運命には抗えない
ep.2 15話 会議
ここは王都の城の中の会議室。その部屋の円卓を囲むのは第2師団団長以外の9人の鬼滅団の団長達だった。もちろんその中には第10師団団長のヴァルキリーの姿もある。
「それじゃ、会議を始めよう」
そう宣言したのは第1師団の団長だった。2つ名はグランブレイバー。実質的な鬼滅団の総団長だ。実力は言わずもわかる通り、鬼滅団でも屈指の強者だ
「会議ったって、全員ぶっ殺すだけだろ?簡単じゃないか」
ぶっきらぼうに返したのは第3師団団長で2つ名はグリム。こう見えて鬼滅団最強と呼ばれる実力をもち、それはグランブレイバーをも凌駕するとも噂される。
「だから、そのぶっ殺す方法を決めるのが今回の会議でしょ?」
嘆息と共に呟いたのは第7師団団長、マッドネス。普段の彼女は誰よりも落ち着いているが、戦闘となると途端に性格が反転し、理性を失う。
「アァ?んなもん分かってんだよ!」
「まあまあ、落ち着いてください。ここで争っていても何にもなりませんよ」
殺伐としてきた空気を宥めようとしているのは第4師団団長、2つ名はホーリーナイト。ヴァルキリーに次ぐ新人団長だが、グランブレイバーの教え子だからか、いつも会議の仲裁役を務めている。
そして、ここまではいつも通りの会議の始まり方だった。普通なら、ここから話されるのは鬼についてだ。もちろん、皆そう思っていた。たった1人、グランブレイバーを覗いて。
「今回の会議は鬼についてじゃない。相手は人間、、、かもしれない」
「珍しく抽象的ですね。何か問題が?」
他の団長達が驚きで固まっている中、唯一発言したのは第6師団団長で2つ名はジーニスだった。彼は戦略行動の立案に突飛しており、また指揮官としても無類の統率力を見せる。
「ハァ?人間だと?なら、警備団にでも任せていればいいだろ?なんでそんなことはやらなきゃいけねぇんだよ!」
一泊遅れてグリムが発言したが、これは他の団長達も同様のことを考えていた。
「今回のことは警備団の皆に任せるのは些か無理があってね。それで異例だけど鬼滅団に案件が回ってきたんだ」
「へぇ、警備団が相手できないくらい強い人がいるの?」
第9師団団長、2つ名はフレイ。鬼滅団随一のイケメンであることから、第9師団は他よりも女性団員の割合が多い。
「いいや違う。相手は第2師団を全滅させた奴らなんだ」
グランブレイバーの発言に会議場は一瞬で静かになった。なぜなら、第2師団を全滅させたという報せは皆知っていたからだ。また、第2師団は個々の戦闘力で言えば、各団長レベルとは行かずともそれ相応の強さを持っていた。
そう、純粋な戦闘力で最強の第2師団が全滅させた程の敵についての会議という事をこの時皆が意識した。
「第2師団がなき今、鬼滅団に圧倒的な力を持つ者たちがいなくなってしまった。そして、奴らは攻略後の帰還中の我々第1師団にこう言った。「すぐにまた戻ってきてやる」と」
「待って下さい。今の言葉通りなら、グランブレイバーの言う通りなら、第1師団は奴らに会った事があるのですか?」
驚きながらもそう問いたのは大10師団団長、ヴァルキリーだった。最年少で鬼滅団に入団した彼女の実力は計り知れないが、自分が1番の新人ということもあってか少し萎縮している。
「ああ、そうだね。せっかくだから、奴らの特徴を話しておこうか。奴らの外見は黒髪黒目でこれと言った違いは見受けられなかった。そして、全身を金属で覆っていた」
「全身、、、。それは、、、フル、、、プレート、、、メイル、、、の類い、、、?」
応えたのは第8師団団長のサイレントだった。普段が無口であるためか口調がたどたどしい。
「それも違う、、、と思う。奴らの防具は体に直接張りつけているんじゃないかって言うくらいのものだった」
そこまで言うと皆黙り込んでしまった。
敵の防具性能はどうなのか、第2師団を全滅させたという事は並の装備ではなかったのか、敵の数は、、、
、、、いつ攻めてくるのか
皆がその疑問に行き着いたであろう時にグランブレイバーは話した。
「そう、問題はいつ攻めてくるか。ここからは仮説になるけどいいかな?」
団長達がそれぞれで同意するのを見てから話し始めた。
「まず、奴らの元々の戦力から話そうか。これは今の我々では推し量ることは不可能だ。なぜなら、誰1人その場に居合わせなかったからね。でも事後の戦力はわかる。確認しただけでも数は5000はあった。そして、第2師団の団員数は3000弱だ。ここまではいいかな?」
ここまで、グリム以外は皆納得していた。グリム自身初めから理解できるとは思っていなかったようでここでは落ち着いていた。彼自身も別にこの場を荒らしたいほど不良ではない。
「きっと奴らは事前に5000以上の大群を用意していたんだろうね。でも第2師団の思わぬ強さに戦力を消耗してしまった。そして、引き返した。つまり、引き返す程の戦力を失ったんじゃないかと思うんだ。それで、次来るとしたら確実性を持ってせめて来ると思う。具体的な数で言うと3万は来るだろうね。第2師団を全滅させたのは先発隊だろうから。、、、まあ全部仮説なんだけどさ」
そして再びの静寂。今度はグリムも含めた全員がことの重さを再認識した。いや正しくは、重くなったのを感じたと言うべきかもしれない。
この静寂の中誰も声を発することが出来なかった。次に求められる言葉は解決策だと分かっていたからだ。その時急に会議室の扉が開かれ、室内の全員がそちらを凝視した。
「待たせたな」
次回、最後の声の正体と第5師団の団長の2つ名が公開?
「それじゃ、会議を始めよう」
そう宣言したのは第1師団の団長だった。2つ名はグランブレイバー。実質的な鬼滅団の総団長だ。実力は言わずもわかる通り、鬼滅団でも屈指の強者だ
「会議ったって、全員ぶっ殺すだけだろ?簡単じゃないか」
ぶっきらぼうに返したのは第3師団団長で2つ名はグリム。こう見えて鬼滅団最強と呼ばれる実力をもち、それはグランブレイバーをも凌駕するとも噂される。
「だから、そのぶっ殺す方法を決めるのが今回の会議でしょ?」
嘆息と共に呟いたのは第7師団団長、マッドネス。普段の彼女は誰よりも落ち着いているが、戦闘となると途端に性格が反転し、理性を失う。
「アァ?んなもん分かってんだよ!」
「まあまあ、落ち着いてください。ここで争っていても何にもなりませんよ」
殺伐としてきた空気を宥めようとしているのは第4師団団長、2つ名はホーリーナイト。ヴァルキリーに次ぐ新人団長だが、グランブレイバーの教え子だからか、いつも会議の仲裁役を務めている。
そして、ここまではいつも通りの会議の始まり方だった。普通なら、ここから話されるのは鬼についてだ。もちろん、皆そう思っていた。たった1人、グランブレイバーを覗いて。
「今回の会議は鬼についてじゃない。相手は人間、、、かもしれない」
「珍しく抽象的ですね。何か問題が?」
他の団長達が驚きで固まっている中、唯一発言したのは第6師団団長で2つ名はジーニスだった。彼は戦略行動の立案に突飛しており、また指揮官としても無類の統率力を見せる。
「ハァ?人間だと?なら、警備団にでも任せていればいいだろ?なんでそんなことはやらなきゃいけねぇんだよ!」
一泊遅れてグリムが発言したが、これは他の団長達も同様のことを考えていた。
「今回のことは警備団の皆に任せるのは些か無理があってね。それで異例だけど鬼滅団に案件が回ってきたんだ」
「へぇ、警備団が相手できないくらい強い人がいるの?」
第9師団団長、2つ名はフレイ。鬼滅団随一のイケメンであることから、第9師団は他よりも女性団員の割合が多い。
「いいや違う。相手は第2師団を全滅させた奴らなんだ」
グランブレイバーの発言に会議場は一瞬で静かになった。なぜなら、第2師団を全滅させたという報せは皆知っていたからだ。また、第2師団は個々の戦闘力で言えば、各団長レベルとは行かずともそれ相応の強さを持っていた。
そう、純粋な戦闘力で最強の第2師団が全滅させた程の敵についての会議という事をこの時皆が意識した。
「第2師団がなき今、鬼滅団に圧倒的な力を持つ者たちがいなくなってしまった。そして、奴らは攻略後の帰還中の我々第1師団にこう言った。「すぐにまた戻ってきてやる」と」
「待って下さい。今の言葉通りなら、グランブレイバーの言う通りなら、第1師団は奴らに会った事があるのですか?」
驚きながらもそう問いたのは大10師団団長、ヴァルキリーだった。最年少で鬼滅団に入団した彼女の実力は計り知れないが、自分が1番の新人ということもあってか少し萎縮している。
「ああ、そうだね。せっかくだから、奴らの特徴を話しておこうか。奴らの外見は黒髪黒目でこれと言った違いは見受けられなかった。そして、全身を金属で覆っていた」
「全身、、、。それは、、、フル、、、プレート、、、メイル、、、の類い、、、?」
応えたのは第8師団団長のサイレントだった。普段が無口であるためか口調がたどたどしい。
「それも違う、、、と思う。奴らの防具は体に直接張りつけているんじゃないかって言うくらいのものだった」
そこまで言うと皆黙り込んでしまった。
敵の防具性能はどうなのか、第2師団を全滅させたという事は並の装備ではなかったのか、敵の数は、、、
、、、いつ攻めてくるのか
皆がその疑問に行き着いたであろう時にグランブレイバーは話した。
「そう、問題はいつ攻めてくるか。ここからは仮説になるけどいいかな?」
団長達がそれぞれで同意するのを見てから話し始めた。
「まず、奴らの元々の戦力から話そうか。これは今の我々では推し量ることは不可能だ。なぜなら、誰1人その場に居合わせなかったからね。でも事後の戦力はわかる。確認しただけでも数は5000はあった。そして、第2師団の団員数は3000弱だ。ここまではいいかな?」
ここまで、グリム以外は皆納得していた。グリム自身初めから理解できるとは思っていなかったようでここでは落ち着いていた。彼自身も別にこの場を荒らしたいほど不良ではない。
「きっと奴らは事前に5000以上の大群を用意していたんだろうね。でも第2師団の思わぬ強さに戦力を消耗してしまった。そして、引き返した。つまり、引き返す程の戦力を失ったんじゃないかと思うんだ。それで、次来るとしたら確実性を持ってせめて来ると思う。具体的な数で言うと3万は来るだろうね。第2師団を全滅させたのは先発隊だろうから。、、、まあ全部仮説なんだけどさ」
そして再びの静寂。今度はグリムも含めた全員がことの重さを再認識した。いや正しくは、重くなったのを感じたと言うべきかもしれない。
この静寂の中誰も声を発することが出来なかった。次に求められる言葉は解決策だと分かっていたからだ。その時急に会議室の扉が開かれ、室内の全員がそちらを凝視した。
「待たせたな」
次回、最後の声の正体と第5師団の団長の2つ名が公開?
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