異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第127節

 武闘大会の受付を行い、出場者を集めての説明会が最初に行われるが、説明会上には椅子なんて洒落た物はなく、全員立っている。こうやって並び立つ連中を見るに男が多い。
 いやまぁ当たり前とは思うんだけどさ。
 出場者それぞれに個性がありそうで、実力もそれなりなんだろう。戦闘経験ほぼ皆無なのは俺ぐらいのものだろう。アイリスですら魔人と戦ったことがあるらしいし、俺の戦闘経験なんて対魔獣戦と対レオ戦ぐらいのもの。
 俺が全くのど素人であることは戦ったレオ自身が分かっているはずなのに、その上で俺を推薦したとすればタチが悪い。まぁ結局は俺が最後に出場すると決めたんだけどさ。
 しばらくすると大会運営の人がやってき、つらつらと大会のルールを発表した。
 今年のルールはトーナメント方式。出場者は百名以上の百二十八名以下、つまり六回か七回勝ち抜けば優勝となる。
 今年は予選は行わず、必ず一度は実力を見せる機会があると説明があった。つまりは軍からのお呼びがかかるから、初戦から実力を発揮して欲しいという事らしい。と、フランが補足してくれた。
 トーナメントの対戦相手はあらかじめ運営側が決めており、実力が認められているフランはシード権のように優勝までの対戦回数が六回と少ない。反対に俺とアイリスは七回と多い。
 説明が終わり、出場者は全員トーナメント表に釘づけになった。俺達も多分に漏れない。
 俺とアイリスはこのあとすぐに対戦の予定が入っていた。
 俺の予定は午前、正午、夕方の計三回。アイリスの方は午前、午後、夜の計三回。フランは正午と夜の計二回と微妙に俺と予定がずれている。
 夜の時間なら二人の試合が見れるな。


「全員、しばらくは当たりそうにないな」


「主、おそらくこれはロト殿下の意志かと」


「私もそう思います」


 なるほど。そこらへんは配慮してくれているのか。というか、この武闘大会はより良い人材を得るための舞台であり、国民の娯楽としての役割もあるようだ。
 つまり無作為に対戦相手を組んではいないってことだ。まぁそこらへんに文句はない。特に問題はない。


「それじゃあ俺とアイリスは対戦があるけど、フランはどうする? 午前中だけでも自由行動でいいんだけど」


「いえ。良い機会なので主とアイリスさんの実力を見ようと思います」


 俺はつい笑ってしまった。


「お前の主として恥ない程度に頑張ってくるぜ」

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