無邪気な少女の異世界冒険記

敷島楓

第56話 お爺ちゃんの家に長くお泊り【中編:稽古1】

「あれ?」


なんで、僕は、お姉様の胸の上で寝かされてるだ?


僕が動くと、お姉様が目が覚める。


「おはよう、マリア――」


僕の唇が奪われる。


何もなかったように、キスをして起きる。


お姉様に聞いてみた。


僕、いつのまに、お姉様の上で寝てしまったのですかね?


「あぁ、私が夜寒かったからマリアを抱いてねただけかな?」


「なるほど、温もりは暖かいですからね」


「それもあるけど、マリアを抱いて寝てると良い匂いもするし、抱き心地も良いし、良くねむれるのよ!」


「なんかすごい内容が、含まれていましたが、おはよございますお姉様」


「今日て、稽古したり勉強したりするだよね?」


「そうですね」


「あ、後でお姉様に、スキルシートつくりますね」


「何種類か覚えてもらいたいスキルあるので、整理したのちに、スクロールで渡します」


「いつもすまないね~」


「それは、言わない約束だよ」


など二人でじゃれあっていると下から声が聞こえる。


「ウィンちゃんとマリアちゃんご飯だから下りておいで――」


お爺ちゃんの声が聞こえる。


確かに、甘い焼けたパンの匂いがする。


するとお父様から念話が……


「マリアか、おはよう~」


「聞いたぞ、マリアの初めてを味わったて親父から電話があったぞ!」


念話の後ろから何かを引きずる音が聞こえる。


椅子かな?


ゴンと音がすると、お母様の声が聞こえる。


「マリア帰ってきたら、私にも料理何か作ってね」


凄い重みのある言葉が呟かれる。


「もちろんつくりますよ?」


「取りあえずお父様の始末だけをお願いします」


「意味不明の電話は、辞めて下さいと言っておいてください」


「あまり変な事を言うと、お父様の大好きなシルフィーお爺ちゃんにいいますよとお伝えください」


「解ったわ」


「気を付けて残りの宿泊楽しんでらっしゃい」


「ウィンも何かいいなさいよ!」


「お母様おはようございます」


「マリアの料理最高でした」


「以上です!」


「ま、良いわ」


「取りあえずユウトを張り付け……じゃなくて干してくるからまたね」


念話が切れる。


「お爺ちゃんが、たぶんお父様を煽ったみたいだね~」


二人は、苦笑いしながら下へと向かい。


食卓へと足を運ぶのだった。


食卓に近づくほどパンの香りがする。


扉を押してあけると?


一斉に、お爺ちゃん達が――


「ウィンちゃんとマリアちゃんおはよう~」


全員の声がはもり挨拶される。


僕とお姉様は、一緒に――


「おはようございますお爺ちゃん!?」


満面な笑顔で、大きな声で挨拶する。


一人のお爺ちゃんが、なんだか解らないが感動したよと泣いている。


もう一人のお爺ちゃんがそれをみて解ると言っている。


僕たちは、それを見て、どうしたの?


みたいな顔をして、食卓に進む。


あ、そうだ……


シルフィーお爺ちゃんに、ちょっと用事があるからお姉様は、ここにと言う。


シルフィーお爺ちゃんの所に行き、お爺ちゃんかがんでくださいと僕が言う。


小声で、家に電話しましたよねと僕が聞くと?


「息子から変な電話でもきたか?」


「はい、きましたと伝える」


「そうか……」


「それで、マリアちゃんは、それを聞きにきたの?」


「いえいえ、ちょっと悪戯に、きました」


僕は、満面な笑顔のまま近づき――


頬に、キスをして――


「シルフィーお爺ちゃん昨日の夜の挨拶のお返しです」


そして、駆け足で、お姉様の所に戻ると?


空気が温度が下がったかのように、周りがなる。


シルフィーさん後で、ちょっといいですか?


残りのお爺ちゃん達が低い声で言われる。


珍しくシルフィーお爺ちゃんは、慌てている。


僕とお姉様は、挨拶してきたんだねと普通の会話


そう、これは、家では、日常の挨拶だが……


ここでは、可愛い孫に、頬にキス!


夜も朝もとなるときっとこうなる事は、解っていたのでお返し。


シルフィーお爺ちゃんお口軽すぎですと僕は、お姉様とじゃれあいながら小声で呟く。


そして、今日も美味しい朝食が始まる。


焼き立てのパンに、野菜たっぷりのスープに、こんがり照り焼きの肉がどっさりと置かれている。


起きた時点で、水色の液体は、飲んでいるので、七歳バージョンになっている。


昔お姉様が、これを飲もうとした事があった。


飲んだら七歳大きくなると思ってたらしいが、実際に飲んだら変わらない姿だった。


七歳以上になるのは、今研究中の為、当分は、出来ないだろう。


さて、スープを冷ましながら、パンを頬張ると香ばしバターの味が口いっぱいに広がる。


お姉様は、照り焼きの肉を食べている、口のまわりが照り焼きのタレだらけだったので、拭く物が見当たらないので、僕は、下でタレをぺろと舐めてから食事を再開する。


すると、お姉様の箸が止まる――


「マ、マリア!」


「どうしましたお姉様?」


「今何か凄い事された気がしたんだけど!」


「何かありました?」


「私の口の周りが綺麗になってる!」


「あ、あぁ~」


「なるほど、拭く物がなかったので、ペロと舐めちゃいました」


「キスするのとさほど変わりないですし、良いかなと思いまして……」


「お姉様ですし、別にいいかなと思ってやりましたが、迷惑でしたか?」


「違うの!」


「逆に嬉し過ぎただけ!」


「なら問題ないです」


そんな会話を二人でしていると?


何人かのお爺ちゃんが、スープをこぼして熱ぃ~ と叫んでいる。


ダイトカイトお爺ちゃんは、本当に仲の良い姉妹だと言っている。


僕は、食事をしながら今日やる事を聞いてみた。


リュウテイお爺ちゃんとフォ―スペルお爺ちゃんとダイトカイトお爺ちゃんが僕に、魔法とか召喚とかの勉強を教えてくれると言っている。


お姉様は、シルフィーお爺ちゃんに、雑学を学んだ後で、他のお爺ちゃん達に、色んな武術を習うらしい――


僕は、先ほど作った紙のロールを何枚か渡す。


「マリアこの紙のロールなに?」


『短剣術』・『剣術』・『詠唱破棄』・『魔力強化』・『消費MP激減』・『身体能力激化』・『HP回復速度激化』・『MP回復速度激化』・『魔弾弓技/短剣技/剣技』・『結界』


十個の紙のロールを渡す。


お爺ちゃん達が騒ぎ出す。


「マリアちゃんが居れば魔法と体術系が覚えたい放題だねと言う」


「僕は、それは、違いますと言う」


「限定系は、流石に、覚えられません」


「例えばお姉様に、再生の紙のスクロールを作りましたが、失敗しました」


「今の所作れそうなのを渡しただけです」


「今後研究が必要だと僕は、思っています」


「それより冷めないうちに、朝ごはんたべましょう」


お姉様にロールを渡してから、ご飯を再開する。


数時間ゆっくりとご飯を食べ終わると?


一時間休憩したら、二人とも別れて稽古つけるからとお爺ちゃん達に言われる。


そして、二人は、別れて稽古を始める。


お姉様は、休憩中に、僕が作ったロールを読み終えてから稽古へと入る。


「マリアちゃんは、この間の魔術書の召喚をすこしずつやっていきながら、覚えていこうと言われる」


「倒せば経験値が全員に、入る」


「それも二倍になって入る」


「ブラックローズお爺ちゃんのスキルが関係してるらしいけど?」


「レアスキル過ぎて、今の所たぶん世界で一人だけしか持ってないスキルかも」


そんなスキルがあるとは、知らなかったがスキルの奥深さを知る。


そして、稽古が始まるのだった。

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