NIGHTMARE in Church
Baby bird of the darkness 2
『やーっと手に入れられた、長かったぁー』
僕は何も無い暗闇の中玉座に座って眠る雛森雪に後ろから抱きついて、その頬をすーっと撫でる。
雛森雪は生まれ変わる、悪夢を見せる者として。
今はその段階を踏んでいるところ、眠っているのはその為だ。
『僕なんかよりずーっとずーっと強い、深くて暗い絶望なんて初めてだよ。それを知りながら本当によく堕ちなかったよね、感心するよ。
…今頃チャーチは大騒ぎかな?』
あまりにも暗闇が退屈になったので、僕はチャーチの様子を見るべく目の前に現世の映像を出した。
すると、丁度雛森雪の部屋の扉を誰かがノックして入ってくる。
『…百瀬多々良、か。
本当は前谷尋が来るのが理想的だったんだけど、空気読めないなぁ…』
百瀬多々良が、倒れている雛森雪に気づいて慌てて駆け寄る。
きっと驚くだろう、その体は氷のように冷たくそして息をしていないのだから。
辛うじて脈があるくらいかなぁ?
僕の予想通り、目を瞠った百瀬多々良は慌てて部屋を出ていった。
そして僕の望んだ展開にしてくれた。
『…ふふ、君は僕の手に囚われている雛森雪の心を取り戻せるかな?くく、あっはっはっは!』
「尋ちゃん!」
「百瀬さん?」
─百瀬さんがなにか焦った様子で情報部に飛び込んできて、僕の手を引いて走り出した。
「ちょ、ちょっと?!」
「いいからついてきなさい!」
有無を言わせぬ強い口調に僕は黙らされた。
百瀬さんがこんなに慌てるなんて相当のことがあったんだろうけど、どうして僕…?
その疑問は、部屋に着いてすぐに解消された。
僕のメサイア、雪が力無く座っていることで。
「…雪…?」
触れてみると、酷く冷たかった。
氷なんかより、ずっと。
そっと頬を両手で挟んで顔を持ち上げると、目は閉じられていて血の気がなくいつもより真っ白だった。
「…嫌ですよ、雪…寝た振りなんですよね?起きてくださいよ、僕忙しいんです…明日から任務って雪言ってたじゃないですか、寝てたら行けませんよ…怒られちゃいますよ…?
ねえ、雪…」
百瀬さんがドクターを呼んだりしている中、僕はただ呆然とすることしか出来なかった─
僕は何も無い暗闇の中玉座に座って眠る雛森雪に後ろから抱きついて、その頬をすーっと撫でる。
雛森雪は生まれ変わる、悪夢を見せる者として。
今はその段階を踏んでいるところ、眠っているのはその為だ。
『僕なんかよりずーっとずーっと強い、深くて暗い絶望なんて初めてだよ。それを知りながら本当によく堕ちなかったよね、感心するよ。
…今頃チャーチは大騒ぎかな?』
あまりにも暗闇が退屈になったので、僕はチャーチの様子を見るべく目の前に現世の映像を出した。
すると、丁度雛森雪の部屋の扉を誰かがノックして入ってくる。
『…百瀬多々良、か。
本当は前谷尋が来るのが理想的だったんだけど、空気読めないなぁ…』
百瀬多々良が、倒れている雛森雪に気づいて慌てて駆け寄る。
きっと驚くだろう、その体は氷のように冷たくそして息をしていないのだから。
辛うじて脈があるくらいかなぁ?
僕の予想通り、目を瞠った百瀬多々良は慌てて部屋を出ていった。
そして僕の望んだ展開にしてくれた。
『…ふふ、君は僕の手に囚われている雛森雪の心を取り戻せるかな?くく、あっはっはっは!』
「尋ちゃん!」
「百瀬さん?」
─百瀬さんがなにか焦った様子で情報部に飛び込んできて、僕の手を引いて走り出した。
「ちょ、ちょっと?!」
「いいからついてきなさい!」
有無を言わせぬ強い口調に僕は黙らされた。
百瀬さんがこんなに慌てるなんて相当のことがあったんだろうけど、どうして僕…?
その疑問は、部屋に着いてすぐに解消された。
僕のメサイア、雪が力無く座っていることで。
「…雪…?」
触れてみると、酷く冷たかった。
氷なんかより、ずっと。
そっと頬を両手で挟んで顔を持ち上げると、目は閉じられていて血の気がなくいつもより真っ白だった。
「…嫌ですよ、雪…寝た振りなんですよね?起きてくださいよ、僕忙しいんです…明日から任務って雪言ってたじゃないですか、寝てたら行けませんよ…怒られちゃいますよ…?
ねえ、雪…」
百瀬さんがドクターを呼んだりしている中、僕はただ呆然とすることしか出来なかった─
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