運命には抗えない
13話 異形
-音無 零side-
それは、人型をした人ならざる存在だった。ところどころから配線のようなものが飛び出ており、時々内部の熱を逃がすかのようにシューシューと空気を吐き出している。
そんなものをたっぷり10秒間眺めた後、それー異形はこちらを見た。直後、異形は動き出した。先程ののろのろとした動きではなく、腕(実際腕かはわからないが)を前後に振るった走りだ。
「お、おい!逃げるぞ!」
もちろん、何から逃げるのかは言うまでもない。俺がそう言うと二人も走り出した。常人ならばこのような突発的な行動などできずにただ固まっていただろう。しかし、そこは終魔学園の学生だけあって固まることはない。
ただ逃げるのでは、いつか捕まるか、はぐれてしまうだろう。そう考えた俺は指示を飛ばす。
「港だ!俺たちがこの船に乗ってきたときの港を目指すぞ!あそこならだれかしらがいるはずだ。そこまで走り切るぞ!」
「「了解!」」
そこまでいった後はただがむしゃらに走った。何故か通り道誰ともあわなかったが、気にしている余裕などなかった。
逃げ始めてから数十分経っただろうか。やっとの思いで港に辿り着いたのだが、驚いたことに俺たち以外にも港に来ている学生たちがいた。するとみなそれぞれ形は違えど異形に襲われたそうだ。
パチパチ
不意にどこからか拍手する音が聞こえた。
「やあ、すごいすごい。初見であのロボットから逃げ切るとは。改めて称賛しよう、終魔学園の学生諸君。僕は、サイ・エンサーだよ!よろしく。今日僕がここにやってきたのは君たちと,,,いや、立花君と交渉するために来たんだ。内容は至って至極単純、君はこの船に残れ。従わなければ,,,わかるよね?」
「な?」
俺はそんな声しか出なかった。だって、今まで一緒に長い間いたんでぞ。それを見ず知らずのこんな男に預けらるわけがないだろう。
「なぜですか?」
俺が聞く前に優希自身で聞いた。
「そうだね、理由を説明しなきゃ君たちは理解しないよね。まず最初に、優希君は我々に協力してくれるにあたって、一番都合のいい相手だからだ。最近は大分収まったようだが、異端な編入生、そのレッテルにより編入当時は周りから忌み嫌われていたらしいね。今でも君がいなくなれば、なんて思ってる学生もいるみたいだからね。もう一つは、君たち今帰る手段ないよね?帰る手段ほしいよね?なら、彼女をこちらに渡すんだ。そうすれば君たち全員を返すことを約束しよう。もし断ったら」
そこまで来て既に周りに先程まで話していた異形が近いていたことに気が付いた。普段ならここまで近かれる前に気付ているが、相当やつの言葉に同様していたのだろう。
「ここで殺す。でもそうだね、今すぐは決断できないだろうから猶予を与えよう。一時間だそれまでに決められなかったら、優希君とあと数名残して殺すから」
一時間,,,たったそれだけの時間で優希の運命が決まってしまうのか。
ー立花 優希sideー
、、、なんで、なんで私が?いやそもそも、なんでこんな事に、、、。地球人は味方では無かったの?
、、、いや違う。本当はそんな事を言いたいんじゃない。まだ、まだ彼に言ってないじゃない。独りぼっちで、何処に行っても浮いていて、毛嫌いされていた私に声を掛けてくれた彼に、思いを伝える前に彼の前から消えるなんて、、、。そんな事、そんな事絶対に出来ない!
確か、今目の前にいる科学者らしき地球人は、何故か私を狙ってる。なら、ここで私が交渉を持ち込めばここにいる人たちを助けられるかもしれない。いや、助けなくちゃダメなんだよね。私にしか出来ないことだもんね、、、。
「ちょっと待って。話したいことがあるの」
私はそう切り出した。他でもない私の思いを伝えるために。
ー音無 零sideー
くそ、あともう少しで1時間だ。何か良い案をそれまでに必ず出さなければ、優希は、優希は、、、。
「なあ、いい案は浮かんだか?」
そういうのは親友ー維新だ。
「いや、、、浮かばない、、、」
「そうか」
このやり取りも何回繰り返しただろうか。既に10回はやったと思う。1時間しないうちにこの数は多いと思うかもしれないが、恐らく体感時間は恐ろしく長い。こんなに長い1時間は初めてだ。試験時の3時間分くらいの思考をしているのではと錯覚する。
そんな事も脳の片隅に追いやり、また思考に没頭する。数ある中の選択肢の中から、最善の、、、いや、優希を助ける選択肢を探す。最善の選択肢はきっとここで優希を差し出すことなのだろう。だが、俺はそうさせなかった。みんなが生きてそれで優希も
生きてられるような、そんな策を模索する。
「ちょっと待って。話したいことがあるの」
その言葉は、唐突に放たれた。他の生徒達やもちろん俺や維新もそちらに向いた。その瞬間みなが驚いた。なぜなら、その言葉の発生源が、この話の中心人物ー優希だったからだ。
どうだったでしょうか?私事ですが、最近パソコンで文字を打ち始めました。お恥ずかしながら、作者あぶそーぶはタイピングが非常に遅いです(だからなんだよって話ですが、、、)。
そしてようやく、この物語の主旨に近づいてきましたね?書いていてとても楽しいです。
誤字等ありましたら、報告宜しくお願いします
それは、人型をした人ならざる存在だった。ところどころから配線のようなものが飛び出ており、時々内部の熱を逃がすかのようにシューシューと空気を吐き出している。
そんなものをたっぷり10秒間眺めた後、それー異形はこちらを見た。直後、異形は動き出した。先程ののろのろとした動きではなく、腕(実際腕かはわからないが)を前後に振るった走りだ。
「お、おい!逃げるぞ!」
もちろん、何から逃げるのかは言うまでもない。俺がそう言うと二人も走り出した。常人ならばこのような突発的な行動などできずにただ固まっていただろう。しかし、そこは終魔学園の学生だけあって固まることはない。
ただ逃げるのでは、いつか捕まるか、はぐれてしまうだろう。そう考えた俺は指示を飛ばす。
「港だ!俺たちがこの船に乗ってきたときの港を目指すぞ!あそこならだれかしらがいるはずだ。そこまで走り切るぞ!」
「「了解!」」
そこまでいった後はただがむしゃらに走った。何故か通り道誰ともあわなかったが、気にしている余裕などなかった。
逃げ始めてから数十分経っただろうか。やっとの思いで港に辿り着いたのだが、驚いたことに俺たち以外にも港に来ている学生たちがいた。するとみなそれぞれ形は違えど異形に襲われたそうだ。
パチパチ
不意にどこからか拍手する音が聞こえた。
「やあ、すごいすごい。初見であのロボットから逃げ切るとは。改めて称賛しよう、終魔学園の学生諸君。僕は、サイ・エンサーだよ!よろしく。今日僕がここにやってきたのは君たちと,,,いや、立花君と交渉するために来たんだ。内容は至って至極単純、君はこの船に残れ。従わなければ,,,わかるよね?」
「な?」
俺はそんな声しか出なかった。だって、今まで一緒に長い間いたんでぞ。それを見ず知らずのこんな男に預けらるわけがないだろう。
「なぜですか?」
俺が聞く前に優希自身で聞いた。
「そうだね、理由を説明しなきゃ君たちは理解しないよね。まず最初に、優希君は我々に協力してくれるにあたって、一番都合のいい相手だからだ。最近は大分収まったようだが、異端な編入生、そのレッテルにより編入当時は周りから忌み嫌われていたらしいね。今でも君がいなくなれば、なんて思ってる学生もいるみたいだからね。もう一つは、君たち今帰る手段ないよね?帰る手段ほしいよね?なら、彼女をこちらに渡すんだ。そうすれば君たち全員を返すことを約束しよう。もし断ったら」
そこまで来て既に周りに先程まで話していた異形が近いていたことに気が付いた。普段ならここまで近かれる前に気付ているが、相当やつの言葉に同様していたのだろう。
「ここで殺す。でもそうだね、今すぐは決断できないだろうから猶予を与えよう。一時間だそれまでに決められなかったら、優希君とあと数名残して殺すから」
一時間,,,たったそれだけの時間で優希の運命が決まってしまうのか。
ー立花 優希sideー
、、、なんで、なんで私が?いやそもそも、なんでこんな事に、、、。地球人は味方では無かったの?
、、、いや違う。本当はそんな事を言いたいんじゃない。まだ、まだ彼に言ってないじゃない。独りぼっちで、何処に行っても浮いていて、毛嫌いされていた私に声を掛けてくれた彼に、思いを伝える前に彼の前から消えるなんて、、、。そんな事、そんな事絶対に出来ない!
確か、今目の前にいる科学者らしき地球人は、何故か私を狙ってる。なら、ここで私が交渉を持ち込めばここにいる人たちを助けられるかもしれない。いや、助けなくちゃダメなんだよね。私にしか出来ないことだもんね、、、。
「ちょっと待って。話したいことがあるの」
私はそう切り出した。他でもない私の思いを伝えるために。
ー音無 零sideー
くそ、あともう少しで1時間だ。何か良い案をそれまでに必ず出さなければ、優希は、優希は、、、。
「なあ、いい案は浮かんだか?」
そういうのは親友ー維新だ。
「いや、、、浮かばない、、、」
「そうか」
このやり取りも何回繰り返しただろうか。既に10回はやったと思う。1時間しないうちにこの数は多いと思うかもしれないが、恐らく体感時間は恐ろしく長い。こんなに長い1時間は初めてだ。試験時の3時間分くらいの思考をしているのではと錯覚する。
そんな事も脳の片隅に追いやり、また思考に没頭する。数ある中の選択肢の中から、最善の、、、いや、優希を助ける選択肢を探す。最善の選択肢はきっとここで優希を差し出すことなのだろう。だが、俺はそうさせなかった。みんなが生きてそれで優希も
生きてられるような、そんな策を模索する。
「ちょっと待って。話したいことがあるの」
その言葉は、唐突に放たれた。他の生徒達やもちろん俺や維新もそちらに向いた。その瞬間みなが驚いた。なぜなら、その言葉の発生源が、この話の中心人物ー優希だったからだ。
どうだったでしょうか?私事ですが、最近パソコンで文字を打ち始めました。お恥ずかしながら、作者あぶそーぶはタイピングが非常に遅いです(だからなんだよって話ですが、、、)。
そしてようやく、この物語の主旨に近づいてきましたね?書いていてとても楽しいです。
誤字等ありましたら、報告宜しくお願いします
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