私の提案に反対は無く、何時ものように死体の一部を切り取り拠点へと帰る。とにかくあれだね!?皆無事で良かったよ。
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.2→LV.3】に上がりました。
「ご主人様!!今、回復します」
アリシアが私の左腕に回復薬を掛けているがどこか他人事のように思う。
しかし、そんな私の思考はアリシアを見て嗤うホブゴブリンの顔を見て引き戻される。ホブゴブリンはようやく見つけた自分の獲物を、どう楽しもうかと考え嗤っているようだった。
そんなホブゴブリンを見て私の思考は戻り始め、それと同時に左腕の痛みが主張を始める。その痛みを無理矢理思考から追い出しアリシアに指示を出す。
「ありしあ、まほうの、じゅんび、あと、きのうさいご、つくった、やつ、あそこのきに、かけといて、わたしたち、ひきつける、から、まほう、よろ」
「あっ、あの最後に作った魔法ですか?!あんな魔法あんな所に仕掛けても何の役にも…」
「いいから、はやく!」
「っっはい!」
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.3→LV.4】に上がりました。
簡単に指示を出し行動に移す。
アリシアは返事をしながら駆けていき、私達はホブゴブリンに向かっていく。だが、ホブゴブリンは私達の方を見ようともせずアリシアを目指し歩いていく。
クソ!何とか私達に視線を集中させないと魔法がよけられる。
私は足元の石を拾い上げ、ホブゴブリンの目に投げ付ける・・・が、ホブゴブリンは腕の一振りで石を弾く。でもそれは予想通り、乱暴に振った腕が体の正面をがら空きにするその瞬間【爪攻撃】を放ち、走り抜ける。
くっ硬い!
ホブゴブリン
HP:800/800→780/800
MP:0/0
ゴブ子
HP:85/185
MP:90/90→85/90
欠損状態
「ギガ!」
ダメージを与えた事でホブゴブリンはようやく私に視線を向けたが、やはり障害とはならないと判断された。
本当にダメージ20くらいか、片腕も無いからこのまま何事も無く、一方的にダメージを与えられるわけ無いし。やっぱり、アリシアの魔法がこっちの唯一の勝機かな?
〈正面の木ゴブゑが居ます。誘導して下さい〉
その指示を受け、再びホブゴブリンの懐に入り攻撃を仕掛けようとする・・・だが間合いに入る直前、ホブゴブリンの持っていた特大の棍棒が私の前を通りすぎる。
危ない!!当たったら一発で死にそうだ。
しかしこのままではどうにもならないので、今度は持っていたナイフを顔に向かって投げ付ける。
「ギギガ!!」
流石にナイフは弾けずホブゴブリンはナイフを避ける。
ナイス!ホブゴブリンが避けたのは丁度木の真下だった。その隙を狙いゴブゑが木の上から飛び降り、全体重と高さを生かし棍棒を降り下ろす。
ガゴッ!
ホブゴブリン
HP:755/800
MP:0/0
ゴブゑの一撃でふらつき始めたところを。
「ファイアブラスト!!」
ドガァァァ!!
【魔力覚醒】のスキルで強化されたファイアブラストが、ホブゴブリンに当たり先程よりも大きな爆発を引き起こす。その隙に、アリシアから受け取っていた回復薬を使う。
「ご主人様っ!!」
アリシアがヘルさんに頼んで造るよう指示してもらったアースクリエイトで作ったナイフを投げ渡してくる。
これなら今の私でも使える!武器の感触を確かめながら私は構える。
「えむぴー、かいふく、いそいで」
ホブゴブリン
HP:755/800→550/800
MP:0/0
ゴブ子
HP:85/185→185/185
MP:85/90
欠損状態
ゴブゑ
HP:150/150
MP:180/180
アリシア
HP:250/250
MP:70/210→170/210
MP回復薬はもう無い。本当ならもうちょっと作りたかったけど今は言っても仕方ない。
「ギガ~!」「ギギ」ドゴォ!
その時、土煙を掻き分けホブゴブリンがゴブゑに突進する。その攻撃にゴブゑは避けきれず当たってしまう。しかし、突進したホブゴブリンも木に当たり少なからずダメージを負う。
ホブゴブリン
HP:550/800→530/800
MP:0/0
ゴブゑ
HP:150/150→25/150
MP:180/180
〈ゴブゑを下がらせます〉
うん、お願い。
ゴブゑへの指示をヘルさんに頼み、木にぶち当たったホブゴブリンの背中にナイフを突き刺しに行く。
「ファイアアロー」
私がナイフを突き刺すと同時に、アリシアのファイアアローがホブゴブリンの利き腕の右肩に突き刺さる。
「ガ~!!」
攻撃を受けたホブゴブリンは背中に貼り付く私の腕を取り、アリシアに投げ付ける。
「キャアアア!!」
ホブゴブリン
HP:530/800→430/800
MP:0/0
ゴブ子
HP:185/185→135/185
MP:85/85
欠損状態
アリシア
HP:250/250→210/250
MP:170/210→120/210
投げ付けられた私はアリシアと共に吹き飛び、直ぐには動けない。その間にホブゴブリンは、こちらに走りその勢いのまま私を蹴り飛ばす!
カハッ!2度3度と地面を転がり剣の突き刺さる木に激突する。
〈マスター〉
ヘルさんの声に反応した時には遅く、ホブゴブリンは剣を抜き取り私の足を切り飛ばす。
「アァアァああアァ!」
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.4→LV.5】に上がりました。
意味の無い私の叫びが私自身の耳を打つ、その叫びを聞きながらホブゴブリンが私目掛けて剣を降り下ろし、刃が私に当たる直前。
「ファイアブラストオォ!!」
ドガァァァ!!
アリシアの強化魔法がホブゴブリンの背中に当たり、大爆発を起こしその爆風で私は吹き飛ばされる。
「あなたの相手は私です!!」
そう啖呵を切り、アリシアがホブゴブリンと相対する。震える手でナイフを構えるアリシアに、ホブゴブリンは恐怖を煽るようにゆっくりと近付いていく。
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.5→LV.6】に上がりました。
そんなホブゴブリンにアリシアは無謀にも真正面からナイフを構え突進する。無茶だ!ーーそう思うも私は体を動かせず見る事しか出来ない。
それでも時間は進みアリシアとホブゴブリンの距離が5メートルを切った。その時・・。
「ファイアアロー!!」
アリシアはナイフを構えた突進をフェイントに、至近距離から強化魔法を放った。私と同じように騙されたホブゴブリンは正面からアリシアの魔法を食らう。
「ギガ~ギギッ!?」
アリシアはそのままホブゴブリンの横を走り抜け私に駆け寄ってくる。
「ご主人様!!回復薬です」
私に回復薬を使い、アリシアはまたホブゴブリンに向かいナイフを構えながら吠える。
「ご主人様、私が時間を稼ぐので逃げて下さい。私は一度捕まっています。それを助けて下さったご主人様の事はどんな事をしても助けたいんです。私がどんな目に遭おうとも絶対に助けます」
そんなアリシアの悲痛な覚悟を嘲笑うように、ホブゴブリンは動き出す。しかし、その表情は怒りに満ちていて捕まればどんな目に遇わされるか想像するのも恐ろしかった。
「だめ、ぜんいんで、たおす」
「でも、今の戦力ではもう倒せません」
「さくせんある」
ホブゴブリン
HP:430/800→130/800
MP:0/0
ゴブ子
HP:5/185→105/185
MP:85/90
欠損状態
アリシア
HP:210/250
MP:120/210→0/210
怒りに満ちたホブゴブリンがこちらに走り出すが、避難した筈のゴブゑがロープで即席の罠を作りホブゴブリンを転倒させる。その間に私はヘルさんに頼み全員へ作戦を伝える。
そして一言。
「しんじて」
▶スキル熟練度が一定に達しました【痛覚軽減LV.6→LV.7】に上がりました。
「分かりました、信じます!」「ギギ!!」
私はゴブゑに肩を借り目的の場所まで運んでもらい、アリシアはヘルさんの指示を聞きながらあるポイントまでホブゴブリンを誘導してもらう。
「ギギッガ~!!」「くっ」
アリシアはホブゴブリンの腕をギリギリの所でかわして、何とか逃げながら目的の場所に向かって逃げるが、遂に捕まってしまう。
「きゃあ!くっ、この」「ギギ」
遂に捕まえた獲物にホブゴブリンは歓喜の声を上げる。
「離して!あっくっうぅ」「ギギッギ~」
捕まってしまったアリシア。しかし、アリシアは自分が誘導するべきポイントにまで到達していた。
その間、私はアリシアが逃げる所を見ながら慎重に事を運んでいた。
〈マスターもうすぐです〉
皆上手くやってくれてる。後はこの賭けが成功するかどうか・・・と、私の体が持つかが問題だけど、絶対に成功させてみせる。私の持っているスキルがあれば何とかなるはず。
そして、アリシアが予定のポイントまで来た所で捕まってしまうがそれも計算の内だ。角度も向きもバッチリ皆ありがとう!
〈マスター今です!!〉
私がアリシアに頼んで作ってもらっていた魔法は、待機型のウインドブラストだった。
それを戦闘開始直後木に仕掛けてもらっていた。この魔法は相手が30分以内に設置した場所に触れると爆発する、地雷のような魔法だ。
私はアリシアが木の側面に仕掛けたウインドブラストに、背中から思いきり体当たりをする。その瞬間、設置したウインドブラストが発動し、背中に文字通りの爆発的な風を受けホブゴブリンに向かって吹き飛んでいく。
私は吹き飛びながらも体勢を整えナイフを突き出し、ホブゴブリンの心臓目掛け体ごとぶち当たりナイフを突き刺す。
流石にウインドブラストの力が加わった突進で、ホブゴブリンもアリシアを捕まえていた手を離し、背中にナイフが刺さったまま吹き飛ばされて行く。
私は素早くステータスの確認する。
ゴブ子
HP:105/185→25/185
MP:85/90
アリシア
HP:210/250→150/250
MP:0/210
ホブゴブリン
HP:130/800→10/800
MP:0/0
「あっ」
後少し足らなかった・・・ナイフが心臓まで届かなかったのか・・・手も足も、片方ずつ失って武器も無い私と、魔法以外ではダメージを与える前にやられてしまうであろうアリシア、ゴブゑも後一撃でも攻撃されれば死んでしまう。完全に詰みだ。
「ご主人様!!」
アリシアは私の事を抱き締め必死に庇う、そして立ち上がったホブゴブリンが私達の前に立った時。
「ギギ!!」
ゴブゑが叫びながら、ホブゴブリンの背中のナイフ目掛けて棍棒を降り下ろす。当たった瞬間よほどの力を込めたのか、ゴブゑはそのまま勢い余って地面に倒れ込み、棍棒は砕け散り、棍棒に打ち付けられたナイフがホブゴブリンの体に更に潜り込み心臓を貫く。
「ギ・・・ギガ・・・?」
ホブゴブリンは自身に何が起こったのかも分からず、それでもまだアリシアに近付いてくる。しかし、アリシアに触れる直前、遂に倒れ力尽きる。
▶ゴブ子のレベルが10に上がりました。
HPが200に上がりました。
MPが100に上がりました。
物攻が25に上がりました。
物防が25に上がりました。
魔攻が30上がりました。
魔防が30に上がりました。
敏捷が50に上がりました。
知恵が180に上がりました。
器用が120に上がりました。
運が40に上がりました。
スキル【会心LV.1新】習得しました。
【鑑定士LV.5→LV.6】になりました。
【ゴブリンキラーLV.4→LV.8】になりました。
スキルポイントを10獲得しました。
▶称号【強敵打破】を獲得しました。
【強敵打破】の称号によりスキル【剛力LV.1新】獲得しました。
スキル【堅牢LV.1新】獲得しました。
▶ゴブ子のレベルがMAXになりました【進化】が可能になりました。
いつものようにアナウンスが終わった瞬間、私の体を光が包み込む。そして、光が収まると欠損していた左腕と、右足が元に戻っていた。重傷だとこんな風に回復するのね!!
▶使い魔ヘルがスキル【可視化】習得しました。
▶ゴブゑのレベルが10に上がりました。
▶ゴブゑのレベルがMAXに成りました【進化】が可能になりました。
▶アリシアのレベルが7に上がりました。
▶アリシアのレベルが8に上がりました。
▶アリシアのレベルが9に上がりました。
「私達勝ったんですか?」「ギギ?」
アリシア達の言葉に私は頷く。すると。
「やった、やった、やったー!!」「ギギギ~!!」
アリシアは泣きながら喜び私に抱きつく、ゴブゑは踊りながら私達の周りを回る、何かMPが減りそうな踊りである。
〈まさか、彼女が決めるとは・・・・〉
それは私も思った。
〈とにかく、これでやっとすべてのゴブリンを倒してマスター達も進化出来ますね〉
はっ!!そうだった!?アナウンスでそんな事を言っていたよう!!放心してたからあんまりちゃんと聞いてなかった。
〈マスター・・・〉「ご主人様・・・」
すいませんでした。そんな目で見ないで下さい・・・。
と、とりあえず拠点に戻ろう!話しはゆっくりと出来る場所でしたい!!私の提案に反対は無く、何時ものように死体の一部を切り取り拠点へと帰る。とにかくあれだね!?皆無事で良かったよ。
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