異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第156節

 フランとのお茶を終え、俺は一度現代に戻った。
 こんな時にアレだが、アニメを見たくなった。
 たぶん、試合に出た熱気に当てられたのだろう。こういう気分の時はバトル物のアニメが似つかわしい。
 と、そんなタイミングで上やんからのメールの通知が来た。内容は今度のフリーマーケットで人手を貸して欲しいと俺から頼んだ件だ。当日は別の客から予約があって人員が割けるかどうか分からなかったが、キャンセルがあったため俺からの依頼を請け負ってくれるといった経緯が書いてあった。そして最後に仕事内容の詳しい話を便利屋の人達が聞きたいとのこと。
 日時の候補がいくつかあり、ちょうどあっちの式典が終わった直後ぐらいのタイミングの日時を指定し、返信した。
 そういや、応急セットの包帯が切れてたっけか。
 現代に戻ったついでだ。補充にでかけるか。
 俺は現代用のサイフをポケットに入れ、リュックを背負って近くの薬局に向かった。薬局といってもディスカウントストアだ。かなり品物が安いので重宝している。


「まずは包帯、それから菓子類と飲み物かな……いや、飲み物はやめておくか」


 疲れが出ているのか、考えが口についてしまう。そこそこ遅い時間のため周囲の人もいないため特に改めようとも思わなかった。
 買い物カゴに薬類や菓子類、それから小腹が空いた時用の10秒チャージゼリーとカロリーとお友達のブロック栄養食を買い足す。
 そこそこカゴが重くなり、ボチボチ会計を済ませようと思ったら一人の女性が目に留まった。


「あれ? 神崎じゃん」


 いつかと同じく水城愛理と再会した。


「久しぶり」


「そうだね。あれ? 神崎、すごい怪我じゃん? どうしたの? 誰かと喧嘩でもした?」


「俺が喧嘩なんてするわけないだろ」


「じゃあ、その怪我はなんなの?」


「色々あったんだよ。それより、水樹は何しに来たんだよ」


 水樹は俺の顔を覗き込んでくる。


「神崎、昔と変わってないね。話を変えるの下手すぎ」


「うるせぇ」


「まぁいいや。私もちょっと買い物。それにしても、神崎そんなにお菓子食べると太る……いや、むしろ食べなさい」


「どういう意味だよ」


「あれ? でも、昔より筋肉付いたんじゃない? ほんの少しだけど筋トレでもしてるの?」


「あー……。最近、体を使うことが多かったからかな」


「あ、分かった。何かスポーツとか始めたんでしょ! それでそんな怪我を」


「違うよ」


 水樹は鋭いんだか鈍いんだか分からない。

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