Messiah

嘉禄(かろく)

Encounter of mixed blood and God



「松原エレンくん、ようこそ我がチャーチへ」
「…ども」


僕の目の前で行われているその光景を、僕は怠めに見ていた。


「まずはチャーチの案内を…」
「はーいちょっとストップ。
なんで僕呼ばれたの?
いらなくない?案内要員だったら他にもいんじゃん」
「そうですね、神代くんのことを忘れていました。」
「ねえそれ酷くない?」


僕の文句を聞いているのかいないのか、一嶋晴海はさらっと流してきた。


「先程メサイアの説明はしましたね?」
「はい、まあ」
「早速ですが、君にメサイアをつけます。
特例で早いですが、私の独断ということで」
「は?いやいや独断が過ぎるでしょ、こんなもんなの?」


ツッコミを入れている間にあれよあれよと話は進んでいき、正式に松原エレンと僕神代万夜はメサイアを組むことになった。


…今から頭が痛い。
そんな僕の心情を知ってか知らずか、松原エレンは笑顔で僕に手を差し出してきた。


「松原エレン、宜しく!」
「…神代万夜。
案内すればいいんでしょ、着いてきて」


握手は交わさず、僕は溜息をついて係長室を出た。

─騒がしくなりそうだ



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