異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第94節

 俺が眠った後に起こった出来事を後からクララに聞いてみた。


 ヘラはというと生コンが完全に固まるまで厳重に監視され、固まった後にコンクリートごと本部に輸送された。シルヴィからヘラについての情報を聴取し、俺も後でヘラについての情報の提示を求められた。どうやら、アマテラスの収容施設でヘラを管理するためらしい。
 シルヴィはアマテラスの管理下に入り、そのまま俺の下に付くらしい。これは温情というよりも、俺が施した魔術により俺の命令を忠実に守るという性質上、その方が望ましいという点からだ。一応、俺がヘラに勝利するために情報を開示してくれたという事もあり大きな咎めは無かった。とはいえ、アマテラスの管理下に入る以上、今までのような自由な振る舞いはできない。
 ブラッド達はというと今まで通りの活動をするらしい。一応、俺は本部で色々と調査を受け、その関連で愛理も俺と共に本部に行く事となる。とはいえ、俺の能力の性質上、移動時間そのものは無きに等しいためブラッドのチームに所属したまま呼び出しを受けた時だけ本部に出頭する形だ。
 俺に関する情報の全ては本部に行っているわけではなく、部分的に紅蓮の所で止めてくれているらしい。具体的には向こうの世界に関する情報だ。詳細は省き、俺は異世界に渡ることができ、異世界における魔術という技術を体得しているという点だけが渡っているらしい。
 そういえば、俺がヘラを捕獲したという点から俺に二つ名が与えられることとなった。それが『黒の剣士ダーク・フェンサー』だ。俺が頻繁に魔剣カオスを使っている姿からその名が付いたらしい。シンプルで嫌いではないが何の捻りもない。ブラッドの『渇血者』やファットの『脂肪遊戯』のようなカッコいいのも羨ましいからな。ともあれ、これで俺もナンバーズを卒業し、ネームドの仲間入りだ。
 ……考えてみれば、ヘラが率いていた六人グループのうち四人を始末して二人を捕獲している。そういった実力も評価されているのかもしれない。


 そして俺は無理をし過ぎた反動として一週間の入院生活が続き、完治と診断されたものの生コンに頭から突っ込んだ代償として顔の皮膚の一部が褐色になってしまった。某漫画界の巨匠が描いた悪徳医師のようなツギハギ顔ではないが、少し風貌が変わってしまっている。
 ……既に自分の身体が入れ替わってしまっているとはいえ、外見までもが変わってしまうと自分が自分で無くなる。そんな気がしてくる。
 まぁいい。しばらくは休養だ。俺の身体は既に魔力によって構成され、こっちの世界よりもあっちの世界の方が治りが早い。
 休暇申請も出し、条件付きだが受理されている。しばらくは戦いから身を離し、あっちの世界で内政でもしたいところだ。

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コメント

  • クズ小説ばかり

    能力いつ復活したの?

    1
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