異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第115節

 俺を除いた全員は用意された衣装に着替えた。
 奴隷にまで衣装を貸し与えてくれるロト殿下のなんと太っ腹なことか。
 しかし、こうやって見てみるとハリソンも長身美形の紳士なんだよな。王城の貸衣装というだけあって、質の良い生地で仕立てられている。俺の安物のスーツと対比するとどっちが奴隷だか分からなくなる。
 いつまでも男のドレスアップを見たところで目の保養にはなりはしない。次に女性陣の衣装を見てみる。
 まずはロージーだ。ロージーはタイン人だ。タイン人は背が低い。そんな彼女がドレスを着るとどうしても七五三に見えてしまうのは俺の目が雲っているからだろうか。白いドレスに薄い口紅、少し化粧もしているようだ。……こっちの世界で化粧用品って売れるのかなって思った俺はきっと職業病だろう。
 ロージーに対する評価としては少し老け顔の美人なお嬢さんといったところか。落ち着いた雰囲気があり、見る人が見れば大人っぽい少女とも言えなくもない。
 次にアイリスだ。アイリスは薄い青のドレスを身に纏っている。綺麗な顔立ちにドレスを着させるとお人形さんのように見える。少し恥ずかしげに頬が染まっていてそれがとても愛らしい。普段はストレートの髪もポニーテールでまとめられており、俺の好みをピンポイントに当ててくる。しかし、本当に色が白いな。これがトール人の血のなせる業か。
 アイリスに対する評価としては愛くるしさの塊。ずっと傍で見ていたい。俺から見られて更に顔を赤くするアイリスは更に可愛い。
 そして、ジェイドとアンバーだがこの二人は使用人扱いのためドレスアップは無かった。本人達もドレスアップする気はないらしい。ジェイドは使用人がこんな衣装を着るなんてとんでもないと遠慮し、アンバーは着替えるのが面倒くさいと一蹴した。
 最後はフランだ。フランが出てきたとき、その眩しさに驚いた。他の二人と比べ露出が多いフラン。そして、そのドレスの色は青だ。しかもスリット入りの。赤い髪と青いドレス。そして青いドレスの隙間から除く褐色の脚。成人した女性特有の曲線と戦場で培った引き締まった身体が魅力的だ。ついさっきまでフランとは友人のような接し方とかなんとか思っていたが、一線を越えてしまいそうな倒錯感に駆られる。
 フランに対する評価としては期待を裏切らない美しさだった。こうやって改めてフランの四肢を見てみると傷跡一つ無い綺麗なものだった。俺が言った紅の戦乙女はあながち間違っちゃいないと思った。
 これだけのメンツの中、俺だけが普通の紺のスーツだ。ハッキリ言って浮いている。

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