Messiah

嘉禄(かろく)

Two orders handgun errand


俺は今回亡命希望の南トランの末の王子の保護任務についていた。


『そろそろ到着するはずよ、SPと一緒にね。
亡命するとはいえ王子、いつ襲われてもおかしくないわ。
気を抜かないでね?雛森、結月くん』
「わかってる、そう言ってるうちに来たぞ」
「ヘリでお出ましかー、平凡」


ヘリから王子とSPが下りてくる。
そして俺たちを見るなりSPがこう言った。


「なんだ、たった二人か?
大丈夫なのか?」


藤瀬が要らないことを言いそうだったので、俺が被せて発言した。


「おい…」
「警察庁警備局公安五係だ。
あんた達を保護する」


そこで俺と藤瀬は知らない気配を察知した。
すぐに百瀬にインカムを入れる。


「ちょーっと厄介なことになりそうだ、終わったら連絡する」
『ちょっと!』


そこで通信を切り、藤瀬と共に辺りを伺う。


「…ざっと10ってとこか」
「だな、おいSP。王子を連れて物陰にいろ」
「な、なんだ?」
「わからねーのか、敵さんのお出ましだ」


俺と藤瀬は銃を抜いて構える。
SPが王子と共に下がると銃声が響いた。
俺のすぐ近くにあった金属の手すりに当たる。
銃撃戦に突入すると、一つ違う弾があることに気づいた。


「…スナイパー1人。藤瀬、雑魚はやれるな?」
「ったり前!」
「任せた、俺はスナイパーを殺る」


藤瀬が交戦している中、俺はスナイパーを見据えた。
今にも俺を撃とうと照準を合わせている。


「…気温、風向き、湿度からして…この辺か?」


笑みを浮かべて銃を構え、撃たれる前に撃った。
一発でヒット、スナイパーはやった。
…まあスナイパーの軌道はズレて俺の頬に赤線は入ったが。


「…あの距離を一発で…なんて奴だ…」


SPが驚いたように呟くのを聞きながら俺は藤瀬の補助に入った。


「流石二丁拳銃使い、やるじゃん」
「ったり前だ、さっさと片をつけるぞ」


その後俺達は雑魚をやり、無事保護してチャーチに帰還した。

…ただ、尋に頬の傷を咎められたのは不服だった。



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