異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第100節

 今後、ロトの要望により大量物資の輸送の必要性が出てくる。今までのように俺が一つ一つの物資を運び入れるような事はできないと考えてよいだろう。
 それこそ俺だけに限らず、誰でも輸送できるような仕組みを考えなければならない。
 そこで一番最初に思いついたのが、ベルトコンベヤのような自動搬送器だがこれは少し難しいだろう。まず、調達に時間がかかるし手配できるかも分からない。
 次に考えたのが以前、アイリス達をシャワーで洗ったときの事だ。シャワーで水が輸送できるのであれば、何らかの管を用い、その内部を通った物は輸送できる。
 たとえば、ホッパーをIGによって繋ぎ、米や麦をそのホッパーに投入する。たったそれだけで輸送ができればどんなに楽だろうか。
 俺は早速、誰にも使わせていない一室を勝手に研究室と名付け、メイドを含めた全員に立ち入りを禁じた。もちろん、内側から鍵はかける。
 そして、ペットボトルをくり抜いた適当なホッパーを作り、現代から異世界に輸送できるか確かめるため、米を流してみる。すると、注いだ米は滞ることなく次々に吸い込まれ全て異世界に輸送することができた。
 実験成功だ。
 結果として、きちんとした仕組みさえ作れば、輸送は誰の手でも行う事ができる。さすがにペットボトルの口程度の輸送量では足りないが、もっと大型のホッパーとIGの媒体となる大型のイラストがあれば大量輸送も夢じゃない。
 ある程度の所で実験は切り上げ、俺の不可思議な能力についてまとめることにした。


 1.ディスプレイ上の画像や印刷したイラストを媒体とし、現代と異世界を移動することができる。組み合わせはディスプレイ×イラストでもディスプレイ×油絵でも良い。
 2.現代から現代、異世界から異世界のような直接の移動はできない。
 3.ディスプレイや紙のサイズによって移動できる物の大きさの制限がある。
 4.境界上に物体が存在する状態で紙を破損させると、境界上の物体がどちらか一方に移動しきるまでゲートが開き続ける。また、サイズの制限は一時的になくなる。
 5.生き物は俺を除いて移動することができない。
 6.同じイラストが複数あっても、任意に移動することができず、決められた組み合わせでのみしかIGはつながらない。
 7.折り癖が付くとIGは繋がらない。
 8.IGのルートの数の制限は今のところない。
 9.IGの境界上に存在するパイプ等の内側を通った物体を輸送することが可能。


 まとめるとこんな感じか。
 俺自身の能力ではあるが、その能力の全貌が未だに把握しきれていない。
 そもそも、この能力は本当に俺だけにあるものなのだろうか。他にも俺と同じようにこちらの世界に来ている人間がいるかもしれない。
 ……まぁ考えても埒があかないか。
 一度、新しい自分の部屋に戻りベッドに横たわる。
 コンコンコン。
 扉を叩く音がした。


「誰だ?」


「主、アタイだ」


 この声はフランか。


「今開ける」

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