異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第223節

 俺達は腰を下ろしてアイリスが用意してくれた食事を取った。食材はジョン達石組の食糧を提供してもらい、こちらからは竈や調味料を提供することで話は済んでいるらしい。


「それにしても、こっちから頼む前に派遣してくれるなんてレオも気が利いてるな」


 温かいスープを飲みながらレオが派遣してくれた六名を見渡す。


「カンザキ殿から学ぶ事が多くあるだろうとレオ副隊長に勧められまして、この任を引き受けた次第であります」


 リーダーのジョンが簡単な経緯を教えてくれた。


「まぁ俺の本業は建築設計より機械設計なんだけどな。まぁ学ぶ事があるなら好きに学んでくれ」


「ところで、あちらの建築物は一晩で作り上げたのでしょうか?」


「ああ、まぁ資材調達込みこみで2時間ぐらいかな。さすがに日が暮れて風雨がしのげる最低限だけど」


「2時間ですか……」


「レオから近くに石材が採掘できる場所があるって事前情報があったからな。あとは近くで流れる川から粘土を採取して適当に作った。まぁ必要最低限の豆腐建築だけどね」


「そのトーフ建築とは何でしょうか?」


 俺とジョンの会話に石組唯一の女性のアリソンが入ってきた。まぁ豆腐の概念が無いといまいち伝わらないか。


「簡単に言えば四角いブロックを直方体に積んで作る味気のない建物の事」


 俺の言葉に石組最年少のベイリーが反応した。


「もしかして、あそこにあるたくさんの石がカンザキさん達が運んできたもの?」


「まぁね。とりあえず、あれを使って基地を建設する予定」


「なら、俺らはその手伝いってことになるのか」


 石組の巨漢、バリーは俺が頼みたかったことを言ってくれた。


「そういうこと。ぶっちゃけ、俺ら四人で作るにしても人手が足りないなって思ってたところなんだよね」


 そこでハンサムなフレデリックが口を挟む。


「具体的にどこに人手が足りないのでしょうか?」


「全体的にだよ。造りたいのは物資貯蔵庫、お偉いさん用の個室、大人数を収容できる大部屋だ。納期は明日の朝まで。今まではハリソンに粘土を作ってもらって、アイリスに粘土を塗ってもらって、俺が石材を積んで、フランが粘土を熱してたんだけど、やっぱり人手が足りない。特に石材を運ぶ人間がもう少し欲しいんだ」


「物資の調達はどうでしょうか?」


「それなら問題ない。物資の供給は無尽と思ってくれていい。実質、あの石材や粘土は俺が一人で運んだものだ」


 俺の言葉に石組の全員がぎょっとしたが、それをすぐに受け入れたようだ。まぁアイリス達が否定しない事を受けての事だろう。


「フレデリック、どうだ?」


 ジョンがフレデリックに聞いた。


「組長にはカンザキさんとの連携、アリソンと私で基地の設計、バリーとウィリアムに石材を積んでもらいましょう。ベイリーには周囲の警戒と探索がいいかと」


「そうだな。妥当だろう」


「カンザキ殿もそれでよろしいだろうか?」


「いいよ。俺とジョンが話し合ってお互いのチームを連携させるって事ね」


「助かります」

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