たった一つの願いを叶えるために
夕食準備
屋敷に戻り、玄関の扉を開ける。
「お帰りなさいませ、テル様、ミッシェル」
「ただいま、ロランさん」
「ただいま戻りました」
ロランさんに挨拶した後居間に向かう。
「ん?」
「どうされました?」
「いや、なんでもない」
居間の扉の向こうからすごい勢いで向かってくる気配があるが、気にせず開ける。
「とう!」
「うわッ!?」
扉を開けると、すごい勢いで向かってきてたアリスが飛びついてきた。突然の行動で思わず硬直し、そのまま抱きつかれる。
「やっと帰ってきましたね、テルさん、ミッシェル!デートは楽しかったですか?!」
「で、で、デート!?」
「いきなり抱きついてきて、なに言ってるんだアリス?」
「だって、2人で出かけて露店を見て回ったり昼食だって一緒に食べてきたんじゃないですか?」
「まぁ、そうだけど」
「ほらやっぱり!いいな〜、私もデートしたい〜!」
最初に出会った時のお嬢様感が、見る影もなくなってきてるんだが。
「そ、そんなことより学園の課題は終わったのですか?」
顔を赤くしたミッシェルが強引に話題を変えた。
「うっ、あと少しなんですけど…」
「じゃあ、代わりといったらなんだけど勉強見てあげようか?」
「いいんですか!?ぜひ、お願いします!」
(多分大丈夫だろうけど、もしダメだったらナビ、お願いできるか?)
〈お任せください〉
「じゃあ、とりあえず俺は夕食の準備をするから、また後でね」
「はい、夕食期待てます!」
「はい、では後ほど」
◇ ◆ ◆ ◆
厨房に入り、近くにいた人に話しかける。
「すいません。今日の夕食を作って欲しいとグランさんに頼まれたんですが」
「ああ、あなたが旦那様がおっしゃってたテルさんですか。なんでも、未知の料理を作るとか。あ、申し遅れました。私、レイルリット家の料理長を任されてる、ラークと申します。以後お見知り置きを」
「テル・ウィスタリアといいます」
料理長という厳格そうなイメージとは裏腹に、柔和な笑みを浮かべた穏やかそうな人だった。
「話は聞いてます。ここにある食材、調理器具など全て使っていただいて構いません。その代わりと言っては少々厚かましいのですが、作るところを見学させてはもらえませんか?」
「構いませんよ。なんでしたら、後でレシピもお渡しいたしますよ」
「良いのですか!?料理人にとってレシピは財産。それを他人に渡すなど…」
「俺は料理人ではないですし気にしないでください」
「そいう問題では…。いえ、ありがたく頂戴します」
「じゃあ、早速始めます」
こっちの世界はパンが一般的で、白米は全然見かけない。ナビの話では東にある島国で育てているらしい。
白米、迷宮産の豚ロースを【無限収納】から取り出し用意する。
「今、どこから…?」
米3合を洗ってざるに上げ、軽くみず手を切ったら鍋に入れ、米1合に対して水180ccなので、3合分の540ccを加えて、本来であれば1時間浸けるが、時間がかかりすぎるから魔法で時間を早める。
早めた後、鍋にフタをして中火で10分かけて沸騰させる。沸騰したら弱火にして15〜20分加熱して、火を止めたら10分蒸らす。
肉の脂身と赤身の間にある筋を包丁の先で切り、包丁の腹を使って肉を伸ばすように叩く。
叩いたら塩、こしょうを少々、小麦をつけたあとしっかりはたき、余分の小麦を落とす。
卵を割り、溶いた後肉をくぐらせる。
パン粉を全体にまぶし、衣が落ち着くまでしばらく置く。
揚げ油を180℃まで熱し、トンカツを揚げる。
油に入れてしばらくは触らず、衣が固まっていい色になったら裏返してさらに揚げる。
衣全体がきつね色になり、油の泡が小さくなったらよく油を切ってバットに上げる。
食べやすいようにカットして野菜と一緒に皿に盛り付ける。
「お帰りなさいませ、テル様、ミッシェル」
「ただいま、ロランさん」
「ただいま戻りました」
ロランさんに挨拶した後居間に向かう。
「ん?」
「どうされました?」
「いや、なんでもない」
居間の扉の向こうからすごい勢いで向かってくる気配があるが、気にせず開ける。
「とう!」
「うわッ!?」
扉を開けると、すごい勢いで向かってきてたアリスが飛びついてきた。突然の行動で思わず硬直し、そのまま抱きつかれる。
「やっと帰ってきましたね、テルさん、ミッシェル!デートは楽しかったですか?!」
「で、で、デート!?」
「いきなり抱きついてきて、なに言ってるんだアリス?」
「だって、2人で出かけて露店を見て回ったり昼食だって一緒に食べてきたんじゃないですか?」
「まぁ、そうだけど」
「ほらやっぱり!いいな〜、私もデートしたい〜!」
最初に出会った時のお嬢様感が、見る影もなくなってきてるんだが。
「そ、そんなことより学園の課題は終わったのですか?」
顔を赤くしたミッシェルが強引に話題を変えた。
「うっ、あと少しなんですけど…」
「じゃあ、代わりといったらなんだけど勉強見てあげようか?」
「いいんですか!?ぜひ、お願いします!」
(多分大丈夫だろうけど、もしダメだったらナビ、お願いできるか?)
〈お任せください〉
「じゃあ、とりあえず俺は夕食の準備をするから、また後でね」
「はい、夕食期待てます!」
「はい、では後ほど」
◇ ◆ ◆ ◆
厨房に入り、近くにいた人に話しかける。
「すいません。今日の夕食を作って欲しいとグランさんに頼まれたんですが」
「ああ、あなたが旦那様がおっしゃってたテルさんですか。なんでも、未知の料理を作るとか。あ、申し遅れました。私、レイルリット家の料理長を任されてる、ラークと申します。以後お見知り置きを」
「テル・ウィスタリアといいます」
料理長という厳格そうなイメージとは裏腹に、柔和な笑みを浮かべた穏やかそうな人だった。
「話は聞いてます。ここにある食材、調理器具など全て使っていただいて構いません。その代わりと言っては少々厚かましいのですが、作るところを見学させてはもらえませんか?」
「構いませんよ。なんでしたら、後でレシピもお渡しいたしますよ」
「良いのですか!?料理人にとってレシピは財産。それを他人に渡すなど…」
「俺は料理人ではないですし気にしないでください」
「そいう問題では…。いえ、ありがたく頂戴します」
「じゃあ、早速始めます」
こっちの世界はパンが一般的で、白米は全然見かけない。ナビの話では東にある島国で育てているらしい。
白米、迷宮産の豚ロースを【無限収納】から取り出し用意する。
「今、どこから…?」
米3合を洗ってざるに上げ、軽くみず手を切ったら鍋に入れ、米1合に対して水180ccなので、3合分の540ccを加えて、本来であれば1時間浸けるが、時間がかかりすぎるから魔法で時間を早める。
早めた後、鍋にフタをして中火で10分かけて沸騰させる。沸騰したら弱火にして15〜20分加熱して、火を止めたら10分蒸らす。
肉の脂身と赤身の間にある筋を包丁の先で切り、包丁の腹を使って肉を伸ばすように叩く。
叩いたら塩、こしょうを少々、小麦をつけたあとしっかりはたき、余分の小麦を落とす。
卵を割り、溶いた後肉をくぐらせる。
パン粉を全体にまぶし、衣が落ち着くまでしばらく置く。
揚げ油を180℃まで熱し、トンカツを揚げる。
油に入れてしばらくは触らず、衣が固まっていい色になったら裏返してさらに揚げる。
衣全体がきつね色になり、油の泡が小さくなったらよく油を切ってバットに上げる。
食べやすいようにカットして野菜と一緒に皿に盛り付ける。
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