神様からの贈り物

北乃 夜空

第ニ話「輝海 蒼」

蒼(N):冷たい雨が降る季節。

蒼(N):ジメジメとした空気の中で、

蒼(N):紫陽花の花が綺麗に咲いて、

蒼(N):カエルやカタツムリが顔を出す。

蒼(N):長靴を履いて傘をさし、

蒼(N):パラパラと降り注ぐ雨の中。

蒼(N):水溜りをぽちゃんと進む。

蒼(N):自然の恵みとなる雨が、

蒼(N):私達の世界を包み、

蒼(N):晴れの日とは違う

蒼(N):不思議な景色を

蒼(N):楽しませてくれます。

蒼(N): 

蒼:「ひんやりとした雨の降る日。

蒼:シトシトと降り注ぐ雨の中。

蒼:水玉柄の傘を持ち、

蒼:くるくると傘を回してみる。

蒼:雨の日は少し肌寒い。

蒼:雨が降っているだけで、

蒼:晴れの日と違う気分が味わえる。

蒼:いつもと同じ道なはずなのに、

蒼:なぜだか違う場所に来たみたい。」

蒼(N):雨に濡れ、しっとりとした髪。

蒼(N):純白のワンピースに、

蒼(N):吸い込まれるような綺麗な瞳。

蒼(N):人形のような白い肌。

蒼(N):おっとりした雰囲気。

蒼(N):小柄な少女の名前は『蒼』

蒼:「晴れの日もいいけれど、

蒼:私は雨の日の方が好き。

蒼:シャワーのような冷たい雨が、

蒼:音を立てて癒やしてくれる。

蒼:自然の音を聞いていると、

蒼:心がとても落ち着くの。

蒼:家にいるのもいいけれど

蒼:雨の日のお散歩も楽しめる。」

蒼(N):何もすることが無い日には

蒼(N):私は趣味で気を紛らわす。

蒼(N):雨の日にこうしてお散歩をする。

蒼(N):お散歩をすると楽しくなる。

蒼(N):外に出れない時は、

蒼(N):編み物やビーズを使って遊んだりする。

蒼:「趣味って素敵。

蒼:楽しくて、キラキラしてて、

蒼:心が満たされて、

蒼:趣味があるだけで、

蒼:悪い事がどうでもよく感じる。

蒼:どうして楽しいと思えるのかな。

蒼:楽しいはどうして幸せなのかな。

蒼:悪い事なんてすべて忘れて。

蒼:素敵な事だけ考えたい。」

蒼(N):心は落ち着くハズなのに

蒼(N):少し悲しい気分にもなる。

蒼(N):思い出したくない出来事を、

蒼(N):思い出してしまう時もある。

蒼(N):楽しかった思い出も、

蒼(N):悲しかった思い出も、

蒼(N):沢山の記憶が溢れてくる。

蒼(N):私には双子の妹がいる。

蒼(N):妹はとても心が広くて、

蒼(N):皆に優しくしてくれた。

蒼:「暖かな春 賑やかな夏

蒼:楽しい秋に 寒くなる冬 

蒼:繰り返す日々 楽しかったね 

蒼:いつまでも忘れないよ

蒼:ある日は外で お花を摘んで 

蒼:花冠を作ってたよね

蒼:花の指輪交換したり

蒼:ブランコ乗って飛び降りたり

蒼:泥団子で泥だらけになって 

蒼:砂浜でお山作ってた

蒼:山登りで迷子になって 

蒼:川の水で水遊びして

蒼:宿題も手伝いもせず 

蒼:遅くまで帰らなかった

蒼:汚れた服で 怒られて

蒼:なんでもない日 楽しかった」

蒼(N):今日は、少し憂鬱な気分。

蒼(N):生きていれば、

蒼(N):上手く行かない事も、

蒼(N):必ず起こる。

蒼:毎日の様に一緒に過ごした

蒼:双子の妹。大切な家族。

蒼:何処に行くにも一緒。

蒼:何をするにも一緒。

蒼:一時も離れる事なく、

蒼:毎日楽しい日々を送っていた。

蒼:しかしそれは、

蒼:ずっと長くは続かなかったの。

蒼(N):別れは突然訪れた。

蒼(N):彼女は、私の前から姿を消してしまった。

蒼(N):どこを探しても見つからなくて。

蒼(N):誰に聞いても、誰も知らなくて。

蒼(N):まるで『神隠し』にあったみたい。

蒼(N):神様は、何を思い、

蒼(N):私にそんな試練を与えたのだろう。

蒼:「『もう一度、あなたに会いたい』

蒼:どんなに神様に願いを伝えても、

蒼:その願いは叶わない。

蒼:なくなってはじめて、

蒼:失ったものの大切さを知った。

蒼:彼女と過ごした時間は、

蒼:毎日が楽しくて

蒼:かけがえのない、大切なものだった。」

蒼: 

蒼(N):幸せだった日々の記憶。

蒼(N):過去の時間は巻き戻せない。

蒼(N):帰ってこないのは分かってる。

蒼(N):とても大切な時間をくれた。

蒼(N):繰り返す毎日は

蒼(N):永遠には続かない。

蒼(N):出会いがあれば別れもある。

蒼(N):出会いと別れは

蒼(N):運命の神様のお導き。

蒼(N):神様はきっと、

蒼(N):私に何かを教えてくれた。

蒼(N):私はそれを受け入れて

蒼(N):新しい日常を歩いて行こう。

蒼:「当たり前の毎日が、

蒼:ずっと続くと思っていた。

蒼:あのときのまま永遠に、

蒼:時が止まっていればいいのに。

蒼:同じ日は二度と訪れない。

蒼:繰り返す日々ともお別れだ

蒼:描いた夢を追いかけて

蒼:どこまでも行く。知らない道へ

蒼:どこへ行くかは誰にもわからない。

蒼:でもきっとどこかでまた会えるよね

蒼:素敵な未来 導いて」

蒼(N):山の天気は変わりやすい。

蒼(N):さっきまで雨が降っていたのに、

蒼(N):通り過ぎていったみたい。

蒼(N):傘を閉じて空を見上げると、

蒼(N):隠れていたお日様が顔を見せた。

蒼(N):雨が上がりの後のお天道様は

蒼(N):特別綺麗に輝いて見えました。

蒼(N):地面はとても柔らかくなり、

蒼(N):水溜まりが沢山出来る。

蒼(N):空気はとても澄んでいて、

蒼(N):カタツムリが葉っぱに隠れる。

蒼(N):植物から雨粒が落ちていきます。

蒼:「壊れたものは直せても、

蒼:失ったものは取り戻せない。

蒼:時間は有限。お金じゃ買えない。

蒼:過去の時間は巻き戻せない。

蒼:誰も時間を分けてはくれない。

蒼:だからこの一瞬を、

蒼:今という時間を大切に、

蒼:全力で生きよう。

蒼:どんなに失敗して、

蒼:後悔しても、

蒼:これから先の未来では、

蒼:その経験が

蒼:役に立つ日が来るかもしれない。」

蒼(N):暖かな家族に囲まれて

蒼(N):平和で幸せに過ごした毎日。

蒼(N):幸せの形はひとそれぞれ。

蒼(N):星の数だけ人がいる。

蒼(N):苦しい事も悲しい事も

蒼(N):嬉しいことも楽しいことも

蒼(N):全てのことが不思議に思える

蒼(N):不思議が溢れるこの世界は、

蒼(N):神様からの贈り物。

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