ぷかぷか孤島になっちゃった?
第30話 ぷかぷか孤島と広がる妖気
 うえぇぇぇ、、、
 やっちまった。二日酔いだぁ。飲みすぎた。昨日のルージュとの晩酌は確かに楽しいものだった。
 俺の前居た世界の話をしたり、この世界の伝説とか神話とかを聞いたりするのはとても楽しく酒も進んだ。
 というか途中からは何話してたかも覚えてないくらいに酔っていた。毒は効かなくても酒には酔うんだね。
 吐き気と頭痛となんかお腹のあたりの違和感に苛まれながら俺は昨日つけておいたラムレーズンを確認する。
 どれもカビずにしっかりと浸かっているみたいだった。なのでラム酒を継ぎ足してもう少しだけ漬けることにする。
 「なんじゃあぁぁぁぁぁ!!!!」
 俺がラムレーズンを見つめてニヤニヤしているとドワーフの叫び声が酒蔵の方から聞こえてきた。俺がそっちに向かうとそこにはリーフィアと仰天しているドワーフ達がいた。
 
 「な、なんでじゃ? なんでワシらに精霊がみえとるんじゃ??」
 ムガルが困惑しきった顔で呟いた。また、リーフィアも結構驚いていた。
 そこにディアンヌが現れた。
 「はぁ、マスター。飲みすぎも行き過ぎたらいけませんよ。これはマスターのせい?おかげ? なんです」
 俺昨日酒飲んで酔ってただけなんだけど?
 「そのせいでこの島に妖石の鉱脈が出来てしまったんですよ」
 「妖石じゃと!!!」
 「あー、なるほどねぇ。それで見えるようになったってわけね」
 なになに? みんな勝手に話進めないで!
 するとディアンヌがやれやれと言ったように顔を横に振った。
 「わけの分かっていないマスターのために説明します。妖石とは鉱物の総称です。この鉱物はある一点において他の鉱物と明確な違いがあります。それはマナではなく、魔力を含んでいるのです。
 その利点は人族にとっては数え切れないほどあります。特に際立って目立つのは魔力の貯蓄効果です。
 妖石はどんな魔力にも即時に対応し、また魔力を取り出すのも容易。そしてマナを含んだ鉱物と同様に魔力を勝手に吸い上げているので半永久的に使えます。また、魔力の貯蓄量もかなりのものです。つまり、少量身につけているだけでも自分の魔力量がぐーーんと伸びるのです。」
 んー、凄い鉱石だってことはわかったけどなんでディアンヌが見えるようになったんだ?
 「それはですね、妖石のとある効果によるものです。妖石は妖素という物質を発しています。
 そして特級精霊は濃い妖素を浴びることで初級妖精への変化し、普通の人にも見えるようになるのです」
 へぇー、なるほど。それでリーフィアが見えるようになったわけなんだな。
 「話はここで終わりではありません。マスター。これが起こった理由は偏にマスターが浴びるようにお酒を飲んだからです。 
 きっと、マスターが酒を飲む度に妖気が増すのでしょう。そんなことを知らずに泥酔するまで酒を飲んだ結果、この島は今えげつない妖気に晒されています。
 高濃度の妖気に害はありませんが利はあります。お酒が美味しくなったり、野菜が美味しくなったり、、、 っていうのは置いといて、1番の利点は、、、はぁ、これ利点なんですかね? どんな精霊でもその成長率を受け継いだまま妖精になります。
 つまりリーフィアは今特級妖精。そんなの今まで聞いたこともありませんし、多分力で言えば神にも匹敵するんじゃないですかね?」
 おっ! つまりちびっ子たちがみんなに見えるようになったんだな! いいことじゃん!
 「マスター、もうすぐ何がありますか?」
 「ん? 宴?」
 「建国記念です」
 「あっ、、、」
 「そんな中、ただでさえ珍しい妖精が何百匹といたらどうなると思います?」
 「・・・」
 やっちまった、、、 
 
 「とにかくマーシーにはちびっ子妖精たちへの教育を施させています。意外に妖精たちは頑張っています。
 さぁて、次はマスターの番ですね?」
 「ひぃい! お助けをー!」
 やべぇ、何させられるか分かったもんじゃねぇぞ、これ!
 「大丈夫です、とって食べたりはしません。
 マスターにやってもらいたいのはダンジョンの探索です。もしかしたら今までの鉱石すべてが妖気に晒されて妖石になっているかも知れません。 そうなればこちらとしては儲けものです。それを囮に他のものを隠せるかも知れません。
 なのでマスターが「無駄に!」作ったダンジョン全てを回ってきて下さい。」
 「全部は無理!!」
 「いいえ! 全てです! なんであんなにダンジョンばっかり作ったんですか!! それにあのダンジョンなんかマスター以外攻略できる人居ませんよ!!」
 そう言ってディアンヌが指さしたのは真っ赤な裂け目。ほかの裂け目は全部黒いのにその裂け目だけ真っ赤である。ちなみにダンジョンには全て番号が振られており、たしか268番まであった気がする。
 「わ、わかったよ! 行ってくるから! そんな睨まないで!!」
 「終わるまでご飯抜きですからね!! もし、私たちに隠れて食べてたら、、、」
 うん、ぜったいに食べないでおこう。こっちは心を読まれるんだ! 騙せるわけがない!
 「すまんが、妖石を多めに採取してきてはくれぬか? さすれば、子供たちのダンジョン攻略もちーとばかし楽になるじゃろうて」
 「わかった、多めに取ってくるよ」
 「おぉ、ありがたい。それではワシらも妖石加工用の道具を作り始めようかの!」
 ムガルはそういうとドワーフ達に指示を飛ばし始める。
 お、おぉ、そこから作るんだ。
 「あ、あと妖気を浴びて生態が変化している魔物もいますので注意してくださいね!」
 うーん、なんだか嫌な予感がするぞ。まぁいいや、取り敢えず体力が残ってるうちに簡単な奴からクリアするか。
 「私も手伝うわよ?」
 そうやって近づいてきたのはリーフィアだった。
 「おう! じゃあ頼むわ!」
 するとリーフィアは少しだけニコッとした顔になった。
 「任せておきなさい!」
 
 「ねぇ、この探索意味あったの? いや、意味はあったのでしょうけど、、、」
 リーフィアが俺に尋ねてくる。俺にも何がなんだかさっぱり分からないでいる。俺は気を紛らわすために横で尻尾を振って着いてきている元フェンリルをなでなでする。
 すると元フェンリルの尻尾はより一層激しく振られる。
 フェンリルはあの赤い裂け目のダンジョンのボスとして設定していたのだ。だが、このザマだ。
 そう、妖気は確かにダンジョンに蔓延していた。その結果取れる鉱石も全て妖石へと移り変わっていたのだ。
 そして魔物たちも妖気にあてられ生態が変化した。その変化というものが俺に対しての絶対的服従、知能の上昇、そして能力向上の3つであった。
 どうしてこうなった?
 俺がダンジョンに入ると魔物たちは全員俺に頭をさげ、道を譲ってくる。
 俺が鉱石を掘ろうとすると魔物たちは全員一緒に鉱石を掘ってくれる。
 また、初めの部屋の魔物の長がその掘った鉱石を抱えてついてくる。いわゆる荷物持ちだ。
 もう一度言おう。なんだこれ?
 喋れる魔物曰く
 「私達は今まではる様のマナを吸って生きておりました。私達は妖気にあてられ知能を身につけ、妖怪になることでようやくそのことに気付くことが出来たのです! これからはハル様のためにこの身を捧げる所存です!!」
 らしい。
 このことをディアンヌに報告すると諦めたようにはははっと笑っていた。そのあと俺の頭にゲンコツが飛んできたのは言うまでもない。
 表向きの作業はルージュが、裏の作業はディアンヌが今までしてきていたらしく、この件で一気にディアンヌの作業が増えたからそれも致し方なしたかしだと思う。
 ちなみに元フェンリルは今あるダンジョンのなかで最強ということでダンジョンから出て、俺の護衛をしているらしい。
 ディアンヌに聞いてみたところ
 「フェンリルが特殊進化を起こして神狼スフィアになっていますね。もう知りません!」
 と言っていた。俺も知りたくなかった。でもスフィアは可愛いのでスーちゃんと名付けることにした。うすーい青の毛を持っているスーちゃんはもっふもふなのでドワーフ幼女たちやちびっ子妖精たちもよく懐いている。
 ちなみに俺のつけていたラムレーズンはディアンヌに献上させられましたとさ。とほほ。
 
 
 
 
 やっちまった。二日酔いだぁ。飲みすぎた。昨日のルージュとの晩酌は確かに楽しいものだった。
 俺の前居た世界の話をしたり、この世界の伝説とか神話とかを聞いたりするのはとても楽しく酒も進んだ。
 というか途中からは何話してたかも覚えてないくらいに酔っていた。毒は効かなくても酒には酔うんだね。
 吐き気と頭痛となんかお腹のあたりの違和感に苛まれながら俺は昨日つけておいたラムレーズンを確認する。
 どれもカビずにしっかりと浸かっているみたいだった。なのでラム酒を継ぎ足してもう少しだけ漬けることにする。
 「なんじゃあぁぁぁぁぁ!!!!」
 俺がラムレーズンを見つめてニヤニヤしているとドワーフの叫び声が酒蔵の方から聞こえてきた。俺がそっちに向かうとそこにはリーフィアと仰天しているドワーフ達がいた。
 
 「な、なんでじゃ? なんでワシらに精霊がみえとるんじゃ??」
 ムガルが困惑しきった顔で呟いた。また、リーフィアも結構驚いていた。
 そこにディアンヌが現れた。
 「はぁ、マスター。飲みすぎも行き過ぎたらいけませんよ。これはマスターのせい?おかげ? なんです」
 俺昨日酒飲んで酔ってただけなんだけど?
 「そのせいでこの島に妖石の鉱脈が出来てしまったんですよ」
 「妖石じゃと!!!」
 「あー、なるほどねぇ。それで見えるようになったってわけね」
 なになに? みんな勝手に話進めないで!
 するとディアンヌがやれやれと言ったように顔を横に振った。
 「わけの分かっていないマスターのために説明します。妖石とは鉱物の総称です。この鉱物はある一点において他の鉱物と明確な違いがあります。それはマナではなく、魔力を含んでいるのです。
 その利点は人族にとっては数え切れないほどあります。特に際立って目立つのは魔力の貯蓄効果です。
 妖石はどんな魔力にも即時に対応し、また魔力を取り出すのも容易。そしてマナを含んだ鉱物と同様に魔力を勝手に吸い上げているので半永久的に使えます。また、魔力の貯蓄量もかなりのものです。つまり、少量身につけているだけでも自分の魔力量がぐーーんと伸びるのです。」
 んー、凄い鉱石だってことはわかったけどなんでディアンヌが見えるようになったんだ?
 「それはですね、妖石のとある効果によるものです。妖石は妖素という物質を発しています。
 そして特級精霊は濃い妖素を浴びることで初級妖精への変化し、普通の人にも見えるようになるのです」
 へぇー、なるほど。それでリーフィアが見えるようになったわけなんだな。
 「話はここで終わりではありません。マスター。これが起こった理由は偏にマスターが浴びるようにお酒を飲んだからです。 
 きっと、マスターが酒を飲む度に妖気が増すのでしょう。そんなことを知らずに泥酔するまで酒を飲んだ結果、この島は今えげつない妖気に晒されています。
 高濃度の妖気に害はありませんが利はあります。お酒が美味しくなったり、野菜が美味しくなったり、、、 っていうのは置いといて、1番の利点は、、、はぁ、これ利点なんですかね? どんな精霊でもその成長率を受け継いだまま妖精になります。
 つまりリーフィアは今特級妖精。そんなの今まで聞いたこともありませんし、多分力で言えば神にも匹敵するんじゃないですかね?」
 おっ! つまりちびっ子たちがみんなに見えるようになったんだな! いいことじゃん!
 「マスター、もうすぐ何がありますか?」
 「ん? 宴?」
 「建国記念です」
 「あっ、、、」
 「そんな中、ただでさえ珍しい妖精が何百匹といたらどうなると思います?」
 「・・・」
 やっちまった、、、 
 
 「とにかくマーシーにはちびっ子妖精たちへの教育を施させています。意外に妖精たちは頑張っています。
 さぁて、次はマスターの番ですね?」
 「ひぃい! お助けをー!」
 やべぇ、何させられるか分かったもんじゃねぇぞ、これ!
 「大丈夫です、とって食べたりはしません。
 マスターにやってもらいたいのはダンジョンの探索です。もしかしたら今までの鉱石すべてが妖気に晒されて妖石になっているかも知れません。 そうなればこちらとしては儲けものです。それを囮に他のものを隠せるかも知れません。
 なのでマスターが「無駄に!」作ったダンジョン全てを回ってきて下さい。」
 「全部は無理!!」
 「いいえ! 全てです! なんであんなにダンジョンばっかり作ったんですか!! それにあのダンジョンなんかマスター以外攻略できる人居ませんよ!!」
 そう言ってディアンヌが指さしたのは真っ赤な裂け目。ほかの裂け目は全部黒いのにその裂け目だけ真っ赤である。ちなみにダンジョンには全て番号が振られており、たしか268番まであった気がする。
 「わ、わかったよ! 行ってくるから! そんな睨まないで!!」
 「終わるまでご飯抜きですからね!! もし、私たちに隠れて食べてたら、、、」
 うん、ぜったいに食べないでおこう。こっちは心を読まれるんだ! 騙せるわけがない!
 「すまんが、妖石を多めに採取してきてはくれぬか? さすれば、子供たちのダンジョン攻略もちーとばかし楽になるじゃろうて」
 「わかった、多めに取ってくるよ」
 「おぉ、ありがたい。それではワシらも妖石加工用の道具を作り始めようかの!」
 ムガルはそういうとドワーフ達に指示を飛ばし始める。
 お、おぉ、そこから作るんだ。
 「あ、あと妖気を浴びて生態が変化している魔物もいますので注意してくださいね!」
 うーん、なんだか嫌な予感がするぞ。まぁいいや、取り敢えず体力が残ってるうちに簡単な奴からクリアするか。
 「私も手伝うわよ?」
 そうやって近づいてきたのはリーフィアだった。
 「おう! じゃあ頼むわ!」
 するとリーフィアは少しだけニコッとした顔になった。
 「任せておきなさい!」
 
 「ねぇ、この探索意味あったの? いや、意味はあったのでしょうけど、、、」
 リーフィアが俺に尋ねてくる。俺にも何がなんだかさっぱり分からないでいる。俺は気を紛らわすために横で尻尾を振って着いてきている元フェンリルをなでなでする。
 すると元フェンリルの尻尾はより一層激しく振られる。
 フェンリルはあの赤い裂け目のダンジョンのボスとして設定していたのだ。だが、このザマだ。
 そう、妖気は確かにダンジョンに蔓延していた。その結果取れる鉱石も全て妖石へと移り変わっていたのだ。
 そして魔物たちも妖気にあてられ生態が変化した。その変化というものが俺に対しての絶対的服従、知能の上昇、そして能力向上の3つであった。
 どうしてこうなった?
 俺がダンジョンに入ると魔物たちは全員俺に頭をさげ、道を譲ってくる。
 俺が鉱石を掘ろうとすると魔物たちは全員一緒に鉱石を掘ってくれる。
 また、初めの部屋の魔物の長がその掘った鉱石を抱えてついてくる。いわゆる荷物持ちだ。
 もう一度言おう。なんだこれ?
 喋れる魔物曰く
 「私達は今まではる様のマナを吸って生きておりました。私達は妖気にあてられ知能を身につけ、妖怪になることでようやくそのことに気付くことが出来たのです! これからはハル様のためにこの身を捧げる所存です!!」
 らしい。
 このことをディアンヌに報告すると諦めたようにはははっと笑っていた。そのあと俺の頭にゲンコツが飛んできたのは言うまでもない。
 表向きの作業はルージュが、裏の作業はディアンヌが今までしてきていたらしく、この件で一気にディアンヌの作業が増えたからそれも致し方なしたかしだと思う。
 ちなみに元フェンリルは今あるダンジョンのなかで最強ということでダンジョンから出て、俺の護衛をしているらしい。
 ディアンヌに聞いてみたところ
 「フェンリルが特殊進化を起こして神狼スフィアになっていますね。もう知りません!」
 と言っていた。俺も知りたくなかった。でもスフィアは可愛いのでスーちゃんと名付けることにした。うすーい青の毛を持っているスーちゃんはもっふもふなのでドワーフ幼女たちやちびっ子妖精たちもよく懐いている。
 ちなみに俺のつけていたラムレーズンはディアンヌに献上させられましたとさ。とほほ。
 
 
 
 
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