運命には抗えない

あぶそーぶ

12話 事件

 今日、5月6日。ウィード星人の約6分の1が地球ー正しくは宇宙探索特別部隊(以後特別部隊と言わせていただきます)にだがーに住み込みで地球人に対してウィード星の料理を教えていた。

 そう、ウィード星人は考えていた。少なくとも昨日までは、、、






 この日に至るまで「ウィード星の料理を教えてもらう」以外の交渉をしてきた訳だが、その中に1つ「優秀な学生を特別部隊の軍艦を見学させる」というものがあった。条件に満たす学生ならば、地球の技術を目の当たりにして、よりよい人に育つだろうと決議されたからだ。

 優秀な学生、つまりはウィード星屈指の学校機関である、終魔学園の生徒もその1つである。ただ、特別部隊側もそんなに多い人数を見学させる訳ではなく1000人を上限に指定した。

 だが、その1000人の中に終魔学園の枠は入っていない。その訳は、何故か特別部隊は終魔学園は特別に人数指定なしという条件を付けたからだ。

 これ幸いと終魔学園の理事長は全生徒で見学することを決定した。






 そして、一昨日ー5月4日ーに終魔学園に集合した生徒達は、特別部隊の軍艦に向けて出発した。軍艦なので、それはとても大きい。いや、大きいでは済まない大きさだ。1番小さいものでも全長1kmあるのだ。もちろん、そんなものウィード星にずっと置いて置けるわけないので、ウィード星周辺の宇宙空間に浮遊させてある。

 それでは見学できないと思うかもしれないが、(軍艦の規模に比べれば)小さなシャトルがあるのでそれでウィード星と軍艦を行き来している。初等部の児童なんかはシャトルを見ただけで大興奮していた。

 シャトルに乗って数時間、無事に軍艦ーヘリオスという名前ーに着いた。ヘリオスは全長5kmと特別部隊の中でも最大級で、中央部では、人が6000人住んでいて、かつ余りある程の広大な居住区がある。

 その日は地球の料理を堪能し、(一応学業の一環ということで)地球の技術やそれにまつわる歴史を習った。

 事件が起きたのは、その次の日、5月5日だ。朝起きて、朝ごはんを食べた。そこまでは良かった。その後自由時間を貰ったのだが、その時だ。

 聞きなれない、されどやけに明瞭に聞こえたその声が木霊したのは、

「いやあああああああああああああ」






 ー音無 零sideー

 、、、!?!?

 なんださっきのは、、、

「ね、ねぇ。さっきのって、何?」

 そう呟いたのは俺の友達の優希だ。だが、そんなことはどうでもいい。何?と聞かれても俺にも分からない。自由時間で各自与えられた部屋ですごすことが許可されて、俺の部屋には俺含めて3人いた。1人は言った通り優希。もう1人は、

「何って、悲鳴、、、だろ」

 親友の維新だ。

 悲鳴?いやそもそもなんで音だと思っていたんだ?

 いや、そんなこともどうでもいい。重要なのは何故悲鳴が聞こえたかだ。まず、それを確かめる必要がある。

「二人とも、、、廊下に出るぞ。荷物も一応持って行こう」

 俺はそう言い、廊下に顔を出した。瞬間香ってくるのは、鉄の匂い。確かここに来る時はそんな匂いはしなかったはずだ。していたら気づくはずだしな。

「う、何この匂い」

「ああ、良い気はしないな」

 連れの2人もご不満な様子。

「、、、あまり、ここの空気を吸い過ぎないようにな」

 そう、俺が注意喚起する。同時に違和感を感じた。廊下にはいくつもドアがあるのだが、どこのドアも開いてない。誰もこの異変に気づいていないと言うのか?

「なあ、なんでどこのドアも開いてないんだ。いや違うか、、、。何故誰も出てこないんだ?」

「は?そんなん部屋にいるのは俺たちくらいで、他は軍艦内を見学してんだろ。なら、出てこないのは当然だろ」

「、、、それもそうか」

 そうなら、逆にドアが開いたら大変だな。

 そんな呑気な考えは次の瞬間には消え去っていた。

カシャン…カシャン…

「、、、ねぇ、何この音」

カシャン…カシャン…

「し、知らねぇよ」

カシャン、、、カシャン、、、

「なあ、なんか大きくなってるよな?気の所為、、、じゃ、、、ない」

 そこまで言ったところで、ソレ・・は現れた。






 本日はここまでです!

 え?焦らすな?早く見せろ?

 すいません。作者の諸事情でここまでしか書けませんでした。これ以上書くと収支が付けられなくなってしまうので、という理由もあります。

 なので今日はここでご勘弁を

 誤字等ありましたら報告よろしくお願いします。

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