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閃光の勇者 〜転生したら伝説の竜になってました〜

雨猫

プロローグ


俺には、子供の頃から思い描いてる夢がある。
それは、王の側近として、国を代表するような騎士になること。
たくさんの人々を助けて、英雄になる。

あの、紅蓮の英雄ブレイブのように・・・。







「そうじゃない!もっと腰から振るんだ!」
「そんなこと言っても出来ねえよ〜」

俺には剣術の才能がない。
喧嘩には自信があり、巷じゃ負け知らずの腕を持っていたが、見習い騎士として入団してからは勝った試しがない。

「ちっくしょう。素手なら負けねえのに」
「またそれか。剣を持たぬ騎士は騎士ではない。甘ったれたことを抜かす暇があるなら一本でも剣を振れ」

俺にいつも口うるさく説教垂れるコイツは見習い騎士育成係の上官ミレル。
なんでも他国との戦争で偉大なる成果を残したとかなんとか。
ケッ。素手の勝負ならコイツにだって負けない自信があるのに。







過酷な鍛錬の後は美味い飯が待ってる。
ここ、ドレイド帝国の騎士寮に勤めている食事班は凄腕の料理人しかいない。
ドレイドの王バルドレンド三世は、「美味い飯を食べ強い力を得る」ことを盲信している。
よく分からない理屈だとみんな言うけど、美味い飯が食えるのはありがたい。

飯の時間は決められていて、見習い騎士全員が同時に食べる決まりの為、上官からの必要事項はこの場で伝えられることが多いのだが、今日は上官の顔色がいつになく真剣だった。

「お前ら、一度箸を置け。一週間後、隣国との土地を掛けた戦争が始まる。隣国ヴァルサナ帝国は特殊な魔術を扱う集団が存在するという情報が入った。いつにも増して危険な戦いになると思うが、いつも通り見習いも全員強制参加だ。城門の守りに徹して欲しい。以上だ」

ミレルが去った後、みんな騒然としていた。
無理はない。初めての戦争なのだ。

でも俺は、実戦なら力があることを見せられるチャンスだと、ワクワクしていた。







戦争当日は、これでもかって程の大雨が降り注いでいた。
練習でしか着たことのない防具、一振りで人が殺せるだろう重たい剣。
各々が確固たる信念を持ってそれらを装着し、今、城門に並んだ。

その時はすぐにやって来た。
これでも前線の兵士はよくやっていると思う。本来予想された人数よりも遥かに下回った人数が城門へと向かって来た。
敵も味方も、全員が剥がれ落ちぬ意志の元に、国の為、王の為にと殺意をぶつける。

俺たちは、上官ミレルの合図と共に敵へと向かって行った。

実戦なら?チャンス?
みんなが固い意志の元で戦う中、俺はきっと考えが甘かったんだ。

一人目と対峙した時、強張った剣に力が入ることなく、俺は敵の一振りで首を落とした。

誰も見向きもしなかった。
自分のことで精一杯なんだ。

落ちて行く視線の先には、俺を切り落とした敵の騎士が、何故か悲しそうに見えた。







「あれ」

なんだ、意識があるぞ。
戦争が始まって、敵の騎士に首を落とされて・・・。
ん?俺は確かに死んだよな?
奇跡的に助かっちゃった的なアレか?

そんなわけない。あの状況で俺を助けられる奴なんていなかったはずだ。

痛みもないな。でも体が重い。
今戦争はどうなってんだ。

俺は分厚く感じられた瞼をソッと開けた。
しかし真っ暗闇が続いた。
目が開いてんのか開いてないのか分かんねえな・・・。

腕を振るうと自分の周りに固いものがある。
なんだこれ。なんか変に落ち着くな。
でもチンタラしてる暇ねえよな・・・。

バコッと鈍い音を立てて外壁のものを壊すと、明るい光が差し込んだ。

「!?」

「お、出てきた出てきた」

あれ、本でしか見たことなかったけど、コイツは・・・。

「なんだ?そんなじっと見て。外の世界が怖いのか?」

伝説の竜、リンドブルム。
死んだはずの俺の目の前には、何故か流暢に喋る伝説の竜リンドブルムがいた。

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