予備自衛官が戦争に駆り出される惨状

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第6話 〝非常事態〟


※2020年7月24日 栃木県宇都宮市北宇都宮駐屯地※

 「停車。」
「はい、停車。」

 運転席から、聞こえてきた。すると、車体が、詳しくいうと僕たちが車体前方に引っ張られた。完全に停車すると、搭乗とうじょうしていた自衛官が予備自衛官らに言った。

現着げんちゃくしました!いま、後部ハッチ開けるので少々お待ちください!」

間もなく、ハッチはあいた。

「は?!え?」

鯖妥が、隣で声をあげた。

「ど、どうしたの?」
「こんなの、宇都宮じゃない!」

僕は、頭に疑問符ぎもんふを浮かべながらも外をみた。
 いや、これは東京でもありない…
 外は、お祭り騒ぎを通り越して、繁盛はんじょうしている定食屋に来たようだった。街全体が、騒音で埋め尽くされている。避難民が多発しているのか、市内ではクラクションの音が響き渡り、救急車や消防車のサイレンも絶えず鳴っている。すると…2年前まではネット上で〔聞いたら死ぬ〕とか言われていたあのサイレンが、市内を震わせた。

 国民保護サイレンである。

サイレンが2回鳴ったあと、アナウンスが入った。これには、駐屯地にいるほとんどの人間が動きを止め、聞きに入った。

攻撃警報こうげきけいほう、攻撃警報。先程、日本海において、海上自衛隊の艦艇かんていが、外国から、武力行使ぶりょくこうしを、受けました。本土への、攻撃が、懸念けねん、されます。警察、消防などの指示に、落ち着いて、したがってください。こちらは、防災、宇都宮。≫

すると、考えるひまを与えずに駐屯地の放送が入った。

≪国民保護情報を受信!政府が被攻撃時ひこうげきじ非常事態ひじょうじたい宣言せんげんを発表!海上自衛隊『ひゅうが』が第3だいさん護衛隊ごえいたいを代表して、エマージェンシーを宣言。作戦実行時刻をり上げ。本隊ほんたい、即応予備自衛官ぐん、予備自衛官群は翌日、明朝みょうちょう0まる4よん0まる0まる時に各集合場所へ整列せよ。≫

 アナウンスが終わったと解釈かいしゃくすると、動きが止まっていた人々はまた動きを始めた。たまに、怒号どごうも飛んでいる。
 一つ間をおき、鯖妥は僕に対して言った。

「とりあえず、今日は早いが休もう。うちのかあさん、混乱して逃げてなければいいけど…とりあえず、うちになよ。」
「え?栃木出身?…っていうか、栃木って東北じゃなかったっけ?意外と到着早かったよね?」
「聞き捨てならんな…いくら、魅力度最底辺だとはいえ、東北と言われるのは!!!ま、いいさ、これから知っといてくれ。じゃあ、行くか。」

鯖妥は、栃木県が出身らしい。しかも、僕は出身者にとって最悪のことを言ってしまった。読者でもし、出身者がいたら謝りたい。まあ、鯖妥からは栃木県のことをよく知り、完全に許してもらおう。

 …ご当地応援小説にする気はないが。

 本題に戻るが、このようなことを考えている間に鯖妥の家についた。駐屯地の近くに所在するらしい。歩いて数分だった。

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