五つの世界の端々で

とっとこクソ太郎

魔術師舐めんな 9

「俺は女は殴らない」
「辞めとけバカ!!逃げろ!!」
咄嗟にそう叫んだものの時すでに遅し
ミリアの手に握られた刃は目に見えない速度でヒュルと音を立てたかと思うと高井の背後からバツンと言う破裂音が聞こえた
「ミリー!!」
「あなた、私のご主人様に何をしました?」
目の前で高井がへたり込む
身体を支える足を失ったかのように、本人も何が起きたのか分からないと言った様子で沈み込み自然とバンザイをさせられその手をミリアが掴んで無理やり立たせてる
やばいやばいやばい…今アキレス腱切りやがったな。逃がさないつもりだ
「ぐあぁっ!?」
「ミリアストーップ。高井くん痛がってるよー」
「ご安心を、あなたを守ります我が主」
駄目だ。こっちを見ない


「ミリアちゃん落ち着いて…」
「ミリー!駄目よミリー!」
「笠木と片瀬は亮太の所へ!関根はゴーだ!」
岩村の号令は響くとドーム内で一斉に動きが起きる
オレの傍らで身構えていた関根がミリアに飛びかかり美空と片瀬ちゃんが駆け寄ってくる
岩村の考えはおおよその想像が出来る
そのためにはあの2人と接触する必要がある…でも
「根っち!手加減はいらねぇから横っ面殴り飛ばせ!オレが許す!」
「あいよぉ!!」
ミリアの左手側から真っ直ぐ拳を伸ばしているがスカートをおおきく翻して踵落としで弾き落とす
地属性の魔力で強化された拳が地面を粉々に砕くとミリアは体勢を一切変えないまま上昇していく
岩村の作戦に従うとオレがタダじゃ済まない気がする。てかタダじゃ済まない




ミリア様が飛んでる!?
レイドルさんってあんなに怖かったっけ…


「何してる!ガキ共はさっさと逃げろ!大怪我じゃ済まないぞ!?」
「何言ってんだよチビ、レイドルさんとは1年間一緒に過ごしてきてんだよ俺達」
「そうそう、あんまり喋ったりしないけど綺麗で可愛くて強いんだぜ?ただのお仕置きだろそれだって」
「魔術はあんまりだけど戦いだと頼りになるしね♡」
「それに強いったって僕達とあまり変わらないでしょ?」
「関根くんと岩村くんがいれば大丈夫よ!」


…何を言ってんだコイツらは?
ビビって動けなくなったざこBを投げ捨てるように遠くに逃がしているとそんな声が聞こえてくる
意味不明だと言わんばかりの表情をしていると同じようにざこCを逃がしながら岩村が駆け寄ってきて
「ミリアの正体はバラしてない。リムやアリス、カライドの事も何一つ話してない」
何ですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?



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