無邪気な少女の異世界冒険記

敷島楓

第76話 お爺ちゃんの家に長くお泊り【病院での出来事】

コンコンと扉を叩く音が聞こえる。


ダイトカイトは、返事をする。


「どうぞお入り下さい」


「失礼致します」


「お久しぶりですね」


「お二人さん」


ウィンちゃんとマリアちゃんの母親が来る。


「お怪我の方は、だいぶ安定しましたか?」


「酷い様でしたら私がみますが?」


全てが疑問系で聞かれる。


夕方には、退院出来るので大丈夫ですと答える。


するとおかしなことに、あたりが静かになる。


静かになると言うか冷気を感じる気がする。


儂らで言えば覇気みたいなものの力を母親から感じる。


「一つお伺いしたい事がありますけど宜しいですか?」


また一度と温度が下がっていく――


「ど、どうしましたか?」


凄い強みを感じて、少し恐れてしまう。普通に考えてあり得ない事なのだが不思議と寒気が止まらない。


二人して、顔が青くなる感じで寒気がする。


「今回の原因て、うちの娘達が原因だと伺いましたが間違いないですか?」


「そんな事は、ないですよたまたまの事故ですよ?」


そして、今度は、五度程下がる。


「もう一度聞きますね?」


「家の娘のマリアが起こした悪戯で倒れたのではないのですか?」


初代は、降参したかのようにうなずいてしまう。


「そうですね……」


「どうして、そのような事があったのか細かく言えますか?」


もしかして、マリアちゃんから直接悪戯の件聞いてて聞いてるのではと思ってしまう。


「マリアちゃんから何か聞いてますか?」


「娘からは、悪戯の件はききましたけど?」


「細かい内容は、聞いていないのですが……」


二人が、土下座の体制になり――「すみませんでした」と謝る。


「顔を上げて下さい別に怒ってませんよ?」


それでも温度は下がっていく――


「本当にすみませんでした」


二人は、こんなに凄い土下座は、した事が過去にあっただろうかというほど土下座をする。


「その土下座は、やましいことでもあったと言う意味ですか?」


絶対にばれていると二人は、念話で会話する。


「もう二度とこの様な事態には、ならないので、どうか怒りを治めて下さい」


すると温度が戻る。


「反省しているみたいなので、今回は、許しますが次回はないですよ?」


さすが、元有名な冒険者の言葉だけあって、重みを感じる。


ユウトウカシュが言うには、絶対に怒らせたら不味いと言う言葉を昔笑い話の様に言っていたがこれは、確かに不味いと思ったのだった。


二人は、反省して、ウィンちゃんとマリアちゃんのお母さんであるスノーホワイトさんを見送る。


ユウトウカシュに、どれくらい怖いのか今度きいてみようと、父親が呟いている。


さすが、この家系だけあって、女性は怖いと言う事らしい――


初代からユウトウカシュまでの奥さんが全員旦那が頭が上がらないと言う話があるくらいなので、逆鱗は触れないようにしないといけないと二人は誓うのだった。

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