運命には抗えない
ep.2 22話 刺突破岩拳
   ーアネモニーsideー
「これだけ?」
   そう言い捨て、僕は敵を貫いた刀を引き抜いた。
「ぐふっ、、、」
   終わってみれば実にあっけなかったと思う。最初こそ訳の分からない言動に惑わされていたけど動きは単純だったから倒すのは容易だった。
「ふふ、、、。ワタシに勝った程度で喜ばない方がいいわよ?ワタシ達海賊、もとい宇宙賊の中にはワタシよりも強い人達がたぁくさんいるのよ?」
   捨て台詞だろうか、そんなことを言いながらこと切れた。だが、今僕がいる場所のすぐ後ろには大砲班がいる。
   そろそろ全員が持ち場に着くだろうけど、それまでは無防備だ。だから、1人も僕より後ろに行かせては行けない。
   その時、視界の右端が揺れた感覚があった。異変かと思いそっちに向こうとした瞬間に右肩に激痛が走り、右手に持つ薙刀を落としてしまった。
   薙刀を拾う前に状況を確認しようと左手に持つ刀を構えたが1歩遅かった。
「ぐあああ!!」
   その叫び声は僕の後ろ、つまり大砲班の方から聞こえた。
「あぁ、脆い脆い。この星の人間はみぃんな脆いのかぁ」
   そこには武器を何も持たず素手で鎧を貫いた男が立っていた。
   そして、もう興味をなくしたようにその手を引き抜いた。その男は血に濡れたその手を見て口角を吊り上げながら高らかに叫んだ。
「ホッホーゥ!私は刺突破岩拳の使い手、チャン・フー!私の手に貫けぬもの無し!」
「へぇ、ならこの防御を貫いてみな」
   チャン・フーなる男の宣言から1秒と経たず現れたのは鬼滅団第4師団団長ホーリーナイトだった。
   彼は身に全身に纏う鎧など無いかのように素早い動きで神器エクスカリバーを振り下ろした。
「フゥー。中々良い動きだぁ。とても鎧を装備しているとは思えないねぇ」
  チャン・フーが言っていることは事実だった。実際に彼は鎧を装備していない。
「お前がそれを知る必要はない」
   なぜ鎧を装備していると認識しているのかと言うと、それは神器エクスカリバーにあった。現在ホーリーナイトが持っているエクスカリバーには2つの能力が宿っている。
   1つは聖鎧纏合。読んで字の如く、聖なる鎧をその身に纏うことである。この鎧は実体を持たずエネルギーを主として在るため質量はない。故にホーリーナイトは鉄壁の防御を持ちながら素早く動けるのである。
   もう1つは自然治癒だ。これもまた同じく体の治癒能力を極限まで高めることである。
   このことからホーリーナイトは別にフォートレスという二つ名を持っている。
「そうかそうか。君はその装備に絶対の信頼を寄せてるんだねぇ。だから、防御を気にせずずっと攻撃できるんだなぁ」
「そうだとして、お前は避けることに必死で攻撃する暇がないんじゃないのか?他人の弱点探ってる暇があったら、攻撃してきたらどうだ?」
   2人ともこの会話で何かを見出そうとはしていなかった。それ以前に簡単に相手を倒せる方法があるからだ。
   それは隙。そう、絶対的の隙だ。何も弱点なんてものを探らずとも隙さえあれば相手は瓦解する。
   そしてそれを先に掴んだのはチャンだった。
「では、その申し出受けようか」
   呟いた瞬間彼は目にも止まらぬ速度でホーリーナイトの懐に飛び込み刺突破岩拳を打ち込もうとした。
   一瞬怯んだホーリーナイトだったが、敵が自分の防御に阻まれた時を狙ってカウンターを仕掛けようとした。
   しかし、それが不味かった。少しでも避けることに意識を向けていれば、もしかしたら最悪の結果にはならなかったかもしれない。
「あっ、、、」
   チャンがホーリーナイトの鎧を貫いたのだ。
「これだけ?」
   そう言い捨て、僕は敵を貫いた刀を引き抜いた。
「ぐふっ、、、」
   終わってみれば実にあっけなかったと思う。最初こそ訳の分からない言動に惑わされていたけど動きは単純だったから倒すのは容易だった。
「ふふ、、、。ワタシに勝った程度で喜ばない方がいいわよ?ワタシ達海賊、もとい宇宙賊の中にはワタシよりも強い人達がたぁくさんいるのよ?」
   捨て台詞だろうか、そんなことを言いながらこと切れた。だが、今僕がいる場所のすぐ後ろには大砲班がいる。
   そろそろ全員が持ち場に着くだろうけど、それまでは無防備だ。だから、1人も僕より後ろに行かせては行けない。
   その時、視界の右端が揺れた感覚があった。異変かと思いそっちに向こうとした瞬間に右肩に激痛が走り、右手に持つ薙刀を落としてしまった。
   薙刀を拾う前に状況を確認しようと左手に持つ刀を構えたが1歩遅かった。
「ぐあああ!!」
   その叫び声は僕の後ろ、つまり大砲班の方から聞こえた。
「あぁ、脆い脆い。この星の人間はみぃんな脆いのかぁ」
   そこには武器を何も持たず素手で鎧を貫いた男が立っていた。
   そして、もう興味をなくしたようにその手を引き抜いた。その男は血に濡れたその手を見て口角を吊り上げながら高らかに叫んだ。
「ホッホーゥ!私は刺突破岩拳の使い手、チャン・フー!私の手に貫けぬもの無し!」
「へぇ、ならこの防御を貫いてみな」
   チャン・フーなる男の宣言から1秒と経たず現れたのは鬼滅団第4師団団長ホーリーナイトだった。
   彼は身に全身に纏う鎧など無いかのように素早い動きで神器エクスカリバーを振り下ろした。
「フゥー。中々良い動きだぁ。とても鎧を装備しているとは思えないねぇ」
  チャン・フーが言っていることは事実だった。実際に彼は鎧を装備していない。
「お前がそれを知る必要はない」
   なぜ鎧を装備していると認識しているのかと言うと、それは神器エクスカリバーにあった。現在ホーリーナイトが持っているエクスカリバーには2つの能力が宿っている。
   1つは聖鎧纏合。読んで字の如く、聖なる鎧をその身に纏うことである。この鎧は実体を持たずエネルギーを主として在るため質量はない。故にホーリーナイトは鉄壁の防御を持ちながら素早く動けるのである。
   もう1つは自然治癒だ。これもまた同じく体の治癒能力を極限まで高めることである。
   このことからホーリーナイトは別にフォートレスという二つ名を持っている。
「そうかそうか。君はその装備に絶対の信頼を寄せてるんだねぇ。だから、防御を気にせずずっと攻撃できるんだなぁ」
「そうだとして、お前は避けることに必死で攻撃する暇がないんじゃないのか?他人の弱点探ってる暇があったら、攻撃してきたらどうだ?」
   2人ともこの会話で何かを見出そうとはしていなかった。それ以前に簡単に相手を倒せる方法があるからだ。
   それは隙。そう、絶対的の隙だ。何も弱点なんてものを探らずとも隙さえあれば相手は瓦解する。
   そしてそれを先に掴んだのはチャンだった。
「では、その申し出受けようか」
   呟いた瞬間彼は目にも止まらぬ速度でホーリーナイトの懐に飛び込み刺突破岩拳を打ち込もうとした。
   一瞬怯んだホーリーナイトだったが、敵が自分の防御に阻まれた時を狙ってカウンターを仕掛けようとした。
   しかし、それが不味かった。少しでも避けることに意識を向けていれば、もしかしたら最悪の結果にはならなかったかもしれない。
「あっ、、、」
   チャンがホーリーナイトの鎧を貫いたのだ。
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