ぷかぷか孤島になっちゃった?

睡蓮

ディースののんびり釣りをする(強制)

 私は慈愛の神ディース。またの名を邪神ディースと申します。邪神と呼ばれる理由は恥ずかしいので割愛します。


 私、今物凄くお腹が空いています。今日で断食6日目。なぜなら船の上に食料が一切ないからです。ハルさんは私を漁に送り出す時、食料を積んでいると言っていたのに全く積んでいませんでした。精霊たちに聞けば「あぁ、お前騙されたんだよ。大人しく断食してな。」って言われました。


辛いです。物凄く辛いです! 空腹がこんなに辛いとは!


 そもそもハルさんが悪いんじゃないですか!! 精霊たちにマナをすっからかんにされ続けて私たちのご飯をほっぽり出したまま2日も意識を失っていたんですよ! た、確かに心配ではありましたがご飯を食べれなかったこっちの身にもなってください! でも、確かにやりすぎましたかね。胸が大きいからって牧場にぶち込んでしまったのは。乳搾りしてやろうと思いましたがそれは流石にディアンヌさんに止められました。


 多分私はその報復としてこのような罰を受けているのでしょう。でも! でも! あんまりじゃあないですか!? 食料を得るために釣りをしているのにその釣った魚も釣った途端に精霊たちが凍らせてしまうんです! 「鮮度が落ちる」らしいです。確かに新鮮な方が魚は美味しいですからね。 
 でもですね、私の食べる分位は凍らせないで取っておいてくれたっていいじゃないですか!!


 「太るぞ」


 いいんですぅ! 私は今こんなにスリムですからいいんですぅ! ぺたぺた。
 そもそも悪いのはハルさんの出す料理が美味しすぎるんです。そうです。悪いのはハルさんに違いありません。ほとんど食事が要らない神にこれほどまで空腹を覚えさすような料理は他に知りません。


 はい、私さっきからお腹がすいたすいた言ってますがただ単にハルさんの料理が食べたいだけなんです。多分ここでどれだけ生の魚にかじりついても私の空腹と思わしきものは多分解消されません。私の胃が求めているものはハルさんの料理なのです! だから我慢、我慢です! その代わり帰ったら山盛りご飯を出してもらいます!


 「おい! 竿引いてるぞ! 上げろ!上げろ!」


 精霊たちが隣でわちゃわちゃしてますが私は今食事の妄想を膨らませているんです!後にしてもらっていいですか?


 「はぁ、逃げちまった。あとでハルさんに報告だな。」


 ムフフー! 早くハルさんの料理食べたいですねぇ! 味の濃いガツンとした料理が食べたいです! 


 











 私の罰ももうすぐ終わりに近づいています。そう!今日はやっと漁が終わって島に帰れる日なのです! ふふーん! ってあれ? なんでしょうこの結界? というよりなにかが張り巡らされている空間ですね。それも結構綿密な癖に強固で解くのに結構時間がかかりそうですね。でも、これ解かないとダメな気がするんですよね。もし幻覚とか見せられると帰るのが遅くなりそうですし、 解除しときましょうか。えーい!


 パリーン!


 ふぅ、結構魔力使っちゃいましたね。それにしても誰がこんな協力なスキル使ったんでしょうか? あの島でこんな空間作り出せる人なんてハルさんしか居ないですしね!


 「おいひい! おいひい! おいひいです!!」


 もぐもぐ! もぐもぐ! やっぱりハルさんのご飯は最高です! 美味しすぎます! 太っちゃいますー!


 「ディース!! お前人の罠破壊して、漁にいってもほとんど釣果なしの癖に食いすぎだろ!! お前飯もタダじゃねぇんだぞ!」


 「おいひい!おいひい!」


 「これは、、、ダメみたいですね。諦めましょうご主人様。」


 「マスター、ディースさんはいつもこうだったでしょう?」


 「いや! 知らねぇよ! 俺こんなディース見たことねぇよ! 記憶の改ざんしようとすんじゃねぇ!」


 「おいひい!おいひい!」


 私は今とーっても幸せです!
 




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