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神が遊んだ不完全な世界

田所舎人

主人公(仮)と幼女

―――俺は武器屋のある市場街からギルドに向かってる。しかし、ギルドに行ってキリスさんに会っても、魔具の説明を受けるため市場街の魔具ショップを訪れる。そうだとしたら、1を選んでも2を選んでも両方とも武器屋に行けたのでは?そんな考えもあったが、それらは無用な考えだった。なぜなら―――


「よし、圭介君。魔具を見に職人街にいくぞ」


この一言で俺は今、キリスさんと一緒に職人街に向かってる。知的な顔して、行動するまでが早い。意外な気もする。


「今から向かうのは、『ルゥの魔具工房』というところだ。店名通りルゥという少し変わった女性が店をやっている」


  とのこと、


「ルゥさんというのはどんな人ですか?」
  俺の問いに対して彼は、
「一般人にとっては無害な人だよ」
  

  一般人に『は』ってのが不安だ。


  しばらく歩いていると、市場街とはまた違った景色や様子、活気がある。金属的なところでは鍛治、怪しいところは魔具、臭いがきついところはポーションか?


  そんな職人街の一角にこれまたキチガイじみた店がある。


  ゴスロリファンシー系の家主のセンスが遺憾無く発揮されたであろうソレは、一種の結界のような、見るものを後退させる何かが放たれていた。


「さぁ、ここが『ルゥの魔具工房』です」
  といって、ゴスロリ屋敷の隣の店に入った。


「っ、すいません!」
  俺は思わずキリスさんに声をかけた。


「なんでしょう」
  キリスさんは微笑を浮かべてコチラの言葉を待った。


「こっちのとってもメンヘラな店はなんですか?」


「ああ、こちらのメルヘンなものは店じゃなくて、家ですよ。ルゥさんの」




―――あー、いたよ。そんな濃いキャラの人…。ギャルゲにたまにいるんだよなぁ。


  あの手のキャラは苦手なんだよなー…。


  ギャルゲの主人公の根気強さには頭が下がるよホント。


  店に入ると突っ伏した小さな女の子がいた。


―――あー、ロリキャラか…。大好物です。


「こんにちわ、ルゥさん」
  いつもの微笑を浮かべて女の子に話しかける。


「…んー、どちら様ですか~。ルゥは眠いので、明日また来てください~…」


  天然系我が儘ロリか?


「ルゥさん、僕ですよキリスです」


「キー君!?」


  ガバッ!と起き上がるルゥちゃん、キリスさんがさんづけで呼ぶんならキリスさんより歳上の可能性もある。ロリBBAか?


「今日はどうしたの!?」


「今日は彼に魔具について詳しく教えるために魔具を貸して欲しいんだけど。いいかな?」


「もちろんだよ!」


  彼女は手をパタパタさせて、喜んでるようだ。


「彼、何者なの」
  





―――突然、鋭い刃物を背中に突きつけられた錯覚を受けた。






(え、いまどこから…)


  その声は彼女の口元から聞こえた、が。あまりにも、声の質が違う。


「あー、圭介君気に入られちゃったね」


  キリスさんは苦笑しながら声をかけてくれる。


「え、あ、の、え、…」


  俺はしどろもどろになって答えられない。


「彼は郊外で迷ってたらしくてね。今はユニリアの家に住まわせてもらってるんだ」


  キリスさんが簡単にかいつまんでくれた。


「へぇ~、あの子がね…」


  ユニさんをあの子呼ばわりなんで、歳上確定。


「それでそれでぇ~、どんな魔具が必要なのかな~」


再び幼い調子に戻るルゥさん。セリフの端々に♪がついてそうだ。


「取り扱いやすいもの、それから規模が小さいものをお願いできますか?」


  ロリ娘はカウンターから降りるとぺたぺたと走って店の奥に引っ込む。


「キリスさん、ルゥさんって何歳なんですか?」


  俺は当然の疑問を聞いた。


「そうですね、僕が新人の頃から付き合ってはいますが、あの頃から変わっていないように思います。意味が分かりますか?」


  つまり、年齢不詳と。


  ルゥさんは箱一杯のガラクタを持ってきた。


「はい、キー君、要望にかなうものは持って来たよ~」


  彼女は箱をカウンターに置くと箱に手を突っ込み、ガサゴソとしている。


(見た目だけならおもちゃ箱に手を突っ込む少女なんだけどなぁ)


  彼女はガラクタから装飾品と思うそれらを並べる。
「とりあえず、これでどうかなぁ?火と水と砂と風の魔具をそれぞれ選んでみたんだけど」


  それらは指輪やネックレス、髪留め、ピアス、腕輪等様々だった。


「じゃあ、これを借りますね」
  キリスさんはその中から一つ指輪を手にとる。


「圭介くん。これに魔素を注いでくれ」
  

  俺は昨日と同じように指輪辺りに気を向け、魔素を送るイメージをする。


―――ボッ!


  指輪からライターの火力を全開にした程度の


―――照らさない光りを纏った火が出た。


「うん、魔素の流し方は大丈夫だね。ルゥさん、この魔具は魔素に比例しますか?


「それは違うよ~、キー君。だれが魔素を流してもそれだけの効果しかありませんよぉ」


  

  彼女達にこの光のことを話すか?選択としては、


1.正直に打ち明ける


2.黙っておく


  この二つだ。打ち明けた結果、キリスさんはなんとなくだが力になってくれそうだ。ルゥさんはわからないが…
  黙っておく場合、ゲームならCGを回収できなかったり、イベントが起こらない気がする…。その分、秘密を知ってる人が減る。


  俺は―――


「そういえば、ユニリアから聞いたよ。君、魔術を魔素に還元できるらしいね」


 (…俺の思考時間を返してくれ)


「なんだ?魔術の還元とは」
  冷ロリがでてきた。


「ユニリアから聞いたんだけど、彼は魔術で発生させた水を魔素に分解しちゃったらしいんだ」


「ほう」


  さらっと説明するキリスさん。それだけロリ娘は信用に値するのか?


「それを実際に見せてくれないか」


  冷ロリ娘は鋭い目付きをこちらに向け、視線で俺を貫いた。


「あ、はい」
 目の前の火を見つめる。火にも照らさない光が見えるため、おそらく触れればできるんだろう。ただし、火傷しないという保証はどこにもない。


「早くしないか」
 冷ロリが急かす。






 俺は意を決して光に触れた。






―――シュッ…


 俺は忘れていた。


 魔人化の話を。






 何かが体内に取り込まれる感覚。活力の大元。熱を帯びた体が熱い。






―――しかし、昨日ほどの過剰な感情の高ぶりは感じなかった。


「おい、火を消せとは言っていない。魔術を還元しろと言ったんだ」


 冷ロリが咎めるように言う。


「今、しましたけど…」


「ん、火を還元したのか」


 冷ロリは訝しむように俺の顔をジロジロと見てきた。


「嘘じゃない様子だが、もっと分かりやすいものを還元しろ」


 ぷいっと顔をそむける。キリスさんは納得したような満足したような顔をして一人で頷いていた。


「水を還元したら、わかりやすいですか?」


 昨日も還元したから、できるだろう。もし俺が魔人化してもこの二人なら止めてくれそうだし。それに、昨日よりも余裕みたいなものを感じる。


「そうか、なら少し待ってろ」


 ルゥさんはカウンターに置いてある腕輪を身に着け、店内に置かれたコップを一つ手に取り、水を生み出す。


 しかし、昨日ほどの輝きはなく淡い照らさない光が見えるだけだ。


 俺が使った魔術だと光が強く、ロリ子さんの魔術だと光が淡い。


 つまり、自分の魔術だから還元しやすいということか?


「じゃあ、失礼します」


 俺はコップへと手を伸ばし、水に触れる。


―――圧倒的魔素の本流。


 活力が溢れ、体内から外に出ようとする魔素を無理やり押しとどめている。


 自分の意思に関係なく、貪欲に飲み込もうとする。そして俺は、


―――意識を手放した。














―――閉幕―――








―――幕間―――


「ご愛読ありがとうございます!!このたび、第11話という話を鑑賞している間にPV数が300を超えていました!私はとてもうれしいです!!)そのため、時期尚早ではございますが!頑張っている圭介君のために何かプレゼントをあげようかと思いました!その品というのが、コチラ!『一枚の紙』です。この紙はただの紙ではございません!一度きりですが、自分が願う人物の元へ届く魔法の手紙なのです!圭介君は突然、誰かさんの手によって急に異世界に飛ばされてしまいました!なので!!一通の手紙を送らせてあげようではないかという私の粋な計らい!なんと優しい!これも皆様のご愛読のおかげです!!今後ともご贔屓にどうぞ一つよろしくお願いします!!」






―――開幕―――


 気が付いたら、俺はキリスさんの腕の中だった。


「あれ…俺、どうしたんですか?」


「君は水に触れた瞬間倒れたんだよ」


 ロリ子さんが俺を見下ろす形で言う。




(あれ?)


 俺の中に少しだけ違和感がある。俺の体のはずなのに俺じゃない何か、体内に異物があるような感覚。それがハッキリとわかる。


(もしかして、これがルゥさんの魔素なのか?)


 俺が初め水に触れたときに感じた違和感。それの何倍もの顕著な違和感。


(俺の魔術は俺の魔素だから還元が容易で、他人の魔素だと難しい…ってことか?)


「とにかく、体調が悪いなら休むんだ。圭介君は今、すごく顔色が悪いんだよ」


 キリスさんが心配するように俺に言い聞かせる。しかし、俺は段々だが気分は回復に向かっている。


 違和感が徐々に徐々に小さくなっていく。それにつれて俺はさきほどよりも元気になっている。


 キリスさんの腕の中から逃げるように出て、立ち上がる。


「いえ、だいぶ楽になりましたよ。魔素を還元したおかげで、元気になったぐらいです」


「ほう」


 ルゥさんがこちらに対し興味の視線を向けてきた。


「体調は整ったか?」


「はい」


 俺はキッパリとルゥさんに言う。なぜか、ルゥさんに対して物怖じしなくなったのは、魔素の影響なのかもしれない。


「今から、お前に魔術について教えてやる」


 ルゥさんはキリスさんに耳元で何かを呟いて、キリスさんが俺のほうを見る。


「なら、私がお相手しましょう」


 そういって、キリスさんは俺の目の前まで来て、


「ルゥさんが実戦の形で魔術について教えてくれるそうです。これから郊外に行きますよ」


 そういうキリスさんは俺の腕を引っ張り店内から出る。


「え、実戦って、俺まだ魔術をまともにあつかえないんですけど…」


「心配しなくても大丈夫だよ。実戦といっても本当に戦うわけじゃない。ただ魔術を使うなら、的があったほうがいいと思いません?」


(うわー、イケメンスマイル…俺が女ならコロッといってしまいそうだぜ)


 とりあえず、ルゥさんとキリスさんに従って魔術の指南をしてもらおう。


(最初は魔具の説明をしてもらうつもりだったんだけどなー…)






―――俺はキリスさんに連れられて、職人街から門を出て郊外に向かう。

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