Messiah

嘉禄(かろく)

Person in pursuit of the half of the body



「お呼びですか、百瀬係長代理」


僕は呼ばれて係長室を訪れ、呼び出した当人と向かい合っていた。


「ええ、君に新たなメサイアを与えるわ」
「…その人物とは?」
「行けばわかるわよ」
「…はい?」


てっきりこの場で紹介されるものと思ったのに、もしや迎えに行けと?
ただメサイアを紹介するだけなのに随分と大仰なことだ。


「で、どこに行けばいいんです?」
「南トランの砂漠地帯」
「はぁ?」


正直めんどくさい、けど従わない訳にはいかない。
いくらメサイアを利用するだけとはいえ、命令は命令だ。


「…地点を送って下さい」


諦めてそう返すとすぐに端末が鳴った。



「送ったわよ。彼はずっとチャーチに戻らず任務に明け暮れているからついでに連れ帰ってきて」
「無理だったら置いてきていいですか」
「…任せるわ」
「了解」


そうして僕は南トランに飛んだ。
送られてきた座標に降り立つと、見慣れた黒いスーツを纏った男が一人沈む太陽を見つめていた。


「…君が、松原エレン?
僕の新しいメサイア」


その人はゆっくりとこっちを振り向いた-



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