ツンデレ妹は今日も兄に甘える。

雅蛇

6:僕が妹で妹が僕で

「起きて、お兄ちゃん!大変だよ!!」

 ん?もう朝か…起きるか…
うん?なんか、僕にそっくりな声がするな。しかも胸あたりに重いものが、さては、愛結美僕の上に乗っかっているな?

そして、目を開けると。そこにはなんとBカップ位の胸があった。

「えー!?な、なんなんだよ…これ…」

「お兄ちゃん!大変だよ!!」

妹を見ると、僕になっていた。

え?ということは

洗面所の鏡を見ると、愛結美になっていた。

「えぇー!?」

もう、完全に『君の〇は』状態だ。

「愛結美…どうなってるんだ?」

「分からないよ!朝起きたらお兄ちゃんになったいたの。」

「そうか。」

仕方ない。これで1日を過ごすしかないか。

にしても、姿、声は完全に僕だ。

そして、僕も完全に妹だ。

「おい、学校行くぞ」





《学校》

普通に登校し、下駄箱に靴を入れようとした時

「あ、あぶねあぶね。今日僕は愛結美だったんだ。」

すぐさま妹の下駄箱に靴を入れた。

そして、教室に入った。(愛結美の)

「あ!愛結美ちゃん!おはよー!」

え?愛結美ってどう挨拶返すの?
仕方ない普通に返してみるか。

「おはよう!」

「?今日愛結美ちゃん変だよ?大丈夫?」

え?なんだと?どういうことだ?

「え?何がどう変なの?」

「いつもだったら『お、おはよう。あ、挨拶返すの当たり前だから返しただけよ!か、勘違いしないでね!』とか言ってたじゃん。」

いや、誰がわかるかぁ!あいつどんな挨拶してんだよ!



一方愛結夢(愛結美)は。

「お!愛結夢!おはよう!」

「あ、愛結夢君!おはよう!」

えぇ!兄ちゃんってこんなに人気者なの!?
とりあえず普通に挨拶返すか。

「おはよう。」

「え?今日の愛結夢おかしくね?」

「ウンウン、そうだよね。」

何がどうおかしいって言うのよぉ!

「え?別にそんなことないよ?」

「いつもの愛結夢じゃあ、『あ、あぁ……』って返してるのに。今日は、普通だな。」

知らないわよ!そんなこと!誰も知る由がないじゃない!


《お昼》
愛結美(愛結夢)

「ねぇ、愛結美ちゃん!」

「うん?なーに?」

やべぇ。完全に愛結美の喋り方マスターしちゃってる…。

「私、トマト食べれないから食べてくれる?」

「べ、別にいいけどお、お礼とか要らないから、勘違いしないでね!」

やべぇよ!僕…初めて自分が気持ち悪いと感じた…。





愛結夢(愛結美)
「おい、愛結夢これ要らないよな?貰うぞ?」

それは、私の大好きなきゅうりの漬け物だった。

「え?それは…」

「え?お前、きゅうり嫌いだったよな?」

えぇ!お兄ちゃんってきゅうり嫌いだったの!?は、初めて知った…。

「そ、そうだよ…僕きゅうり嫌いだからあげるよ…」

「おう!サンキューな!」

きゅうり食べたかったなぁ…(泣)




《放課後》

「お兄ちゃん!一緒に帰ろ!」

「バカ!今ここでお兄ちゃんって呼ぶなよ!」

「あ、ごめん」

あぁ…早く戻らないかなぁ…


そう思っていたら。

『お兄ちゃん!起きて!』

え?愛結美?

遠くから妹の声がする。


『お兄ちゃん!遅刻しちゃうよ!』


すると、自分の体が落ちる感覚に陥った。

「はっ!」

「やっと。起きた。早く支度しないと遅刻するよ。」

部屋の時計を見ると7時30分だった。

「やばいやばい…遅刻遅刻!」

支度をし学校に向かった。



はぁ…変わった夢を見たなぁ。
何ともぎこちない夢だ。
正夢になったらどうしよう…。


こんなことが本当にならないか気になる愛結夢であった。

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