人外転生、いきなりテイム!? 〜黒の狼と白い少女と【強い】意味〜

カイリ

2話 黒い狼と優しい少女

 今、俺たちは国の前にいるか

 あれから魔物に襲われことなくここまで来れたが、日は暮れてほぼ真っ暗な状態になっている。

 セラは小走りで門番のオヤジに向かっていき何かを話している。
 話し終わったのかセラが俺の方に戻ってくる。

「クロ! 首輪を付けた状態なら入っていいって!」
「ワン(いやだ)」

 俺はセロの提案を即答で拒否した。だがセロはニコニコしながら俺に首輪をつけようとしてくる。

「ワン! ワン!(やめろ! 俺にはいらん!)」
「そんなに嬉しいの? 嬉しいなぁ〜」
「クゥーン(ダメだ、通じてない)」

 セラは俺が喜んでいるよう勘違いして頬を赤くし、微笑みながら喜んでいた。

 そんな顔をされると……抵抗できなくなる!

 結局俺はされるがままに首輪を付けられ、国の中に入った。
 もう暗い事もあって周りは静かだった。周りは暗くてほぼ見えないが、建物の灯りがとても綺麗だった。

「ワン(どこ行くんだ?)」
「ん? 宿だよ?」

 それは通じるんだな…

 セラ隣を歩行していると直ぐに宿の場所に着いた。
 セラは俺を連れて宿に入る。

「人 一人とモンスター 一匹いいですか?」
「はいよー、一部屋で500銅貨ね」
「これで」
「毎度、ほれ鍵だ」
「ありがとうございます」

 なんか話がどんどん進んで行くが…宿にモンスター入れてもいいんだ。っと、通貨の説明ははぶくぞ! 何処の異世界と一緒だから。

 俺たちはそのまま部屋に入る。至って普通の部屋だった、六畳くらいで棚とベット、モンスター用のベットもあるな。

「クロ、作戦会議だよ!」
「ワウ?」

 セラの急な提案に俺は首かしげる。

「まずは会話だね! 【念話】って言うスキルがあるの、相手に念を込めて話すと出来るの。やってみて?」

 セラは俺の事を無視して話を続ける、嫌いじゃない。

 念を込めるか……『あー、あー、セラー』

「わぁ! びっくりした! クロの声?」
『ああ、そうだ』
「きゃーー、イケメンボイスって奴だ!」

 セラが満足しているようにはしゃいでいる。クロは褒められて満更でも無いようにニヤリとする。

「明日はギルドに登録してクエストをこなすよ!」
『ああ、わかった』

 夜が遅い事があるためか、話し合いは早めに切り上げて俺たちは眠りについた。

『なんで同じベットなんだ?』
「気にしないの!」
『///』
「ん? 照れてるの?」
『早く寝ろ』
「かわいいなー」

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