魔術師舐めんな 3

「先輩よぉ、こいつが済んだら次はアンタらよ？」
「そう言うの良いから」
「あぁん!?」


「あ、根っちだー」
「やっぱり問題起こすのはお前か亮太…」
「いや違う違う！巻き込まれてるだけだよオレは！」
「何でもいいからさっさと終わらせろよ？」


よく見れば端の方で片瀬ちゃんと関根が救急箱の中身を確認したり何人かの生徒が見物とは別の待機をしているのがなんとなく分かる


医療班ってところか？
「殺さない程度でって難しいぞ！」
「片瀬が見えてるだろ？大丈夫だ。どうせお前じゃ大した怪我させられないだろ」
「あああああああああああんん？？」
ふっと鼻で笑う岩村
こいつマジで腹立つな。後でパロスペシャルをお見舞いしてやる
「あったま来たぞオィ！！まずてめぇから！！」
「この状態からどうするつもりだよチビ？」
「またチビって言ったなクソガキィ！」
頭の上から降りてくる声にますます腹が立つ
という訳で
「えいっ」
ベキ
オレの右手を掴んでいた手を払い除ける
と同時に指を1本折り曲げる
「いてぇぇぇぇぇ！！？」
「そりゃ痛てぇだろうな？どの指折れた？あー薬指…バカだなぁちゃんと手首掴んでなきゃ。まぁ手首だろうが普通にやり返してたけど」
途端に歓声と悲鳴があがる
「根っち！片瀬ちゃん！」
端の方で待機していた2人を含めた数名の生徒が駆け寄ってきて片瀬ちゃんの指示で治療の魔術を施していく
「亮太、あまり無理するなよ？」
「大丈夫大丈夫」


うずくまる男子生徒を押しのけアホなボスを指さす
「仕方ないからこの喧嘩買ってやる。お前らの言いなりになるようじゃ終わりだ。名も無きざこAよ」
「交渉決裂だな。俺達は東條のように甘くないぞ」
相手は残り4人
なんて事は無い
「遊んでやるよ！現役魔術師舐めんじゃねぇ！」






























































「まぁ冷静に考えて勝てるわけないよな…」
4対1だぞ
しかも魔力も無いんだぞ
囲まれてボコボコに殴られて終わりだ
そして現在、両腕をとられ後ろから羽交い締めにされている。顔が痛い
「最初から大人しくしてりゃ良かった」
「今更遅いぞ」
ボス格の生徒が右のポケットに手を突っ込み護身用の武器を取り上げられる
「あん？煙草？」
「ちょっと待ておい！」
見た目はボックスケースの煙草
中身も見た目は普通の紙巻煙草
ボス雑魚Aは慣れた手つきで自分のポケットからライターを取り出し火をつけようとする
「やめとけ！やめとけっていでででで」
何とかそれを止めようとするが3人がかりで押さえつけられるとさすがにどうしようもない
「んだよこれ全然燃えないぞ？」
「火をつけるなアホーー！」
フィルターを噛み、中に入っているカプセルを噛み潰す
すると煙が吹き出す仕組みになっている


「ハッ!?……クシュン!!」
「ゲホゲホッ」
「イタイイタイ!?ックション!!」


主成分はクロロアセトフェノン
ごくごく一般的な催涙ガス
を噴出する煙草型スプレー
「目に入るとビックリするぐらい涙が出てクシャミが止まらなくなるガスックショーイ！」