五つの世界の端々で

とっとこクソ太郎

帰還と変身 4























































「息子が女の子にご主人様プレイさせてる件について」
「やめろ父ちゃん!カメラを回すな!!」
ミリーが泣き叫び始めた辺りでドアの隙間から良樹さんが見ていた事には気付いていた
慌てる亮太に対してミリーは全く気付く気配が無いのがまた面白い
「お前これからどうする?」
「あ?」
「学校。実年齢16でもその見た目じゃ大人にしか見えないからな。関根達と一緒に通うのは多分無理がある」
「なら通信制でも通おうかな。高卒は欲しいし」
「それは俺も考えてた」
ぺしぺしとミリーの頭を叩いて落ち着かせた亮太は少しだけ真剣な顔をしている
そうか、どう見たって今の亮太じゃ高校生には見えないもんね
「そこでな、佐久間の手伝いで副担任でもやってみろ」
「佐久間の手伝い?副担任?」
「お前1人くらい上手くねじ込めるぞ。ついでに勉強教えてもらいながら高卒認定でも取れば良い」
これはいい提案じゃないだろうか
Aクラス担当なら私やミリーと離れなくて済む
目の届く範囲にミリーがいた方が亮太も安心するだろうし
なんなら私も付いていきますとか言って学校辞めそうだし
学校に入る前からサクセンは私達の事も亮太の事も知ってるし良樹さんに逆らえないのは私も知ってるし…
「この年で年齢詐称かー」
「亮太さん?」
「あん?」
たははーと笑いながら長い髪の毛を波立たせながら思案している素振りをしている亮太の胸でミリーが上目遣いで見上げている。可愛い
「何か熱くないですか」
「あーやっぱり?オレもそう思…ぅ」
「亮太!?」
いきなりベッドからずり落ちそうになる
勢いで抜けた点滴針をミリーが掴み亮太を抱き寄せる
「亮太さん!!」
「どうした?」
「分からん…ちょっと前から身体が熱くて」
「疲れが出たって感じじゃないな。医者呼べ美空ちゃん」
「分かりました!」
良樹さんの指示通りナースコールを押す
程なく病院の人が来てくれるだろうけど亮太はとても苦しそうな顔をしている
無造作に放り出された手に触れてみると火傷しそうな程体温が上がっているのが分かる
「これは良くないな…ミリア、ちょっと離れて」
「お断りします!ちょっと黙ってて下さい!」
「……ご主人様の命令だぜおい」
「私の契約主はソラです。それは聞けません!」
「なんだフラれちゃったよオレ……」
「亮太!亮太!?」
「おー美空ぁ」
弱々しく私の手を握り返してくる亮太
もしかしてここまで無理してたの…!?
「ミリアと仲良くな」
「何言ってんの!?」
「ちゃんと好き嫌い無く食べないと身長伸びないぜ…無いと思うけどミリアも言う事ちゃんと聞きなさいよ」
「分かってます!言う事何でも聞きますから!亮太さん!」
「なら命令、離れな」
「お断りします!」
「んな無茶苦茶な…ゴホッゴホッ!」
「川元亮太くん!どうしましたか!?」






そうこうしているうちに医者が来てくれた
視診と触診で分かったことは非常に高熱がある事と脈拍が異常に早い事


「それだけか?」
「それだけだよ!」
「うちの息子死ににくい体質だとは思うが47度はまずいだろ。人間の体温じゃない」
「んなこと医者の私が一番分かってる!」
苦しそうに呼吸を乱す亮太に繋がれた生命維持装置はものすごく早いテンポで機械音を発している

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