無邪気な少女の異世界冒険記

敷島楓

第218話 絆と約束【アトラクション3】

カゼフお兄様が、笑顔のまま倒れる。そこは、血の海の様に真っ赤になっている。お母様はびっくりして、急ぎ回復魔法をかけている。


あまりにも哀れな状態だったので、巾着袋から回復ポーションを出して、悪戯まじりに言霊を使い口移しで、カゼフお兄様に飲ませた後記憶から消えると唱えて取りあえず様子を見ている。


一時間くらい経つと、お母様とカゼフお兄様が目を覚ます。二人とも何かに憑りつかれたのが祓われた様に、スッキリしした顔をされる。


深い内容は伝えずお母様に頼まれた言霊を使った事のみを説明した。


「何をしたか記憶にないけど? これは、凄いわね…どうして覚えたのか聞いていいかしら? 詳しくは、上手く説明は出来ないが経緯が解る範囲を説明すると何か納得したような顔をされて、それを使う時は、いざて時くらいにしなさいとお母様から言われる事になる。この後将来言霊が進化するのは、先のお話……」


そして、攻略に戻る。思ったよりサクサクとアトラクション内の魔物を倒して行くと、地下に繋がる階段がある。「これって、降りても問題ないですよねとお姉様に聞いてみると? 大丈夫だと思うと返事が返ってきたのでそのまま進む事になる。奥へ奥へと進んで行くと机と紙が置いてある。紙には、文字が書かれており、呼んでみると? 凄い事が解ったが、五人共は、八芒星が地面に現れた途端何処かへと飛ばされる。


気づいた時には、真っ暗な闇の中にバラバラになって転がっている。一番最初に目覚めたのが、リーヴスラシル君だったらしく、皆を中央へと集めて気づくまで警戒態勢のまま維持をして待機していたと聞いた時流石だなぁ~と思ってしまう。


そこで、先ほど書かれた紙の内容を皆が目覚めた時に伝えると? それは、たぶん運営側も解っていないだろうなと言う結論がうまれる。


文章には、「ここを高得点にて、クリアされた者達へ…新たなダンジョンへの条件は満たされた。これによりこちらの勝手な都合で、封印されし都と言うダンジョンに飛ばさせてもらう。ダンジョンクリアの鍵は、最後の宝箱にあると伝えて文字が消えたと思えば今の場所に居るのだった」


「最後の所まで行かないと駄目と言う事ですかね? 姫様?」


「そうだと思うけど? 今まで居た所に比べて邪気が強いねここ……」


「多分何かが封印されているだろうよ?」


「カゼフお兄様は、何が封印されているか解りますか?」


「多分だが、俺の親父の様な者が封印されているのだろうから用心した方が良いかもな?」


「何だかんだ言ってこのメンバー何だし色々と状況を纏めて、上手く動かないと全滅してしまうかもな……」


「ま、取りあえず考えるのは、途中で休憩を入れながら話さない?」


「お母様どうしてですか?」


「ここにいると、何か嫌な気配がするのよね……」


「スノーちゃんのその感て結構あたるから指示を出してくれればそちらに進むぜ俺は?」


「じゃ~右の真ん中を左と言う言葉が消えて、その逆を進み地下に進む階段を発見する」


隠しダンジョンと言う意味では、さっさと下に下りるのが正解何だろうが、ここを体験して今後の道にどのような影響が出るかは不明だが繋がるならそれでいいかと思いながら皆を止めて少しこのダンジョン内を降りる前に調べ様として新たな道が見えてくる。


リーヴスラシル君が壁をおもむろに叩いているのが見える? 何をしているのかを聞いてみると面白い事が解った。叩く事でそこに空洞があれば隠し部屋で、空気が乗って遠くに聞こえれば空洞な場所と解る。


この技術は、最近ダンジョンに籠っていた時に見に漬けたと喜んでいる。やり方とコツは、後々姫様に教えますとリーヴスラシルから言われる。


そして、リーヴスラシル君の足が止まり周りを調べ始めると、何もないはずの壁が開き中には、魔物の群れが詰まって居る。


この魔物を倒してこそ次の階段に行けるのだろうと確信しながら戦いに挑むのだった。

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