ぷかぷか孤島になっちゃった?
第47話 回復薬を作りたい!
「まったく!! やはり気に食わないですね! 薬師ギルドは!」
 シャルルが宿の俺とシャルルの部屋の中で怒っている。そこには半蔵やヤミも居座っていた。
「全くでござるな! 薬草を持ち歩くための袋を出さないなど所詮薬師ギルドでござる」
「・・・臭かった」
 皆ブチ切れじゃないか。そんなに態度悪くなかった気がするんだけど。というか俺達の態度の方が悪かったような。まぁ、それは棚に上げとけ精神なのかな? あとヤミ、臭いは辞めようか。
「臭いものは臭い」
 ・・・意外に辛辣だよなぁ。ヤミって。
「とにかく、今回はご主人様に回復薬を作っていただきます」
 
「はーい」
 ここで逆らったらナイフで一刺しにされそう。
「まずは道具ですね。今回使う道具はこの乳鉢と乳棒です。これでこのヒカリゴケをまず10gすり潰します」
 シャルルはそういうと何も無いところから乳鉢と乳棒、そしてヒカリゴケと下級薬草を取り出し、ヒカリゴケをひとつまみ取って乳鉢ですり潰す。
 するとさっきまでそこら辺で見かける苔と変わらなかったヒカリゴケからなにやら緑色のキラキラと光った液体が染み出してくる。
「この作業を液体にとろみがつくまで続けます。本当は一定のスピードで混ぜた方が良いのですが今回は一瞬で終わらせます」
 ズリリリッという音と共にシャルルの腕が見えないほどの速度で回転する。
「やっぱりシャルル殿は化け物でござ」
「半蔵、あとで路地裏で待ち合わせです」
 半蔵が一気に青ざめる。それを指さして笑うヤミ。
「ぷぷっ、半蔵はおバカ。思っても口に出さなかった私えらい」
「ヤミは半蔵のあとですね」
「ひいっ!」
 ヤミが小さく悲鳴をあげる。俺はそんなこと思いませんよー。精神的な化け物が島には沢山いるもんね。
「ご主人様、続けますよ」
「はい!」
「このように全てが液状になり、ダマなどが残っていない状態になれば完了です。ここに下級薬草を1束の三分の一をちぎって入れます。それを出来るだけ同じ速さですり潰し、色が完全にピンク色になったら完成です。まぁ、今回はさっきと同じように一瞬で終わらせます」
ゴリゴリゴリリ!
「完成です。これを出来るだけ早くこの薬瓶に詰め込みます」
 シャルルが作った回復薬は少し透明で綺麗なピンク色だった。それを牛乳が入ってそうな瓶の中に詰め込みコルクのような栓をする。これで完成らしい。
「おっ、今回は良いものが出来ましたね。あんな適当だったのに何故でしょうか」
「良いものってどのくらいのものが出来たの?」
「そうですね......。千切れた腕が再生する程ではありませんが、指ぐらいなら再生するレベルですかね」
「えっ!? めちゃくちゃ凄いじゃん! 暗殺者ってそんなことも出来るの?」
「いいえ、そこまで得意というわけではありません。今日は運が良かったようです。しかし、確かに凄まじいですね。最下級のものしか使っていないのにこの性能は化け物ですね。
 まぁ商品名的には下級回復薬となりますがね」 
「えっ? 千切れた指治す薬が下級なの!? この世界の医学って凄いな!」
「はぁ、、、無知っていいですね」
 シャルルが溜息をつきながらぽつりとこぼす。
 むっ、今のはカチンと来たぞ! 
「無知に無知と言って何が悪いんですか?」
「ムッ!」
「そんなに無知と言われるのが嫌なら自分でどうにかして調べればいいんじゃないですか?」
 やけに挑発してくるな。地味に腹立つからチート使ってやる!
「やぁってやんよぉ!! 俺にはディアンヌがいるもんねー! ディアンヌーー!」
「はいはい、今度はなんですか?」
 面倒くさそうにしながらディアンヌが現れる。
「薬師ギルドのことについて教えて!」
「はぁ。なんでそんなこと知りたいのか分かりませんが、自分で調べたらいかがですか?」
「えっ!? 教えてくれないの?」
「薬師ギルドのことなんて私に聞かずともそこら辺の露天の回復薬を売っている人に聞けばあることないことでっち上げてくれますよ」
「あのー、ないことでっち上げられても困るんですけど」
「はぁ、分かりました。そこまで言うなら私がどこで聞けばいいか教えてあげますよ。もう夕方ですが、あの店なら空いているでしょう。さぁ行きますよ」
 そういうとディアンヌはすたすたと部屋から出ていく。俺も慌ててディアンヌについて行こうとするがシャルルに止められる。
「ご主人様はポーションを5つ作ってからです」
「あら? まだ作ってなかったんですか。それなら聞きに行くのは明日にしましょうか。では私は島で仕事がありますので明日の朝時にまた帰ってきます。それでは」
 ディアンヌはそういって消えていった。
「じゃあご主人様は回復薬を作っておいて下さい。私はすることが出来ましたので少し外出して来ます。それまでは半蔵、ヤミ。ご主人様をお助けするのですよ」
「「さーいぇっさー!」」
 半蔵とヤミがシャルルに敬礼をする。多分さっきの路地裏宣言が相当こたえたのであろう。
「それでは行ってきます」
 そして部屋には半蔵、ヤミ、俺の3人が残された。
「ねぇ、この中で回復薬作れる人、手上げて」
「「・・・」」
 半蔵もヤミもそっぽを向いてしまった。
 これ大丈夫なの? 作り方は教わったけど俺できるの?
「やるしかないかぁ」
「その意気でござるよ!」
「ルーちゃんと一緒に応援してる」
『ルーっ! 頑張れーっ!』
 半蔵達は腹立つけとルーちゃんに罪はないもんね。ルーちゃん可愛い! ルーちゃんだけが俺の味方だ!
 俺はさっき教わったようにヒカリゴケをひとつまみちぎって乳鉢ですり潰す。しかし、直ぐに異変が起きた。
「あれっ? 10回しか混ぜてないのにピカピカした汁が出ずに全部すり潰しちゃったんだけど」
 俺の乳鉢にはさっきのシャルルの作ったヒカリゴケ汁よりもトロっとした液体が溜まっていた。そこにはもうダマなど残っていなかった。
「お、おかしいでござるな」
「なんか、嫌な予感する」
 ヤミ、奇遇だな。俺もだ。
「ま、まぁ、状態は同じなんだし作業を続けるか!」
「そ、そうでござるな!! シャルル殿も努力した結果なら何も言わないでござるよ!」
「努力は裏切らない」
 そ、そうだよな! シャルルが失敗したぐらいで怒るはずないもんな!
 俺は無理やりそう納得して、シャルルのやってたように下級薬草をちぎり、ヒカリゴケ汁の入った乳鉢に入れ一緒にすり潰していく。
「なぁ、半蔵、ヤミ。どうしよう」
「どうしようもこうしようもないでござる」
「とにかく早く薬瓶にいれる」
 俺は完成した回復薬?を薬瓶に詰めて栓で蓋をした。
「なぁ。俺の記憶が正しかったら回復薬ってピンク1色だったよな?」
「拙者もそんな気がするでござる」
「ヤミも」
「じゃあ同じ作り方をしたこれはなんでグラデーションを醸し出しているんだ?」
 俺が作った回復薬。それは群青色からピンク色へのグラデーションを醸し出していた。
 乳鉢に入っていた時はカラフルだなーと思っていただけだったのだが、薬瓶に入れたら綺麗なグラデーションを表したのだ。
 ちなみに薬草を入れてから3回混ぜただけでこうなった。
「こんな薬見たことないでござる」
「失敗作?」
「・・・かもな」
 俺には製薬のセンスはなかった! 終了!
 と行きたいがシャルルがいかんせん怖すぎる。俺は渋々失敗作の回復薬を5個作った。
「流石にここまでセンスがないと嫌気がさしてくるよね」
「その気持ち分かるでござるよ」
「ヤミは全部だるいからわかんない」
 ヤミがなんか言ってるけど聞かなかったことにしよう。
 その後俺達はシャルルが帰ってくるまで残った材料で遊びまくった。
 まずは半蔵とヤミが普通の作り方で回復薬を作る。結果は二人とも成功。
 次に俺は手順を変えて回復薬を作ってみることにした。まずは薬草をすり潰し、完全な液状にする。そして、そこにヒカリゴケを入れて回復薬を作った。
 すると真っ青な回復薬が完成した。少し舐めてみるとすっごく甘かった。でもスッキリとした酸味もあってまるで青リンゴジュースだった。
 その発見からというもの俺は擬似青リンゴジュースを残った材料全てを使って作った。
 結果出来上がったのは普通の回復薬2本、失敗作5本、擬似青リンゴジュース22本だった。
 なお擬似青リンゴジュースは皆1本ずつ飲んだため、残りは18本だ。あっ、ルーちゃんが3本追加で飲んだから15本か。
「ただいま帰り、、、」
 シャルルが扉を開けて部屋の中を見た瞬間凍りつく。
「あっ、おかえりー」
「おかえりでござる」
「おかえり」
「あ、ああ、あの? ご主人様? 何をなさったのですか?」
 シャルルが指さしたのはルーちゃん。
「あー、ルーちゃんはね。俺が作ったジュース飲ませたら羽が生えて色も緑色になっちゃった」
 俺がそういうとシャルルが口をポカーンと開けたまま虚空を見つめる。
「おーい、シャルルー?」
「あ、あの、ご主人様今なんと言いました?」
「??? 俺の作ったジュースをルーちゃんが飲んだら翼が生えたって言ったよ?」
 あっ! このジュースあの売り文句で売れるじゃん! 翼をさずけーる! ってね! 名前はあの飲み物に対抗してブルーホースって名前にしよう。
「ま、まさかここまでやり遂げるとは、、、」
 あっ、そういやシャルルにまだ相談しなきゃ行けないこと残ってたな。
「ねぇ、シャルル。これなに? 叡智で鑑定しても文字化けして分からないんだけど」
 俺は失敗作の回復薬をシャルルにみせた。
「なっっっ!! はぁ、もう手に負えません。明日ディアンヌさんに聞いてください。ちょっと今日は疲れました、寝かせてください」
 シャルルは本当に疲れたような顔をしている。確かにシャルルに頼りっきりだったもんな。俺に何か出来ることないかな?
 ・・・あっ! そうだ! この翼をさずけるブルーホースをシャルルに飲ませたら元気になるんじゃないか?
「ねぇ、シャルル。甘いもの飲む?」
「あぁ、そう言えばマナ変換が復活したのですね。ありがとうございます。いただきます」
 俺はシャルルにブルーホースを渡す。
「あら? 独特な色をしていますね。それでは、、、あらっ、さっぱりしていて美味しいですね。なんという名前なんでしょうか?」
「ブルーホースって名前だよ」
「ブルーホース、、、聞いたことありませんね。どういう飲み物なんですか?」
「俺が作ったジュースでルーちゃんに翼を生やさせた飲み物だよ!」
 俺がそう言った瞬間シャルルはジュースを吹き出した。
 シャルルが宿の俺とシャルルの部屋の中で怒っている。そこには半蔵やヤミも居座っていた。
「全くでござるな! 薬草を持ち歩くための袋を出さないなど所詮薬師ギルドでござる」
「・・・臭かった」
 皆ブチ切れじゃないか。そんなに態度悪くなかった気がするんだけど。というか俺達の態度の方が悪かったような。まぁ、それは棚に上げとけ精神なのかな? あとヤミ、臭いは辞めようか。
「臭いものは臭い」
 ・・・意外に辛辣だよなぁ。ヤミって。
「とにかく、今回はご主人様に回復薬を作っていただきます」
 
「はーい」
 ここで逆らったらナイフで一刺しにされそう。
「まずは道具ですね。今回使う道具はこの乳鉢と乳棒です。これでこのヒカリゴケをまず10gすり潰します」
 シャルルはそういうと何も無いところから乳鉢と乳棒、そしてヒカリゴケと下級薬草を取り出し、ヒカリゴケをひとつまみ取って乳鉢ですり潰す。
 するとさっきまでそこら辺で見かける苔と変わらなかったヒカリゴケからなにやら緑色のキラキラと光った液体が染み出してくる。
「この作業を液体にとろみがつくまで続けます。本当は一定のスピードで混ぜた方が良いのですが今回は一瞬で終わらせます」
 ズリリリッという音と共にシャルルの腕が見えないほどの速度で回転する。
「やっぱりシャルル殿は化け物でござ」
「半蔵、あとで路地裏で待ち合わせです」
 半蔵が一気に青ざめる。それを指さして笑うヤミ。
「ぷぷっ、半蔵はおバカ。思っても口に出さなかった私えらい」
「ヤミは半蔵のあとですね」
「ひいっ!」
 ヤミが小さく悲鳴をあげる。俺はそんなこと思いませんよー。精神的な化け物が島には沢山いるもんね。
「ご主人様、続けますよ」
「はい!」
「このように全てが液状になり、ダマなどが残っていない状態になれば完了です。ここに下級薬草を1束の三分の一をちぎって入れます。それを出来るだけ同じ速さですり潰し、色が完全にピンク色になったら完成です。まぁ、今回はさっきと同じように一瞬で終わらせます」
ゴリゴリゴリリ!
「完成です。これを出来るだけ早くこの薬瓶に詰め込みます」
 シャルルが作った回復薬は少し透明で綺麗なピンク色だった。それを牛乳が入ってそうな瓶の中に詰め込みコルクのような栓をする。これで完成らしい。
「おっ、今回は良いものが出来ましたね。あんな適当だったのに何故でしょうか」
「良いものってどのくらいのものが出来たの?」
「そうですね......。千切れた腕が再生する程ではありませんが、指ぐらいなら再生するレベルですかね」
「えっ!? めちゃくちゃ凄いじゃん! 暗殺者ってそんなことも出来るの?」
「いいえ、そこまで得意というわけではありません。今日は運が良かったようです。しかし、確かに凄まじいですね。最下級のものしか使っていないのにこの性能は化け物ですね。
 まぁ商品名的には下級回復薬となりますがね」 
「えっ? 千切れた指治す薬が下級なの!? この世界の医学って凄いな!」
「はぁ、、、無知っていいですね」
 シャルルが溜息をつきながらぽつりとこぼす。
 むっ、今のはカチンと来たぞ! 
「無知に無知と言って何が悪いんですか?」
「ムッ!」
「そんなに無知と言われるのが嫌なら自分でどうにかして調べればいいんじゃないですか?」
 やけに挑発してくるな。地味に腹立つからチート使ってやる!
「やぁってやんよぉ!! 俺にはディアンヌがいるもんねー! ディアンヌーー!」
「はいはい、今度はなんですか?」
 面倒くさそうにしながらディアンヌが現れる。
「薬師ギルドのことについて教えて!」
「はぁ。なんでそんなこと知りたいのか分かりませんが、自分で調べたらいかがですか?」
「えっ!? 教えてくれないの?」
「薬師ギルドのことなんて私に聞かずともそこら辺の露天の回復薬を売っている人に聞けばあることないことでっち上げてくれますよ」
「あのー、ないことでっち上げられても困るんですけど」
「はぁ、分かりました。そこまで言うなら私がどこで聞けばいいか教えてあげますよ。もう夕方ですが、あの店なら空いているでしょう。さぁ行きますよ」
 そういうとディアンヌはすたすたと部屋から出ていく。俺も慌ててディアンヌについて行こうとするがシャルルに止められる。
「ご主人様はポーションを5つ作ってからです」
「あら? まだ作ってなかったんですか。それなら聞きに行くのは明日にしましょうか。では私は島で仕事がありますので明日の朝時にまた帰ってきます。それでは」
 ディアンヌはそういって消えていった。
「じゃあご主人様は回復薬を作っておいて下さい。私はすることが出来ましたので少し外出して来ます。それまでは半蔵、ヤミ。ご主人様をお助けするのですよ」
「「さーいぇっさー!」」
 半蔵とヤミがシャルルに敬礼をする。多分さっきの路地裏宣言が相当こたえたのであろう。
「それでは行ってきます」
 そして部屋には半蔵、ヤミ、俺の3人が残された。
「ねぇ、この中で回復薬作れる人、手上げて」
「「・・・」」
 半蔵もヤミもそっぽを向いてしまった。
 これ大丈夫なの? 作り方は教わったけど俺できるの?
「やるしかないかぁ」
「その意気でござるよ!」
「ルーちゃんと一緒に応援してる」
『ルーっ! 頑張れーっ!』
 半蔵達は腹立つけとルーちゃんに罪はないもんね。ルーちゃん可愛い! ルーちゃんだけが俺の味方だ!
 俺はさっき教わったようにヒカリゴケをひとつまみちぎって乳鉢ですり潰す。しかし、直ぐに異変が起きた。
「あれっ? 10回しか混ぜてないのにピカピカした汁が出ずに全部すり潰しちゃったんだけど」
 俺の乳鉢にはさっきのシャルルの作ったヒカリゴケ汁よりもトロっとした液体が溜まっていた。そこにはもうダマなど残っていなかった。
「お、おかしいでござるな」
「なんか、嫌な予感する」
 ヤミ、奇遇だな。俺もだ。
「ま、まぁ、状態は同じなんだし作業を続けるか!」
「そ、そうでござるな!! シャルル殿も努力した結果なら何も言わないでござるよ!」
「努力は裏切らない」
 そ、そうだよな! シャルルが失敗したぐらいで怒るはずないもんな!
 俺は無理やりそう納得して、シャルルのやってたように下級薬草をちぎり、ヒカリゴケ汁の入った乳鉢に入れ一緒にすり潰していく。
「なぁ、半蔵、ヤミ。どうしよう」
「どうしようもこうしようもないでござる」
「とにかく早く薬瓶にいれる」
 俺は完成した回復薬?を薬瓶に詰めて栓で蓋をした。
「なぁ。俺の記憶が正しかったら回復薬ってピンク1色だったよな?」
「拙者もそんな気がするでござる」
「ヤミも」
「じゃあ同じ作り方をしたこれはなんでグラデーションを醸し出しているんだ?」
 俺が作った回復薬。それは群青色からピンク色へのグラデーションを醸し出していた。
 乳鉢に入っていた時はカラフルだなーと思っていただけだったのだが、薬瓶に入れたら綺麗なグラデーションを表したのだ。
 ちなみに薬草を入れてから3回混ぜただけでこうなった。
「こんな薬見たことないでござる」
「失敗作?」
「・・・かもな」
 俺には製薬のセンスはなかった! 終了!
 と行きたいがシャルルがいかんせん怖すぎる。俺は渋々失敗作の回復薬を5個作った。
「流石にここまでセンスがないと嫌気がさしてくるよね」
「その気持ち分かるでござるよ」
「ヤミは全部だるいからわかんない」
 ヤミがなんか言ってるけど聞かなかったことにしよう。
 その後俺達はシャルルが帰ってくるまで残った材料で遊びまくった。
 まずは半蔵とヤミが普通の作り方で回復薬を作る。結果は二人とも成功。
 次に俺は手順を変えて回復薬を作ってみることにした。まずは薬草をすり潰し、完全な液状にする。そして、そこにヒカリゴケを入れて回復薬を作った。
 すると真っ青な回復薬が完成した。少し舐めてみるとすっごく甘かった。でもスッキリとした酸味もあってまるで青リンゴジュースだった。
 その発見からというもの俺は擬似青リンゴジュースを残った材料全てを使って作った。
 結果出来上がったのは普通の回復薬2本、失敗作5本、擬似青リンゴジュース22本だった。
 なお擬似青リンゴジュースは皆1本ずつ飲んだため、残りは18本だ。あっ、ルーちゃんが3本追加で飲んだから15本か。
「ただいま帰り、、、」
 シャルルが扉を開けて部屋の中を見た瞬間凍りつく。
「あっ、おかえりー」
「おかえりでござる」
「おかえり」
「あ、ああ、あの? ご主人様? 何をなさったのですか?」
 シャルルが指さしたのはルーちゃん。
「あー、ルーちゃんはね。俺が作ったジュース飲ませたら羽が生えて色も緑色になっちゃった」
 俺がそういうとシャルルが口をポカーンと開けたまま虚空を見つめる。
「おーい、シャルルー?」
「あ、あの、ご主人様今なんと言いました?」
「??? 俺の作ったジュースをルーちゃんが飲んだら翼が生えたって言ったよ?」
 あっ! このジュースあの売り文句で売れるじゃん! 翼をさずけーる! ってね! 名前はあの飲み物に対抗してブルーホースって名前にしよう。
「ま、まさかここまでやり遂げるとは、、、」
 あっ、そういやシャルルにまだ相談しなきゃ行けないこと残ってたな。
「ねぇ、シャルル。これなに? 叡智で鑑定しても文字化けして分からないんだけど」
 俺は失敗作の回復薬をシャルルにみせた。
「なっっっ!! はぁ、もう手に負えません。明日ディアンヌさんに聞いてください。ちょっと今日は疲れました、寝かせてください」
 シャルルは本当に疲れたような顔をしている。確かにシャルルに頼りっきりだったもんな。俺に何か出来ることないかな?
 ・・・あっ! そうだ! この翼をさずけるブルーホースをシャルルに飲ませたら元気になるんじゃないか?
「ねぇ、シャルル。甘いもの飲む?」
「あぁ、そう言えばマナ変換が復活したのですね。ありがとうございます。いただきます」
 俺はシャルルにブルーホースを渡す。
「あら? 独特な色をしていますね。それでは、、、あらっ、さっぱりしていて美味しいですね。なんという名前なんでしょうか?」
「ブルーホースって名前だよ」
「ブルーホース、、、聞いたことありませんね。どういう飲み物なんですか?」
「俺が作ったジュースでルーちゃんに翼を生やさせた飲み物だよ!」
 俺がそう言った瞬間シャルルはジュースを吹き出した。
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