ep.if 21話久年の再会

　サイ・エンサーが扉を開くその頃スミス、ヴァルキリーの二人は百体の天使を相手に接戦を繰り広げていた。

「まだ持ちそうか」

「まだまだこれからです」

　一言交わし、また戦い始める。そうして既に数分が経過していた。

　変化が生じたのはすぐ後、遥か上空から光の柱が降りてきてからだ。あまりに非常識な出来事に目を奪われたヴァルキリーはすぐ様数体の天使に囲まれてしまった。

　しまったと思うも彼女の体は硬直して動かなかった。これから起こるだろう自らの終わりを予感していた彼女の予測を裏切った者がいた。

「ハアアア！！」

　一息に数体の天使を屠り、息を切らしながらも綺麗な構えを保つ少年がいた。少年は右手に薙刀、左手に刀という不思議な組み合わせを自らの手足の如く扱っていた。

　そしてなにより、彼の周りは光り輝くオーラが漂っていた。何処か神聖さを感じるほどに､､､。

「助かりました」

　ヴァルキリーは先の失敗を繰り返さぬよう短い感謝を述べた後脳裏でそんなことを考えていた。

　再び時間が経ち、数分後全ての天使が地に落ちた時彼らの目の先にはワープゲートが生じていた。いつからそこに存在していたか3人の誰も分からなかったが、少なくとも油断は出来ないことだけは確かだった。

「待たせたの。いや久しぶり、と言った方がいいかの？」

　だが、その心配は急に終わる。そして誰よりもスミスがいち早く事実に気づいた。

「､､､なんだその口調は。久し方に会ったというのに随分と変わったものだな」

「それはお互い様じゃろうて。そんなことより早うせんと奴・が現れてしまうぞ」

　ワープゲートかれ現れたのは年端も行かぬ少女にしか見えぬ神の成れの果て、アベルだ。また彼女が来たということは彼女の連れてきたもの達もいるということだ。

　今ここに総勢20名ほどの会議、神を名乗るものへの反逆を遂げるための最終調整が行われようとしていた。