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異世界に転生されたので異世界ライフを楽しみます!

クロ猫のクロウ

◇第4話◇ 異質


「ユーリー!朝飯よー!」
「はーい…!」

フェルブの山から帰ってきてから7日目。母(イースン)もようやく許してくれた。




「え…?」
「いや、だから、その…」
「神龍と契約だって!?」
「まぁ、その色々あって…」
「あんた、死んでたらどうするつもりだったのよ!」

怒るとこはそこなんだな…。

「神龍出しな!文句言ってやる!」
「無理でしょ!?家壊れるよ!?」




『ユーリ様…』
「モモ?どしたの?」

ペントリウスにはモモと名付けた。現世で飼ってた犬の名前だった。俺が死ぬ7年前に死んじまったけどな。
ずっと、ペントリウスって言うのは、長いし面倒だし、何よりモモが可哀想だったから。

『西南西のデカグラの森から異様な気配がします…!』
「デカグラの森か…」
「おーい、ユーリー!」
「この声…エリンだ…!」

勢い良く玄関の戸を開けると、白髪のロングヘアーの美少女がそこに立っていた。
エリンは、幼馴染みだ。南の森のエルフの娘で、俺の初めての友達だった。

「エリン!久しぶりだな!」
「ユーリも!身長まだ伸びないね」
「今からおっきくなんだよ!」

どんなに不思議な体験をしてもエリンと話しているとそんなことも忘れられる気がした。

「え!?神龍と契約したの!?」
「ま、まぁ、色々あってね」
「…」

だからこそこんなに悩んだ表情を見るのは初めてだった。いつも笑って話を聞いているエリンの表情は強張っていた。

「ねぇ、ユーリ…」
「なに…?」
「あなた、魔法騎士<エンペラー>になってみない?」






エンペラーとは、国王の騎士団の1つであり魔法を使い、王と民を助け魔物を倒す魔法騎士団のことである。

「でも、エンペラーは魔物を…」
「えぇ、退治するわ」
「ダメだよ…。僕にはできない…」
「魔物は皆が皆"エルム"じゃないのよ!?」

僕は前に生命の森で迷子になったことがあった。別名"死の森"。魔物がたくさんいて村民は入ったら最後、生命の森の魔族に食われて死ぬ。
でも、そんな時助けてくれたのはクリッパーと呼ばれる猪のような魔物だった。

名前はエルム。魔物の中でも格段優しい魔物だった。俺が迷子だと知ったエルムは魔物から俺を庇いながら、家まで送ってくれた。
魔物嫌いの母もエルムには心を許していた。
でも、生命の森はそんなエルムを反逆者と言い、生命の森で監禁してしまった。

「エルムみたいな奴はいないかもしれない。でも、それでも俺は魔物を倒すようなことは…!」
「なら」

エリンが僕の顔に手をかざした。

「なら…"ドール"になってみる…?」
「ドール…?」
「国王騎士団に所属しない風変わりの騎士団。みんなからは異質と呼ばれてる」
「異質…」
「魔物との共存を目指し、日々迷宮に足を向ける風変わりな騎士団ドール」
「いいじゃん、それ…!」

エリンは深い溜め息をつくと、すっくと立ち上がった。

「おばさんには私ともう1人で話をつけてあげる…」
「もう1人…?」

野原の向こうから鉄のような錆臭い匂いが近付いてきた。ガチャガチャと重い音を鳴らし、魔物の匂いを全身に纏わせながら、近付いてきた。

「我等がブルカンセリオ国国王"直轄"騎士団団長のエフリート様よ…!」

鎧の男は冑を取ると膝まついた。

「初めましてだな、坊主。俺はエフリート。国王より魔物を助けよと命を受けた直轄護衛部隊ドールの隊長だ…」

ここから俺の物語は急旋回を始めた。


◇第4話◇ 異質         fin.

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