異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第109節

「建国式典が……」


 間近に迫ったという建国式典。そこで開かれる武闘大会。


「今年も式典で武闘大会はあるのですか?」


「はい。今年は大会の規模を小さくするという話もありましたが、カズキ様のおかげで今年も無事に例年の規模を保ち、開催できることとなりました」


 そうレオに説明されたが、俺は少し引っかかった。


「私のおかげとは?」


「食糧難の中、大々的に式典を行えば食糧不足に拍車がかかります。なので、式典そのものの規模を縮小しなければならなかった所をカズキ様が食料を供給してくださったおかげで無事に例年に近い規模で式典を開催できるということです」


 ああ。そういうことか。


「たぶん、お兄様もできれば武闘大会は例年通り行いたかったはずよ」


 そういうクリス。


「それは何故でしょうか?」


「軍に登用したり、裏で自由に動かせることができる人間を選定するためよ」


 実力のある人間が欲しいってことか。


「武闘大会はどんなルールなんだ?」


「ルールですか? またどうしてそんな」


「ちょっと興味があってね。もしかしたら、フランを出場させようかと」


 フランをチラ見してみると少しだけ目の輝きが増した気がした。


「なるほど。そういうことですか。なら説明させてもらいます。ルールは簡単で、武器有り、魔法有りの一対一の戦闘です。有能な兵士の登用の目的もあるため、相手を殺すと減点となります」


 失格じゃなくて減点なのね。そこらへんちょっとシビアだな。


「舞台は二十メートル四方の石舞台。その周囲で観客達が観戦します」


 イメージとしては某龍の玉の武闘会場に似た感じか。


「勝利条件は相手を戦闘不能にすること。または降参宣言をさせること。相手を舞台外に追い出し三秒以上経過すること。戦闘不能とは三秒以上のダウンとなっています」


「三秒のダウンや場外で負けなのか?」


「はい。実戦で三秒といえば二回殺されてもおかしくないですから。それと場外からの復帰ができないということは陣地を奪われたとも見なせますから」


 そういう基準なのね。


「参考までにレオ副隊長の今までの戦績を教えてもらえませんか?」


「出場が三回。優勝が一度、準優勝が一度です」


 やっぱり、この人は本物なんだな。


「レオ副隊長が準優勝をした時の優勝者は?」


「ロト殿下です」


 あの人も本物なのか。というか、王子自ら武闘大会に出るとかマジかよ。
 俺はそれを聞き、更に深く考えこんだ。すると、レオがこんな提案をしてきた。


「良ければ、武闘大会出場の推薦をしましょうか」


「……そうだな。頼む」


 それでも、フランの実力を見るには良い機会かもしれない。


「分かりました。こちらで話は通しておきますね」

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