異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第3節

 翌日。
 朝食も終え、食後の団欒としてお茶を楽しむ。この時間で今日一日、俺が何をするか、誰に何をさせるかを決めるのだ。
  まず、領地の視察は絶対だ。そして、I.G.を仕掛ける必要もある。この二つは俺がしなければならない事だ。
 他の面子にもしてもらわなければならないことがある。
 アイリは俺の身の回りの世話。俺がこれから向かう領地に同行してもらう。
 ロージーにはオルコット商会との取引。特に建材を多く押さえておいてほしい。それと人間だ。特に職人が欲しい。
 ハリソンにはとっておきの仕事を任せたい。それは車の運転だ。それも俺が手作りした魔動車ではなく、正真正銘日本製の車だ。こっちの世界に道路交通法も無ければ信号もない。ハンドルとアクセルとブレーキさえ扱えれば大体の仕事は任せられる。
 なぜハリソンかと言えば単純に背丈の問題だ。他の面子は背が低くて不向きだというのが俺の判断だ。
 そして、車の手配は紅蓮にお願いしている。かかる経費に関しては俺の宝石で賄うことしている。ちなみに手配した車はバスだ。
 ロージーが物資と人材を確保。物資は俺が現地まで運び、人材はハリソンに運んでもらう。これが俺のプランだ。
 視察の前に物資の調達は先走りかとも思うが、あるに越したことはない。
 それらを全員に説明した。
 水城はどうするかと尋ねたら。


「私、ロージーさんに同行したいです」


 とのこと。どうやら、この国や世界の事をもっと知りたいから国に残って情報収集したいようだ。それならばと、ある考えを提案した。こっちの世界のお金をいくらか渡す代わりにハリソンのバスの運転について少し見てくれないかというものだ。
 ハリソンには俺が運転を教えようと思ったが、水城が教えてくれるなら手間が省ける。
 水城も自由に使えるお金があったほうがいいだろうと俺の提案に乗ってくれ、


 朝食後の団欒を終えた俺は一度現代に戻り、バスを受け取りに行った。
 なんでも俺専用の倉庫に置いてあるという話になっている。ついでに倉庫の管理人も一人付けてくれるという話だったが、その人物とも今日が初対面となる。


 紅蓮から知らされた住所に徒歩で向かう。どうやらそこは港湾区であり、多くの倉庫が建ち並んでいる。そのうちの一つがアマテラスの名義で借りてもらった俺の倉庫になるらしい。


「黒の剣士さん」


「ん?」


 倉庫の入口で俺のコードネームを呼ぶ女性。それは礼のエレベーターガールだった。


「あれ? もしかして、倉庫の管理人ってあなただったんですか?」


「はい。きちんと名乗るのは初めてでしたね。紅蓮さんの直属の部下、アイエフと申します」


「ああ、これは丁寧にどうも。俺はニーサン……じゃなかった。今は黒の剣士で通ってます。って、知ってますよね」


「はい。外でお話もなんですから、中で話しませんか?」


「ああ、そうだな」

「異能力で異世界充実 ―非現実の扉―」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く