野球

こた

県大会予選終

最終回の攻撃は7番からという打順。簡単に2人打ち取られ、あと1人というところで監督が「はやと代打いくぞ!」
はやと「はい」
とは言ったものの、自分が最後の打者になったらどうしよという不安な思いがあった。
そして打席に入る。
心臓がいつもより早く感じる。ドクンドクン。
ピッチャー振りかぶって1球目を投げた。
はやと「あまい、いける!」
バットに当たらない。球が全く見えていなかった。
監督「悔いが残るスイングだけはするな!三振するなら思いっきり振ってこい!」
この言葉がはやとを変えた。
ピッチャー2球目なげた。
はやと「いける!」
カキーン。打球はレフト後方にあがる。
はやと「よっしゃー!」
ホームランを確信した。
だが、レフトはグローブをあげている。
はやとは走りながら何してんだろ?とおもった。
審判「アウト!」
はやとは何が起きたか分からなかった。
なんと今日は風が強く、風でボールが押し戻されたのだ。






〜ミーティング〜
監督「まだ、大会はある。切り替えよ」
それ以外かける言葉がなかった。
はやとが入団する前のチームでは地区予選の2回戦で負けるなんてことは1度もなく、監督でさえ切り替えれていけなかったのである。
はやとはその言葉を聞き、ようやく負けたことを実感した。その瞬間涙がでてきた。
はやと「すいません。すいません。」
自分のせいで負けたという気持ちで1杯だった。実際は、はやとが最後のアウトになっただけで、はやとだけが悪いだけではないのに…
その後の1週間、1度も欠かしたことがなかった、自主練を初めて怠ったのだ。

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