ぷかぷか孤島になっちゃった?

睡蓮

第25話 商業神誕生、船も誕生

 「マナ変換めんどくさい。」


 「なんですか? またスキルを神にしようとしてるんですか?」


 ディアンヌがしれーっととんでもないことを口にする。


 「違わい!」


 そう、全く違う。これ以上タダ飯ぐらいが増えたら大変なことになる。ディアンヌはお米炊いたりお酒の作り方のアドバイスとか色々してるからいいんだけど。あっ、お酒で思い出したけどお酢まだなのか? ディアンヌも最近お酒を嗜むようになりお酢への道が1歩1歩遠のいているのだ。まぁ、マナ変換で出せばいいんだけどめんどくさい。


 「今俺のことめんどくさいとか言ったやつが居たような気がするんだが気のせいか?」


 あー、、、不味い。実に不味い。俺がめんどくさいと感じる理由はこれだ。最近マナ変換のレベルが上がったのか俺が気になった商品の紹介を強気な女の人が行ってくれるようになった。


 それはいいのだが、その説明が如何せん長い。野菜盛り合わせを買う時なんて10分以上喋ってる。最後の方にはこんな所に閉じ込められててつまんないだのなんだのという愚痴になってくる。めんどくさい。


 「そんなこと言われたら俺も進化して見返すしかねぇよなぁ!!??」


 「あぁぁぁぁぁ!! やめてぇ! その進化のキーワードってクソスキルって言葉じゃないの? ねぇ!ちょっと!?」


 ピカーン!


 俺の目の前にどこからともなく光が集結してきて女の人の体を作っていく。髪の長さはショートカットで、まだシルエットしか見えてないのに女性だと分かる。出るとこ出てるってことです。


 「よぉ! 初めまして! 俺は商業神マーシーさ。さぁ、お決まりのあれ行っとくか?」


 いつも通り俺はダイビング土下座。からの弱めの極大魔法が俺を襲う。もう慣れた。でも最後は腹パンを決められた。やっぱり腹パン流行ってるよね???


 「羽交い締めしてくれて助かったわ。こいつ意外と意気地無しで逃げ回るからな!」


 「いえいえ、マスターのスキルから生まれた神である以上私達は姉妹ですので! 気にしないでいいですよ!」


 そう言って2人はハイタッチを交わす。


 意気地無して、、、 明らかに害意のある人間がこっちに正拳突きの構えしてきたらそりゃ逃げるでしょ! 当たり前なんだよなぁ。


 お前らが姉妹なんだったら俺は父だ! 敬え! 父に腹パンなんかするな!!


 「父つったって威厳皆無だし。」


 そこにルージュが飛ぶような速さで乱入。


 「そうですね!! ご主人様は威厳どころか可愛くて可愛くて。萌え殺す気ですか!」


 手をこちょこちょしながらこっちに襲いかかってくるルージュ。


 ふっ! 俺だってこの展開は想像済みだ! 隠滅!
あれ? 羽交い締めにされてる? これ逃げれないやつ? あっ、、、


 「もうお婿に行けない……」


 「天丼ですね。」


 「えぇ、スッキリしました!」 
 

 「意外と可愛いじゃねぇか!」


 えぇ、勿論罰を与えようとしましたとも。でもね。俺、マナ変換ないとなんにも出来ませんでした、、、


 「ごめん! ごめん!! だから俺の中に戻ってきて!!」


 「いや、マナ変換自体はお前の中に残り続けてるからな? 勿論俺からも買えるし、俺の方がお前のマナの恩恵を最大限に生かせる。つまり価格も質も上。更にマナで島の拡張すらも行えるんだぜ! でも安心しろ。お前から無理やりマナを奪ったりは出来ねぇし、変換を拒むことも出来ないからな。」


 まぁ、あれだな。変換する時はなるべくマーシーに頼れってこったな。でも良かった。これでまだ島の主としての威厳が保たれるし懲罰も行えるな! うむうむ!


 ってことで予定通り俺のスキルから生まれた神たちのご飯は抜きになりましたとさ!


 いやー、こういう時のディースって生きるね! とっても美味しそうに沢山食べるから飯テロにはピッタリだ。3人の神もヨダレを垂らして下唇をカミカミしてた。
  ディアンヌにとってはランクの上がった野菜を事細かに説明するアイネのレビューが1番効いたようだ。 


 「このきゅうり!ほのかに甘みが感じられます! うわぁ凄い! 何回噛んでも食感が続く!」 


 「おいひい! おいひい!」


 ぐーーーーーーー


 ふっふっふっ! この島の大黒柱を甘く見るとこうなるんだ! 分かったか!


 俺は気分がいいので、次の日俺はディアンヌが撮影した写真をドワーフ達にばらまかれそうになって土下座したのはまた別の話として置いておこう。


 あと、海竜がこの島に住み着いたことで俺達はかなりの利益を得ることが出来た。


 この世界には魔物という魔石を持つ強い動物がいるらしい。海竜はそれを倒して持ってきてくれる。でっかいイカのバケモノであるクラーケンやでっかいウミヘビであるシーサーペントなどを狩ってきてくれる。


 これらの素材を使ってドワーフが作ったものは船だった。あぁ、遂にこの島から出ていってしまうのか。と思っていたがドワーフ達にその気はなかったらしい。


 この船はただ単なる商船で、来る日のために先に作っておいたらしい。1000年は新品同様の働きを出来るって言ってた。燃料には魔石が使われているらしい。詳しいことは説明する方もされる方もめんどくさいということで省かれた。


 この後、有り余る魔物の素材と滾るドワーフ達の船への熱意から軍港が出来ました。そのため、マナを毎日コツコツ払って島の全長を縦横10kmずつにさせられました(半ギレ)


 ディアンヌの指示で前の世界の最新鋭の艦隊とほぼほぼ同じものが揃ってしまった。


 さーて、俺達はどこと戦争するんですかねぇ? ブリクストでも滅ぼすか? いいぞ? 艦載機が乗ってない空母で突撃してやるよゴラァ!


 そうこの艦隊、ハリボテである。全てを魔法で解決してきたこの世界には火薬というものが存在しない。勿論電気なんて雷じゃないの?ってレベルだ。


 だがこの艦隊、この世界ではまさにインビンシブルアルマダ! 


 何故って? ふっふっふ! 聞いて驚くなよ?


 俺のダンジョンで取れたアダマンタイトと呼ばれる鉱石を船にコーティングしてあるため魔法など効かん。更にこの島で取れる鉱石は異様に固く、衝撃にも強い。また、この船を操るのは漁港で働く船を操ることに慣れた精霊。
 なので海上での唯一の攻撃手段の魔法が効かず、半端ない頑丈さを誇るこれらの船の突進は止めることが出来ない。そのくせかなり巨大な魔石を沢山搭載してるので速い! そして、正確な船のコントロール! 


 一方この世界の船は大抵木造。突進を受けてしまえばその名の通り木っ端微塵になる。


 おい! ブリクスト! かかってこいや! あいてになってやるぜぇ!! やるのは精霊たちだけどな!!


 あっ、マジで来た。それもやる気満々じゃん…………

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