運命には抗えない
ep.2 7話 城主
ーアネモニーsideー
この城、トラデリー城に来てから1週間が経った。だが、相変わらずイアという少女は僕の傍にいた。
「ねぇ、イア」
「ん?なーに?」
「なんでいつも僕に着いてくるんだい?」
そう、この少女はことある事に僕に着いてこようとする。それがまだ城の中でならいいのだが、外まで一緒についてこようとする。
流石に外ではいつ鬼がでてくるか分からないので必死に説得するけど、、、。余談だけど、城の中にいて、鬼を討伐できる人は基本外にでて鬼を狩ってくる。
討伐の証明品は角である。その個数で報奨金が支払われるのだが、鬼には1本角と2本角がある。それでも報奨金が異なってくるので、それでいつも揉めている。
ちなみに、鬼を討伐する人をスレイヤーとよび、角を換金する施設を集積所、そこで働く職員をトレーダーと呼ぶ。僕はもちろんスレイヤーに位置する。また、別段ランクとかノルマとかもないので、一応スレイヤーに登録だけしている人もいる。
話がそれてしまった。それで返答は、
「んー、家には帰りたくないの」
あれ?いつもの元気がない?
まあ、人には一つや二つくらい着られたくないこともあるだろうからね。あまり聞かないでおこうかな。
「お父様の大事な壺を割ってしまったの」
「いや、そこはちゃんと謝れば分かってくれるんじゃないの?」
「あとね、あたしの事苦しめてくるの、、、」
ん?もしかして、虐待ってやつか?もしそうだとしたら放っては置けないな。
「よし、それじゃあ僕が何とかしてあげるよ」
「え?ほんと!?」
そうしたら、もう僕には着いてこないはずだからね。
「うん、ところで君のお父さんはどこにいるのかな?案内してくれ」
「わかった。着いてきて!」
そう言うと走っていってしまった。
「ん?早すぎだろ」
全速力で追いかけました。
それから10分後。
「はぁ、はぁ、やっと置いた着いた。で、ここに君のお父さんがいるの?」
「うん、、、」
心なしか先程よりも元気が無くなっている様子。そんなイアから目を離し、目の前を見てみると、
「ここって、城主館?」
「そうだよ?」
城主館とは、文字通りその城で一番偉い人が住む場所だ。そんな場所に父親がいるとすれば、、、。
「イア、君って本来出歩いちゃダメな人なんじゃ、、、」
「うっ、なんでアモ君までそんなこと言うの!まるでお父様だよ」
そりゃあ、ねぇ。城主の娘ともなれば誘拐とかあるかもしれないし、その判断は正しいと思うんだけど。
「まあまあ、それより早く入ろうか」
「う、うん、、、。」
そうして、嫌々ながらもイアは城主館の扉を開けた。
「イ、イアです、、、。ただいま、戻りました」
「おお!イアじゃないか!良く戻ってきたねぇ。私は嬉しいよ!」
そうして、中から飛び出してきたのは黒髪にパーマをかけたような髪型をした壮年の男性だった。体は細身で城主にしてはかなり筋肉が引き締まっている。
そんな男性、おそらくイアのお父さんであろう人はイアを見つけた途端力強く抱きしめていた。そう力強く、、、。
「お、どぅ、、、ざん。ぐる、、、じぃ」
「おっと、ごめんな。久しぶりに会えたから愛おしくてね。ところで、そこにいる君は?」
どうやら、今僕の存在に気付いたらしい。
「僕はアネモニーです。ここまでイアを連れてきたんです。あとは用はないので、帰りますね。それでは」
「ちょ、待ってよ。お父様の問題を一緒に解決してくれるんじゃなかったの?」
いやだって、どう見てもお父さんは君の事苦しめないでしょ。この親バカっぷりだぞ?それに君が言ってた苦しめてくるのってさっきの暑い抱擁の事なんじゃ、、、。
と、言おうとしたが、先にお父さんが話した。
「何!?私に問題があるのかい?なんでも言ってくれ、すぐに治すから!」
お父さんはそう言いながらイアの肩をガシッと掴んだ。あ、これは、
「痛いよ、お父様」
「おっと、ごめんな。つい熱くなってしまった」
「お父様の問題はそういう所だよ?いつもあたしを苦しめてくるじゃない!本当にやめて!」
「な、これが私の問題なのか、、、。」
どうやら、相当ダメージが入ったようだ。
「だ、だが、、、。まだ娘を嫁にはやらんぞ!アネモニーとやら!分かったな!」
「は?」
そういうとイアのお父さんは領主館の奥へと言ってしまった。なんで嫁なんて話になったんだ?訳が分からない。
「ていうかこれ僕がいなくても良かったんじゃ」
そう思ってイアの方を見ると、
「もう、お父様ったらぁ、、、。まだそういうことは早いし、それにお付き合いだってしていないのに、、、えへへ」
なんだか身をよじらせながらブツブツ言っている。なんなんだこの親子は。こんな人達がこの城を守ってきていたのか。
「カオス過ぎるだろ、、、」
そう思ったけど、そのカオスの中に僕も存在していることに気づいた。
この先無事に生きていける気がしない。
何もかもが上手くいかないアネモニー君。
んまあ、仕方ないですね。作者である私が決めたことなので、、、。
この城、トラデリー城に来てから1週間が経った。だが、相変わらずイアという少女は僕の傍にいた。
「ねぇ、イア」
「ん?なーに?」
「なんでいつも僕に着いてくるんだい?」
そう、この少女はことある事に僕に着いてこようとする。それがまだ城の中でならいいのだが、外まで一緒についてこようとする。
流石に外ではいつ鬼がでてくるか分からないので必死に説得するけど、、、。余談だけど、城の中にいて、鬼を討伐できる人は基本外にでて鬼を狩ってくる。
討伐の証明品は角である。その個数で報奨金が支払われるのだが、鬼には1本角と2本角がある。それでも報奨金が異なってくるので、それでいつも揉めている。
ちなみに、鬼を討伐する人をスレイヤーとよび、角を換金する施設を集積所、そこで働く職員をトレーダーと呼ぶ。僕はもちろんスレイヤーに位置する。また、別段ランクとかノルマとかもないので、一応スレイヤーに登録だけしている人もいる。
話がそれてしまった。それで返答は、
「んー、家には帰りたくないの」
あれ?いつもの元気がない?
まあ、人には一つや二つくらい着られたくないこともあるだろうからね。あまり聞かないでおこうかな。
「お父様の大事な壺を割ってしまったの」
「いや、そこはちゃんと謝れば分かってくれるんじゃないの?」
「あとね、あたしの事苦しめてくるの、、、」
ん?もしかして、虐待ってやつか?もしそうだとしたら放っては置けないな。
「よし、それじゃあ僕が何とかしてあげるよ」
「え?ほんと!?」
そうしたら、もう僕には着いてこないはずだからね。
「うん、ところで君のお父さんはどこにいるのかな?案内してくれ」
「わかった。着いてきて!」
そう言うと走っていってしまった。
「ん?早すぎだろ」
全速力で追いかけました。
それから10分後。
「はぁ、はぁ、やっと置いた着いた。で、ここに君のお父さんがいるの?」
「うん、、、」
心なしか先程よりも元気が無くなっている様子。そんなイアから目を離し、目の前を見てみると、
「ここって、城主館?」
「そうだよ?」
城主館とは、文字通りその城で一番偉い人が住む場所だ。そんな場所に父親がいるとすれば、、、。
「イア、君って本来出歩いちゃダメな人なんじゃ、、、」
「うっ、なんでアモ君までそんなこと言うの!まるでお父様だよ」
そりゃあ、ねぇ。城主の娘ともなれば誘拐とかあるかもしれないし、その判断は正しいと思うんだけど。
「まあまあ、それより早く入ろうか」
「う、うん、、、。」
そうして、嫌々ながらもイアは城主館の扉を開けた。
「イ、イアです、、、。ただいま、戻りました」
「おお!イアじゃないか!良く戻ってきたねぇ。私は嬉しいよ!」
そうして、中から飛び出してきたのは黒髪にパーマをかけたような髪型をした壮年の男性だった。体は細身で城主にしてはかなり筋肉が引き締まっている。
そんな男性、おそらくイアのお父さんであろう人はイアを見つけた途端力強く抱きしめていた。そう力強く、、、。
「お、どぅ、、、ざん。ぐる、、、じぃ」
「おっと、ごめんな。久しぶりに会えたから愛おしくてね。ところで、そこにいる君は?」
どうやら、今僕の存在に気付いたらしい。
「僕はアネモニーです。ここまでイアを連れてきたんです。あとは用はないので、帰りますね。それでは」
「ちょ、待ってよ。お父様の問題を一緒に解決してくれるんじゃなかったの?」
いやだって、どう見てもお父さんは君の事苦しめないでしょ。この親バカっぷりだぞ?それに君が言ってた苦しめてくるのってさっきの暑い抱擁の事なんじゃ、、、。
と、言おうとしたが、先にお父さんが話した。
「何!?私に問題があるのかい?なんでも言ってくれ、すぐに治すから!」
お父さんはそう言いながらイアの肩をガシッと掴んだ。あ、これは、
「痛いよ、お父様」
「おっと、ごめんな。つい熱くなってしまった」
「お父様の問題はそういう所だよ?いつもあたしを苦しめてくるじゃない!本当にやめて!」
「な、これが私の問題なのか、、、。」
どうやら、相当ダメージが入ったようだ。
「だ、だが、、、。まだ娘を嫁にはやらんぞ!アネモニーとやら!分かったな!」
「は?」
そういうとイアのお父さんは領主館の奥へと言ってしまった。なんで嫁なんて話になったんだ?訳が分からない。
「ていうかこれ僕がいなくても良かったんじゃ」
そう思ってイアの方を見ると、
「もう、お父様ったらぁ、、、。まだそういうことは早いし、それにお付き合いだってしていないのに、、、えへへ」
なんだか身をよじらせながらブツブツ言っている。なんなんだこの親子は。こんな人達がこの城を守ってきていたのか。
「カオス過ぎるだろ、、、」
そう思ったけど、そのカオスの中に僕も存在していることに気づいた。
この先無事に生きていける気がしない。
何もかもが上手くいかないアネモニー君。
んまあ、仕方ないですね。作者である私が決めたことなので、、、。
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