Messiah
Imaginary story
…眠い、一嶋係長早く来てくれないかしら。
そう思いながら係長室で待っていると、扉が開いて杖をついたその人が姿を見せた。
「…遅いですよ?」
「すみません、少し立て込んでいまして」
「立て込み、ですか…もういいから交代してください」
「分かっていますよ」
…立て込み、なんてどうせまた何か考えてるに決まってる。
ああ考えたくもない。
今度はどんな案件を持ってくるつもりだろう。
そこまで考えて溜息をついたところで、私はふと気になっていたことを思い出して一嶋係長に問いかけてみた。
「…あの、気になっていたことがあるんですけど」
「なんですか?」
「…もし、もしですよ?
伊織くんが完成するのが早まっていたら、その時衛くんが出来ていなかったら…伊織くんのメサイアは違ったかもしれないんですか?
そうだとしたら、誰と組ませるつもりだったんですか?」
全てを質問し終えると、一嶋係長は少し考えてから口を開いた。
「…そうですね、予定としては…」
そこで言葉を切り私にしか聞こえないようにとある人物の名前を耳打ちしてきた。
…え?予定としてはその人も候補にしていた?
「…なるほど、確かにバランスはいいかもしれません。
いいストッパーであり理解者になりそうです」
「そうでしょう?
もう衛がいるので不要なんですがね、彼にも既にメサイアがいますし」
私はそれを聞いて満足して係長室を後にした。
…本人に話すかどうかは、起きたあと考えよう。
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