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「 」

鳩の唐揚げ

リカ

気づくと、少し目線が高くなっていた。
そうか、私ってあいつより背が低かったんだ。
なんかムカつく。

まぁ、いいや。
どうやら成功したようだ。

さぁて、何をするかな?
そういえば、こいつは放課後決まって屋上に行ってたな。
この学校は屋上進入禁止のはずなんだけどねぇ。

行ってみるか。


「あ、リカやっと来た!遅かったじゃん何してたの?」

あ、そっか、こいつリカって名前だったわ。
興味なさ過ぎて忘れてた。
てか、いかにも頭悪そうな奴だな。
今更ガングロとか、時代遅れにも程があるだろ。
うわっ、煙っ!

「あーちょっとトイレに行ってまして、ごめんなさいね。」

よし、我ながら素晴らしい演技力!

「ど、どうした?リカがあたしに敬語使うなんて、」

......
やべ、

「い、いやぁ、さっき先生と話してたからさ、敬語が抜けてなくてね!」

「そっかぁ、リカは成績優秀、学級委員だもんね!で、今回のターゲットだけど...」

そう言ってガングロは一枚の写真を見せて来た。

「こいつって...」

こいつは同じクラスの貧乏少女だ。
名前なんだっけ?ええと、駄目だ思い出せない。

「そう、リカのクラスの貧乏野郎だよ。なんかこいつ見ててムカつくんだよねぇ。」

「確かに...そう言えば、こいつ、給食の時は何時もトイレに入って行くな。」

「うわ、トイレで弁当かよ、汚ねぇ。よし、じゃあ明日の昼休み試しに行ってみるかな」

「そうだね。(うわぁ、やっぱりこの体楽しい!)」

「じゃあ、今日はこの辺で解散にすっか。」

そう言って、ガングロは屋上を出て行った。

.....

待てよ、ど、どうしよう。
こいつの家知らない。

まじか、ホームレス高校生になるのか!?

と、とりあえず、学校を出よう。

 「あ、いたいた!」

学校の校門を出ると、道路の方から声が聞こえた。

「待ってたよリカちゃん。遅かったね、」

そう言った男は、30...いや、20後半か、
20歳後半の見知らぬ男だった。
いや、こいつは知ってるのか?
スーツを着ているところを見るとサラリーマンだろうか、

「あ、そっか、顔を見せるのは初めてだよね。僕だよ、コウヘイ。ほら、昨日連絡した。」

とりあえず、適当に話しておくか、

「あ、コウヘイさん?すいません、昨日の連絡って?」

「え、忘れちゃったのかい?でも、ここで話すのはちょっとな...まぁいいや、とりあえずホテルに行こうか。」

ま、待て、今こいつなんて言った!?
ほ、ホテル!?
まじかこいつ!!
援助交際ってやつか!

私は、気づくとホテルの部屋にいた。
ま、待って頭がついていけてないんだけど。

「じゃあ、始めようか。」

え?始めるって何を?

え、待ってちょっと身体触んな!クソ!
あ、でもこれあいつの身体だった。

私は今起きている出来事が信じられなくて、声を出す事が出来なかった。
胸を触られ、股間をまさぐられ...
ま、まぁ、色々とされた。
でも、嫌ではなかった。
え、何故かって?
だって、あのムカつくリカ...だっけ?の身体が汚されてるんだぜ!そりゃあ嬉しいに決まってる!
痛くなかったし。む、むしろ、その、気持ちよかった...し。

気がついたら全てが終わっていた。
あの男はいなくなっていて、部屋には金だけが置いてあった。
快感に負けて寝てしまっていたみたいだ。

時間は...朝の7時。
丁度いい時間だ。

「はぁ、学校行くか。」

歩くと股が痛い。
あれはもう失った後だったみたいだけど、あんなにされたら流石に痛い。

はぁ、

何だろう。ため息ばっかりついている気がする。
なんだか、越えてはならない壁を越えてしまった感じだ。

「おはようございます!リカさん!」

おっと、学校に着いたか。
気づかなかった。

「おはよう。」

名前知らないし、適当に返しとけばいいか。

て言うか、あのネクタイの色は一年だよな、他学年にも知られてるとか、こいつ猫被りすぎだろ!

ピロリン

ん、メール?

「昨日のあいつのやつの話だけど、リカは見つからない方がいいし、あたしがやっといていいよね!午後の授業楽しみにしといてね~!」

え、誰?

あ、あぁ、あのガングロか。
忘れかけてた。
そうだった、貧乏少女になんかするんだった。
何するのか知らないけど。
でも、ちょっと楽しみになってきたな。

その日の午前の授業は、何だか進むのが早かった。
そして、午後の授業、貧乏少女はずぶ濡れで教室の机に座っていた。

あぁ///やっぱりこの体は楽しいなぁ///

濡れてるところを見ると、トイレで昼食中に上からバケツで水でもかけられたかな、

ああ、何で体育着着てないかって?
貧乏少女の体育着は私が捨てといてやったのさ!
はっはー、見つけるの大変だったぜー、あいつ、体育着隠してんだもん。

先生も、ずぶ濡れ貧乏少女を見ると動揺してるな、

「お、おい、どうした?そんなに濡れて...」

「せんせー、受験近いんで授業始めてくださいー」

「そ、そうだな」

おい、先生それはないだろう。
まぁ、共犯が言う事じゃ無いけれども。
でも、新人みたいだししょうがないのかな。

その後の授業は、とても悲惨なものだった。
この教室から、貧乏少女が消えてしまったみたいだった。
ずぶ濡れなんだから、みんな少しは反応してもいいものなのに、誰も貧乏少女のことを見ようとしない。

そうか、こいつも、居場所がないのか。

授業が終わり、放課後になった。
私は、一応屋上に行ってみた。

ガングロがいた。

ガングロと色々話たけど、何も頭に入らなかった。
私の頭の中には、午後の授業風景だけが残っていた。


ガングロが帰った後、私は屋上に残った。

カンカンカン

お、やばい屋上に誰か来た、
隠れないとな、

私はそこら辺の壁に隠れて屋上に来た人を見ようとした。

屋上に来たのは貧乏少女だった。

お、おい、ちょっと待てよ、まさか、飛び降りるわけじゃ無いよな、

貧乏少女の顔をよくみて見ると、貧乏少女は笑っていた。
顔を涙で濡らしながら...

ちょいちょいちょい、待て待て待て!
やばいやばい、あいつフェンスの、向こう側に行ったぞ!

               やばい...

そう思った所で、私の意識は飛んだ。




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