第244話　絆と約束【戦いの果てに――】

お婆様の力によって、お爺ちゃんとサタンさんは、回復したのだったが……流石に魔力までは、無理らしく回復する事になったのだった。


その間に、お昼過ぎになっている事をお母様が気づきご飯でも用意しようと話し出した。


取りあえず、料理が作れる道具など一式は、普段僕が持ち歩いている為、材料等を出して、作り始める。


料理を作るメンバーだが、僕とヒメさんとお母様が、三人で好きな物を作り始める。


肉や野菜や香辛料とそれ以外の材料も魔法で作った机の上に乗せられている。


僕は、栄養とバランスを考えて、肉料理と野菜系の料理を十種類程作っていくと隣で見ていたお姉様が、味見をしたいと言ってきたので、気をつけて熱いからと言ってお口に運んだ……


「あ、あつ！」


お姉様は、熱々の肉に頬張り嬉しそうに、食べているのが解る。


そんな匂いにつられて、ハクお兄ちゃんが僕にもと言ってきたので、石で出来た串にさして渡す。


「確かに、熱くて……脂がのっていて凄くジューシーで、美味しいだけど？」


「こんなに美味しい肉初めて食べたよ！」


ハクお兄ちゃんは、食べかけの肉を持って料理中のヒメさんの所に行って、話しかけながら口元にお肉を食べさせていると、ヒメさんからも美味しいと言う声が聞こえてきた。


次々と僕の方は、料理をこなしていく――


お母様の方は、家庭的な料理を次々と作っていくのが見られる。


何種類かは、僕が好きな物が多かったのと、お母様が作る料理のレシピは、僕では…作れないと言う事がある……流石に、愛情のこもった料理は、多分お母様とヒメさんくらいだろうと思ってしまう。


僕が作っている料理は、見た目と味は、問題ないのだが、一般的に食堂屋さんで並びそうな料理を次々と作っていく中この間手に入れた粉を丸く広げて、トマトに似ている野菜を使いながら最近覚えたチーズをまんべんなくかけて、石の鉄窯を作り温めた後に、ピザの生地をいれて焼き始める。


たまに、ヒメさんが僕の所に来ては、珍しい料理がいっぱいだから今度教えてと言ってきたが、別に料理の本を作るからそれを見て作りますと聞いてみると？　そんなのがこの世にあるのと驚かれる一面も見られる。


その内に、お話をしていると？　ヒメさんじゃなくて、ウィンちゃんもマリアちゃんもヒメちゃんと呼んでと言われるので、そう呼ばせてもらう事になる


竈の煙突から香ばしい香りが辺り一面を充満していくと？


いつの間にかに、テーブルに、お爺ちゃんとお婆ちゃんが席に座っており、違うテーブルには、サタンさんが回復して座っているのが見える。


料理自体に、冷めないような魔法の皿を使ってるので、そんなに直ぐには、冷えないように工夫をしている。


僕は、三人の事に気付き、先に料理食べてて下さと告げて、調理場へと戻る。


お姉様もハクお兄ちゃんもサタンさんの机かお爺ちゃん達の机かに移動してご飯を食べ始めている。


お母様の方も色々と作り終えて疲れた訃音で、机に座りながらお婆様とお話をされている。


ヒメちゃんも料理がほぼ完成したらしく、ハクお兄ちゃんがいる所の横に椅子を持って座りながら、二人の世界に入って食べ合いながら嬉しそうに、サタンさんに……何かお話をしている。


僕の方は、作るのがひさびさだったもので、テンションアゲアゲで、料理のフルコースじゃないかと言うくらい作っていた。


勿論味見しながら作っているので、特にお腹が空く事もなく、クレープなどを焼いて、アイスとリンゴのパイを包み込んで、女性陣に渡してみると？


「キャーなにこれ初めて食べるけどおいひい」と声が聞こえる。


男性陣には、スペシャルで作ったビーフシチューとナンと最近作ったワインを提供する。


「マリアちゃん一人で商人とか出来そうじゃな？」


「これは、あくまでも知合いのみ限定であるのと趣味みたいなものなので、基本的には、興味ないですね」


「ダイトカイトお爺ちゃん後で、寝かして熟成させたワインがあるので、樽何個をお届けしすけど？」


「皆が飲むの事を考えれば、最低３０個は、欲しい所だがあるのか？」


「手持ちが一万個しかないので、とりあえず二千本ほど倉庫に入れときますね」


そんなたわいのない会話をしていると、お姉様が近づいてくる。


「そろそろ私の魔力が限界だから解いていいのかな？」


「この魔法を使った事で、一気にレベルと魔力が増えて嬉しいもんだね！」


そんなに、嬉しそうにしているお姉様をみていると心がほっこりしてきた。


お姉様は、順番に、魔法を説明しなら解いていく――


こうして、お婆様以外は、元に戻ったのだが？


「ロリーお姉さんは、戻らなくていいの？」


「家に帰ったら、孫達にも見せたいからこのかっこで、少し堪能したら解除するけど？」


「このポーション増やせるなら依頼するけど？」


「解りました、精進して、作れるように頑張りますので、材料とかあったら此処にメモがあるので、探して頂けると助かります」




「それじゃ～」


「カゼフお兄様のお屋敷に一度戻り今後のはなしと、これからの事について話をして、いつもの日常を過ごせるようにしましょう！」



「転送魔法起動……カゼフお兄様の城入口前へ！」


皆光に包まれたと思ったら、二分くらいで城の前に到着する。


「女性陣は、家の城にある大浴場使って癒しを治してくるといいよ？」


「男性陣は、今後の事を纏めるからこれから話合いが始まる」と話された後、状況を結構読んでいた僕は、木のボックスと魔法瓶を人数分渡して、お風呂に向かうのだった。


「サタンさんが言うには、出来た子供すぎるのと良い婿が来ない場合は、儂も姉妹争奪戦の守りの方があった時によんでくれるか？」


「儂が、良いというよりも近々うちに来ることがあるのじゃからその時に、ゆっくりと話し合おう」


「それより今後について話し合って、それによっては、ヒメちゃんを戻すか、家の孫達の家で過ごすかを明日までに、決め解いてくれると助かる」


「その色々と勉強になる話や戦力になる講義が始まっているのだった」