適当過ぎる勇者召喚に巻き込まれ、適当に割り当てられたスキルが《神調整》とかいう、もはやスキルとは呼べない神の力だった物語。

しみずん

12 早々に死にそうです。

 ぐぅぅぅぅ……。

 お腹が空いたのです……。

 冒頭からわざわざ言う必要があるくらい、それはそれはとてつもなく。

 朝は確か食パンを1枚そのまま食べて来たので、充分な量の食事を摂ったと言うわけではないんだけど……。いつもは、大体毎朝そのくらいの量でお昼まで持つんだけど、今日は、今日に限って本当にとてつもなくお腹が空いて仕方がないのです。

 しかも変な事にお腹が空いたのに甘いものが食べたい。ケーキでお腹いっぱいにしたい。

 俺はもともと甘い物が苦手という訳ではないんだけど、わざわざ好んで食べるような事はしない。

 半年に1個ショートケーキを食べるくらいかな。

 そんな俺が腹いっぱいケーキ食べたいとか、ここまで飢えてしまうのは本当に珍しいことで自分の身体でありながら自分の身体ではないような感覚さえするくらいである。

「わっけわかんねえ……体調も良くないし……風邪か? インフルエンザか?」

 全身がだるくて、やる気も起きない、お腹の虫は何を思ったのか腸内を駆けずり回って食料を探している。

 ぐぅぅぅぅ……。

 くそう……せっかく念願の異世界に来たのに体調不良なんてあんまりじゃねえか……。

 本当に……何だ……これ……。



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