異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第112節

 メインウェポンを手に入れた。あまりの重さに背負う意外の携帯手段がない程だ。
 メイスや魔法石の代金を差し引いて、今の俺の残金は金貨三十二枚だ。
 さてと、次に集めるべきは防具か。
 堅牢な鎧を買うことも考えたが、着慣れない鎧で身動きが取れない気がして止めた。
 次に考えたのが魔宝石による防御法だ。以前、アメリアから魔術を防ぐ魔宝石を購入している。魔術が防げるなら物理的攻撃を防ぐ魔宝石もあるかもしれない。
 俺はセシルに礼を言って、奴隷二人を連れ再びアメリアを尋ねた。


「あら、また来たのね」


「ああ、ちょっと欲しいモノがあってね。ここで扱ってないかと思って」


「どんなものかしら?」


「剣や槍の攻撃を防げる魔宝石が欲しいんだけど」


「そうね。あるわよ」


「それをください」


「バーナード、持ってきてちょうだい」


「…………」


 すぐにバーナードは魔宝石を用意した。


「これは障壁の魔宝石よ。発動させると魔法石を中心として半径三十センチ程の球状の結界が生じるの。剣でも槍でも弾き返せるわ。ただし、効果時間は一秒未満、連続の使用もできないわ。吸魔石と組み合わせるなら一度使うと十秒は間を開けないといけないわ」


 ゲームで言うところの効果時間とクールタイムみたいなものか?


「それってどういう仕組みなんだ?」


 この世界はゲーム世界ではない。それなりの理由があるのだろう。


「この魔宝石は吸魔石には遠く及ばないけれど、魔力を蓄える性質があるの。それを瞬間的に結界の展開に使用するわ。それでどんな物理的な攻撃でも弾くことができるって仕組み。ただ、それに見合った魔力を蓄えるまでの時間が必要なの。吸魔石の魔力供給量で言えば、約十秒ということ。納得できたかしら?」


 何となく分かる。


「それだと、吸魔石の魔力供給量さえ増やせれば十秒も待たなくていいんだよな?」


「ええ。そういうことになるわね」


「吸魔石の魔力供給量は増やせないのか?」


「できないことはないわ。ただ、吸魔石の供給量を制御する制御石は希少なの。だから少し値は張るわよ?」


「いくらだ?」


「金貨二十五枚。障壁の魔宝石が五枚だから、両方買うのなら金貨三十枚ね」


 高いな。今の俺の所持金が金貨三十二枚と少し。ここで払ってしまうと手元が心もとない。


「……その制御石の使い方と能力を教えてくれ」


 流石に少し慎重になる。


「使い方は簡単。制御石の溝状の窪みに吸魔石をセットすればいいの。その状態の吸魔石をスライドさせることで吸魔石から流れ出る魔力の量を制御できるわ。通常の魔力の放出量を10としたとき、0から20まで調整できるの」


 最大で二倍まで供給量が増やせるのか。


「供給量を二倍にすれば再使用時間は半分になるのか?」


「ええ。五秒に一回は使えることになるわね」


「他の魔宝石の効果もこれで上げたりできるのか?」


「そうね……上がるものと上がらないものがあるわ」


「分かった。買おう」


 俺は金貨三十枚を支払い、既に加工してある制御石と障壁の魔宝石を購入した。

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