神が遊んだ不完全な世界

田所舎人

女剣士と大男

 圭介はまだふらふらする足を意地で動かしながら屋敷へと向かう。凛はそんな圭介の後を追従しながら屋敷の全貌を見渡す。三階建てのシンメトリー構造。凛の目から見ればフランの屋敷は若草家の屋敷の倍以上の広さを持っていると目算した。
「圭介、まずはどこから探すんですか?」
「とにかく、研究所を目指す。地下にあるってユニさんは行ってたからどうにか階段を探すぞ。屋外と違って屋内で床に穴なんて開けちまったら下手したら家屋が倒壊しちまって大変なことになるからな」
「分かりました」
 圭介が扉の前に立つと鋭い前蹴りを放ち、両開きの扉は金具や鍵を破片となりそこら辺に散らばり、重厚な扉は大きく凹み、轟音を響かせた。正面には登り階段と東西に伸びる廊下があった。
「少し体調が悪いから、手早く行こう」
「分かりました」
 凛は圭介の思考回路が全く分からなかった。日頃は大人しく、裏でコソコソやるかと思えば、体調が悪いからと小細工も策もなく堂々と敵陣に踏み入る精神が。
「俺はこっちを探るから凛はそっちを頼む。階段が見つかったらこれを使ってくれ。このボタンを押せば通話ができるから」
「なんですか? これは」
 平仮名の【し】のような形状をした管のようなものを圭介が凛に手渡す。
「ここを耳に当てて、この先端が口元に来るように装着して、耳のところのボタンを押せばこれに繋がるから」
 そういって圭介は携帯を取り出す。
「……分かりました。階段を見つければ、このボタンを押せばいいんですね」
「ああ、よろしくたのんだ」
 そういって圭介は東側、凛は西側を探索し始めた。






☆野村圭介


 圭介は体の不調が尾を引いていた。魔眼が使えず、還元が使えず、身体強化も思うように使えない。
「弱ったなぁ……」
 しかしながら、体内に残存する魔素だけを見れば並みの魔術師の数十倍から数百倍の量を保有している。それだけを鑑みれば数十人の魔術師が行うような大規模魔術を一人で再現することが可能とも言える。しかし、今の圭介には大規模な魔術を行使する力はなく、小規模な魔術をなんとか使えるといった様体。試してみれば、小さな氷を作ったり、溶かしたり、十夜の刀身を伸ばしたり縮めたりと簡単なことしかできなくなっていた。
 そして、凛の前だからこそ何事もなく振舞っていたが、恐怖心が圭介の心奥で燻っていた。それは手足の先からゆっくりと冷やし、全感を麻痺させ、最後には心臓さえも凍結させるような、毒となるかもしれなかった。
「アカン……これはアカン……」
 足音を殺して、息を殺して、気配を殺す。そのくせ独り言を言って自分を落ち着けようとする。
 廊下の突き当りまでやってくると木造の豪奢な装いをした螺旋階段が二階へと続いていた。階段は地下に続いていないため、圭介はハズレだと思った。圭介が踵を返そうとすると、勢い良く開く扉の音が断続的に廊下に響いてきた。
 ビクンと圭介は肩を震わせ、振り向くと数十体の人間が扉から続々と溢れ出た。一人一人が静かに歩をすすめる。足を引きずる音が廊下に響くが、不思議と静かに感じた。数十体といった人数がそこに存在するのに不思議と静かな気がした。足音はするのに、息遣いがせず、視線は圭介に集中するのに、その視線には意識がない。
「ハ、ハロー……」
 圭介が挨拶をすると先頭の一人が立ち止まりただ一言「moeɾo」と発音すると圭介の周囲が炎環に包まれた。それは魔術による燃焼、煙と熱が圭介の足元からじわりじわりと這うように迫る。
 咄嗟に跳躍し火の手から逃れるが、迫っていた炎が圭介の後を追うように追尾する。それはあたかも蛇が獲物を捕らえるように口を開け牙を向けるようだった。
「この野郎!」
 十夜を構え、天井を足場にして迫り来る炎蛇の横っ面を恐怖心を振り払うように殴る。十夜は炎蛇の頭部を破砕し、粘度の高い何かがべちゃべちゃと不快な音を放ちながら地面へ壁へ天井へと張り付き、それでもまだ燃え続けていた。頭部を失った蛇は尻尾を振って圭介を狙う。
「kooɾe!」
 圭介が力を込め、魔術を行使するも拳程度の氷解は一瞬にして蒸発し炎を纏った尻尾が一瞬露出しただけだった。
圭介の目に映ったそれは油のような液体だった。
「十夜!」
 己の持つ魔剣に呼びかけ、十夜は応えるようにその質量を増し、刀身を伸ばし、刃を形取る。一閃。炎蛇の露出した尻尾はその場にストンと落ち、切断面は鏡面のように綺麗なものだった。
 頭部と尻尾を失った炎蛇はそれでもばたばたと暴れ、どちらが頭か尻尾か分からないただの管のようだった。
「危なかった」
 炎蛇に襲われた緊張から深く溜息を一つ。そして襲ってきた魔術師を一睨みするも、その眼球には何が写っているのかも分からない。しかし、よくよく見るとその魔術師の足元には細い管のようなものが落ちていた。それはあたかも炎蛇と連動するようにのたうちまわっていた。
「それがあの蛇の核ってわけかい」
 その一言を契機に先頭に立つ男は膝から崩れ落ち、一切動かなくなる。そして、その後からまた次の魔術師が現れる。そいつもまた同様の蛇の魔具おもちゃを持っていた。
「全員が魔術師となると手間だな……」
 このとき、圭介の脳裏には一つの直感があった。テイラーは生きた人間を魔具としようとした。しかし、生きたままの人間を魔具とするのは難しい。となれば、死んだ人間を魔具として再利用すればいい。魔具を使う魔具。死んだ人間の構成そのものを入れ替え、組み換え、再構築する。目の前にいる存在は生きた屍でもゾンビでもない。ただの人体模型と変わりない存在となっていた。構成されている物質がプラスチックか生肉かの違い。
「…………」
 人体模型に話しかける悲しい趣味はない。そこにあるのはただの二本の肉で歩く大きな肉だ。肉ならば捌かなければいけない。
「十夜」
 そう小さく呟く。すると十夜の柄から金属製の刃が露出する。刀身は柄に、柄は刀身となる。それは長巻のように柄が長く、その柄と同じぐらいに刀身が長い。
 十夜を一凪する。質量を増した十夜が孤を描けば、五人の両足が両断される。しかし、血は流れない。五人はその場に崩れ落ち、それでも視線は圭介に向けたまま。痛覚や感情を失い、ただ命令に従うロボットといった風体だ。
 倒れた人形の後から虚ろな足取りで前へと歩み出る人形もまた赤い蛇を模した魔具おもちゃを持っていた。
「いいぜ。そこまで刻まれたいならパック詰めにしてやるよ」
 長巻となった十夜を自在に扱い、足首・膝・股・首・肩・首・肘・腕を断ち切り十四分割した肉片が転がる。それでも動揺の色が一切見えない。こんなとき、広範囲を巻き込める魔術があればと思わずにはいられない圭介。肉片の傍に落ちた魔具を踏み壊し十夜を構える。






☆氷川凛
 凛は西側の廊下を突き進む。一つ一つの扉を開き、確認し、次の部屋を調べる。しかし、どこにも下へと向かう階段はない。廊下の端までたどり着くと二階へと向かう階段がある。もしかすると地下へと行くためは一度、階上へと向かう必要があるかもしれないという直感から階段を昇る。
 微かな金属音が聞こえた。すかさず雪丸を引き抜き、疾走する。金属音は断続的に廊下に響き渡り、一つの部屋の中が音源であることが分かる。扉は開いており、中を伺うと薄暗い室内で一人の大男とユズルが室内で殺し合っていた。大男は素手、ユズルは大小の双刀で相手の息の根を止めようと殺意を持って一閃一打の攻防を繰り広げていた。
 ユズルが右手に持つ大刀で大男に斬りかかるが、大男は左腕で大刀を正面から受け止める。左腕は受け流すことも避けることもなく真正面から受け止め、それでもなを大刀を受け止めていた。
 大男は左腕を振り払い、ユズルは大刀を握る右腕が上がってしまい、上体が後に逸れる。そこを大男が重くも鋭い下段蹴りを放つ。ユズルは蹴りを避けようと無理矢理左足だけで真後ろに回避を試み、壁に激突する。
 大男は無理に距離を詰めることなく、扉の外から自身を見つめる視線に気付き凛を見つめる。そのとき、凛には目の前にいる存在が朧に感じられた。
「…………」
 無言で凛の姿を頭から足の先までじっくりと見つめる。
「ユズル。助太刀は必要ですか?」
 視線は大男から離さぬまま、ユズルに問いかける。
「ああ、俺一人の手には余るよう、手伝ってくれると助かる」
 双剣を構え直し、大男に目を据える。
「気をつけろ。そいつの身体、普通とは何か違う」
「分かりました」
 返事をしながら凛は雪丸を脇に構える。大男の腕の長さは雪丸と比較して一メートル程。どう鍛えたのか想像できない腕の太さ。髪はなく、灰色の瞳を持ち、首は短いというより無い。胸板は厚く胴は引き締まっており、足は巨体を支えるために太く大きい。そして全裸である。
「ユズル。彼は何故裸なんですか?」
「こいつ、この部屋で見た時から裸たった。理由は……分からん」
 凛が珍しく動揺の表情を浮かべる。目の前の大男は太く大きかった。
「この人がテイラーということはないんですか?」
「違う。テイラーは痩身の男。この大男は性別以外全部違う」
 凛とユズルは大男と間合いを取りながら話し合う。
「分かりました。まずは私から仕掛けます」
 縮地歩法・桜によって零呼吸で距離を詰め、右から切り上げるが大男は見た目に反して巨体の重さを感じさせない滑らかな動きで余裕を持って躱す。更に返す刀で首を狩るように薙ぐが、届かない。空を斬る刀の軌跡は氷晶によってキラキラと輝く。
「こいつ……」
 大男は明らかに雪丸の刀身に纏う冷気に警戒をしている。それが直感によるものなのか理性によるものなのか分からないが、戦闘における実力は並みではない。
 次に仕掛けたのは大男だった。右足を大きく踏み込みながら腰を大きく捻り右腕を前に突き出した。
「ッ!?」
 咄嗟の出来事だった。自身の目測は正しかったと凛は信じた。そして実際にそうだった。しかし、三メートル離れた距離から大男は凛の残像を穿った。凛の持つ優れた魔覚と経験が無ければ顎は砕かれ喉は潰れ、良くて気絶。悪ければそのまま命を落とすところだった。
 その脇をユズルが駆け抜け、大男の伸びきった右腕に斬りかかる。大刀によって右手首は刎ね飛ばされた。
そして、空中を舞う右手は血を流すことなく地面に落ち溶けた。
「……なるほど」
 凛の感覚が告げる。あの巨体は実体ではない。しかし、人形でもない。
 凛は左手で髪を一本抜き取り、雪丸の刀身を撫でる。髪の毛は雪丸の表面に張り付き凍り、雪丸を正眼に構える。
「çoɯseʦɯ(氷雪)」
 一単語による詠唱の後、鋒から氷の矢が放たれた。大男は咄嗟に左腕で顔を庇い氷の矢は左腕に刺さる。矢傷は凍り付き氷は徐々に体内を侵食する。
「切り落とさないと心臓まで辿り付きますよ」
 凛は冷たく言い放つ。大男の灰色の瞳は動揺の色を浮かべ、切断された右手首から鋭い爪を持った新しい右手が生え、自らの左手を肘から切断した。
「氷川。今のは?」
 ユズルが凛に背を向けたまま尋ねる。
「血の通わない腕。人間離れした人体構造。人並み以上の体術。おそらく増身術です」
 増身術。自身の肉体を疑似的な肉体で覆う術。文字通り肉の鎧。
「……増身術! でも、増身術を行使したままこんなに動けるはずがない!?」
 疑似的な肉体を動かすことは自身の肉体を動かす事とは訳が違う。運動神経や感覚神経を再現し、本来の神経とを結合させる必要がある。更には人間離れした伸縮性を持つ腕。人体構造を逸脱しすぎれば増身術の難易度は跳ね上がる。
「分かりません。しかし、素手で大刀を受け止め、伸び、血が出ないカラクリは分かりました。そして何故、裸なのかも」
 左腕を肘から失った大男は無言のまま二人を睨みつけながら屹立していた。裸で。
「退くなら見逃しましょう。私達の目的はあくまでもテイラーを捕らえること。選びなさい。退くか、死ぬか」
 凛は扉を雪丸で指し、退室を促す。
 大男は走り部屋を出る。その直後にガラスの割れる音がした。きっと大男が階段を使わずに飛び降りたのだろう。
 凛は大男が遠く離れたことを確認すると雪丸を鞘に収める。
「ユズル。大丈夫ですか?」
 服の上からは詳しくは視認できないが、打撲の痕があちこちにあった。
「ああ、大丈夫。少し薬を服用すれば回復する」
 そういってユズルは粉末状の薬を口に入れ、水で飲み下す。
「分かりました。そういえば、あなたはここで何をしていたんですか?」
「俺の目的はもちろんテイラーを捕まえること。そのために色々な情報を集めていた。そのときに人間と犬類の混血種と接触する機会があって、薬の臭いがする奇妙な人物に心当たりがあると聞いて、情報を紡ぐうちにそれがフランと繋がった。それが俺がここにいる理由。君がここにいる理由」
「そして、彼と遭遇したと」
「そうだ」
「分かりました。ここに何かあるのかもしれません。探してみましょう」
「そうだな。ところで、野村は来てないのか?」
「地下に向かう階段が見つかったら連絡する予定です。圭介も別の場所で地下への道を探している頃でしょう。それよりも、ここは暗い。何か明かりになるものはありませんか?」
「ああ、あるぞ」
 ユズルは袋から何かを取り出した。それは周囲を徐々に明るくし、光を頼りに部屋を探索した。部屋は争いのため調度品が散乱し、絨毯はボロボロになり、壁は大男が穿った穴やユズルが斬りつけた痕が残っていた。しかし、どこにも階段はなかった。凛がないと判断した時。
「氷川、この床外せるみたいだ」
 そうおユズルが部屋の一角を指差した。そこは埃が不自然に薄い直線があった。
「さっきの大男がここを出入りしたんだろ。氷川、そこを持ってくれ」
 ユズルが床の不自然な部分に破損した調度品の一部を突き立てて梃子の原理で持ち上げ、それを氷川が持ち上げる。その下を覗けば階段が下に伸びていた。凛はそれを視認すると通信装置を耳に装着し、ボタンを押す。
 TRRRRR…TRRRRR…TRRRRR…
 凛の耳元には聞いたことがないような音が断続的に鳴り響く。そして、その音は数回鳴ると止まってしまった。
「?」
 凛はてっきり圭介が応答してくれるものだと思ったが、初めて扱う通信魔具の正しい性能は分からなかったが、これできっと圭介に伝わったのだろうと結論づけた。
「では、私達は先に向かいましょう。扉を開いたままにしておけば、きっと分かるでしょう」
 そう言って、凛は階段に足をかけた。


☆野村圭介
 圭介の立つ廊下は肉の絨毯によって敷き詰められ、焦げた人間の臭いで満ち、圭介の嗅覚は麻痺していた。現れた肉人形を丁寧に分割していくうちに自分が何のためにここに来たのかも考えが及ばなくなった頃、ガラスが割れる音がした。そして、圭介が音源を探るために視線をあちこちに向けると外に大きな人影が現れた。
「新手か!」
 咄嗟にガラスを十夜で割り、外へと身を投げ出す。
 巨大な人影は徐々に小さくなり、小さな影となった。
「なんなのアイツら! 私が先客なのに乱入してきて! 何様のつもりよ!」
 地団駄を踏む影は幼い少女のような声を擦れた性格で放っていた。圭介はそこで足を一度止め、遠巻きに眺めていた。何かを叫んでいるようだが聞き取れない。
 先程一方的に破壊していた肉人形とは違い、感情を剥き出しにして方向をしている姿はどう見ても人間のそれだった。そして、テイラーという人物の特徴とは異なることから噂に聞くフランではないかと考えた。
 運が悪いことに月は雲に隠れ輪郭しかわからず、どのような顔なのかまでは分からなかった。
 圭介は乱れた呼吸を正し、こっそりと接近を試みる。
「連戦じゃなかったらあんな金髪女なんて速攻で殺してやるのに」
 物騒な言葉が圭介の耳まで届く。金髪女が凛のことを指していることは直感だけで断定した。更に接近を試みると違和感を感じていた。少なからず風は吹き、目の前の少女の髪も舞っているにもかかわらず身につけた衣類ははためかない。ただし、何かを胸に抱えていた。
「それにしてもあいつら、なんのためにここにやってきたんだ……」
 それ以降は独り言を続けなくなった。そして、真後ろから羽交い絞めにする。
「な!? なんだ!? 金髪か!? それともあの茶髪か!? クソッ逃がすってのはウソだったのかよ!」
 バタバタと暴れる少女を押し倒し、身動きを取れないように俯せのまま組み倒す。
「ちくしょう! なんだってんだよ!」
「黙れ」
 頭突きを打てないように黒い髪が生えた後頭部を鷲掴みにしたまま耳元で囁く。それで自身が完全に生殺与奪権を握られたことを理解したのか悔しそうな呻き声を上げ黙る。
圭介は十夜で蔓を生み出しロープ代わりに腕と足と首を縛り上げる。そのとき初めて気づいた。少女は全裸だった。褐色の肌を持った一糸纏わぬ生まれたままの姿だった。恥部こそ見えていないものの、傍から見れば犯罪者で有り、当事者から見ても犯罪者であり、もちろん被害者から見ても犯罪者である。
「……」
 圭介は自身の行ったことの拙さを理性で理解した。
「……目を閉じろ。いいと言うまで目を開くな」
 そういうと少女は素直に従う。そんな少女を脇に抱える。
「少しでもおかしなことをすれば、首を締める」
「……」
 無言のまま何も言わない。少女を携帯しながら、屋敷へと向かう。人間の焼け焦げた臭いがすることに少女は気づいた。そして、それが自身の運命なのかと直感する。
「そこでじっとしていろ」
 少女にはその一言が首を刈られる死刑囚の気持ちだった。耳に届く音は衣が裂かれる音や何者かも分からない者の鼻息や足音。鼻にはは焼け焦げた肉の臭いと外から流れ入る風の臭いだけ。
 少女が死を間近に感じている頃、圭介は裁縫をしていた。バラバラの肉片の中から使えそうな布を掻き集め、どうにかこうにか身を覆い隠せる程度の大布を作り、少女の身体を覆う。
 ビクン。と肩が震えた。焼けた臭いがする何かが少女を包んだからだ。
「よし、目を開けていいぞ」
 圭介が声をかけると少女はゆっくりと目を開く。すると目の前には
「よ」
 狐がいた。



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