異能力で異世界充実 ―非現実の扉―

田所舎人

第60節

 オルコット商会との初めての正式な取引はあっという間に終わった。
 ハリソンに天然水を運んでもらい、ロージーには酒を運んでもらう。それらを万事屋猫目石に持ち込み鑑定してもらい、証書を書いてもらい、それをセシルに手渡し、納得してもらえたら商品を引き取ってもらう。商品についての詳細はある程度聞かれたが、そんなに時間を取られなかった。商品の内訳としては2リットルの水と容器で銀貨1枚と大銅貨2枚。ワインの方が銀貨5枚になった。
 合計で大銀貨2枚と銀貨5枚になった。セシルの厚意で少し色をつけてもらった。


 次に向かったのが万事屋猫目石。この資金を元手に魔石をいくつか購入する。そしてそれを宝石加工職人の所へ持っていき加工してもらう。手元の資金が心もとないため、後払いを頼み、その代わりとして前金がわりに酒を置いていくことで納得してもらった。


 水……というよりもペットボトルそのものが非常に評価が高く、銀貨一枚以上の値がついた。これに味をしめた俺は調子にのって大量のペットボトルを異世界へ輸入してしまう。ハリソンとロージーはひたすらそれらをオルコット商会へ運び出し、アイリスすらその手伝いに遣わせた。


 どれだけ輸入したか分からない程にひたすらペットボトルを買っては送り、買っては送りを繰り返した。店員から不審な目に見られようが、その程度で俺の金欲はとどまることを知らなかった。


 午前中の売り上げは金貨二枚相当になった。半日としては上々である。それを質屋で換金し、18万5000円になる。少し金の値上がりがあったようだ。まぁそれはおいといて。


 それを元手に更に酒を買う。酒は仕入れ値が高いが、高価に売れる。ビール、ワイン、ウィスキーと各種を仕入れては鑑定してもらい、オルコット商会に引き取ってもらう。面白いことにビールも種類によって鑑定価格が違い、どれが優れているか価格として分かるあたりは面白い。まぁ最後は買い手の舌次第なんだろうが。


 18万円分の酒はあっという間に金貨に早変わりする。まさか一日で目標の金貨20枚を大幅に越え、金貨30枚余りを手にすることになった。そして、セシルからこれ以上は金貨が用意できないから取引を一旦中断してくれと涙ながらにロージーが説得を受けたらしい。さすがにセシルが自由に使える金貨も底があるようで、仕方なく取引は中断した。一応、独占取引を約束しているためその間は取引ができない。
 とりあえず、思った以上に早く取引を引き上げることになったため、俺は家を買うために役所に向かうことにした。

「異能力で異世界充実 ―非現実の扉―」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く